【2020年】新型コロナの不動産価格への影響と今後の市場を予測!不動産投資額で東京がトップに
2020年の不動産価格と推移、新型コロナの影響が気になる方はこちらの記事をご覧ください。不動産投資への影響や今後の市場予測等と併せてお伝えしていきます。2020年の「都道府県地価調査」の結果が発表となり、東京圏を始め全体として地価は下落傾向であることが分かりました。
一方で、世界の不動産投資市場の投資額は東京がトップとなっており、2019年から海外投資家の需要が高くなっています。コロナ禍にも関わらず東京への不動産投資額が6%プラスとなった要因は一体何でしょうか?ぜひ最後までご覧ください。
目次
Toggle不動産価格の一つである「都道府県地価調査」の結果が明らかに
国土交通省は2020年7月時点における地価を調査した「都道府県地価調査」の結果を発表しました。今回の地価調査は新型コロナの影響を織り込んだ初めての公的な不動産価格となります。
結果としては全体的に下落傾向で、特にインバウンド減少による商業地の落ち込みが目立ちます。
全体的に不動産価格は下落傾向
新型コロナの感染拡大による影響で、地価は全体的に下落傾向となりました。
全国平均で2017年度以来3年ぶりに下落に転じ、中でも商業地は下落幅が大きくなりました。圏域別・用途別に前年と比べた平均地価変動率を見てみましょう。
住宅地は地方圏の四市以外、三大都市圏や全国平均で上昇から下降に転じました。商業地は全国平均で-0.3%、三大都市圏では東京圏・大阪圏ではプラスであるものの、東京圏で4.9%→1.0%、大阪圏で6.8%→1.2%と上昇幅が下降しています。名古屋圏、地方圏は下降に転じています。
全国平均でも-0.3%となっており、下落幅は用途別で一番大きくなっています。インバウンド(訪日客)の大幅減の影響と考えられます。
国土交通省は「いったん回復が立ち止まった状態で、多くの地域では様子見の小幅な変動」と解説し、今後の動向を見守る姿勢です。
一部地域はテレワークで上昇
テレワークの影響で、長野県等のリゾート地や埼玉県・千葉県といった東京近郊の一部地域では需要が高まり地価が上昇しています。
今後新型コロナ終息後においてもテレワークを導入する企業が増加すると、東京一極集中が分散され近郊地域やリゾート地の需要が高まる可能性があります。
東京オリンピックの影響もあり、長らく東京を始めとした都市圏の地価上昇が続いてきました。オリンピックは2021年に開催される見込みですので東京の地価が大幅に下落するとは考えにくいです。
ただし、コロナ後の生活様式の変化がどのくらい定着し、不動産業界に影響を与えるかは未知数ですので、今後の動向に注視していきましょう。
不動産価格は下落、しかし東京への不動産投資額が世界トップに
2020年は新型コロナの感染拡大の影響で不動産価格、特に商業地が下落傾向にある事が分かりました。しかし、コロナ禍にも関わらず、2020年の1~6月の不動産投資額は東京が+6%と世界トップになっています。
東京圏では3月が決算である不動産会社が多い事から元々1~3月は需要が伸びる傾向にありますが、コロナ禍でロックダウンが行われず、欧米より影響が少ない東京の需要はさらに伸びる結果となりました。
4月に行われた不動産投資の専門家を対象にした「不動産投資家調査」の結果と併せてお伝えしていきます。
2020年
2020年1~6月の世界全体の不動産投資額は前年同期に比べ3割ほど減少してしまいました。
ただし、日本への投資額は前年に比べ6%増加し、来年オリンピックが開催予定の東京圏への投資額は150憶ドル(約1兆6千万円)となり、始めてトップとなりました。関西圏も24位となっています。
投資額が増えた背景としては低金利で利益が出やすいこと、首都圏では3月末が決算の企業が多い事、ロックダウンが行われなかった事等が挙げられます。
特に大型オフィスビルの売買が多く、ノルウェーの政府系年金ファンドは大手町のビルを1千億円弱で取得しています。
ネット通販の需要の拡大により物流大型施設が建設されており、2019年の時点で新規供給面積が約230万㎡と過去最高を記録しています。
欧米に比べ新型コロナの経済的影響が少ないため、投資家にとってはコロナ禍において「東京は安全圏」と投資対象としての魅力が高まっているのです。
今後も不動産価格の大幅下落や市場の停滞といった不安材料は少なめであると予測されます。
「不動産投資家調査」から見た今後の市場動向
日本不動産研究所が発表した2020年4月時点での「不動産投資家調査」の結果から、今後の不動産投資市場の見通しをお伝えしていきます。
まず投資用不動産の利回りは商業施設やオフィスが低下、横ばいの中、影響を受けにくいマンション(住宅地)は東京圏で前回と同じ数値となっています。政令指定都市では横浜・大阪で0.1ポイント低下、その他は変化が見られません。
ワンルームマンション所有の投資家は「利回りはこの先横ばい」と捉えています。調査の対象となった投資家は不動産会社や保険会社、不動産投資信託(REIT)を運用する不動産投資のプロが多いため、信頼できる数値と言えるでしょう。
また、新型コロナの影響について今後1年間の市場動向について「ネガティブな影響がある」と答えた投資家の割合を用途別ごとに集計した結果は以下の通りになります。
都心型商業施設やビジネス・シティホテルに「ネガティブな影響がかなりある」と答えた投資家が6割~9割以上に対し、ワンルーム等の住宅は「ネガティブな影響はあまりない」と考える投資家が74%となっています。需要が伸びた物流施設も高い数値です。
コロナ禍では商業施設へ行く機会や観光・ビジネスでホテルに泊まる機会が減少し、家で過ごす時間が多くなるため住宅地には極端な地価下落や需要低下は起きづらいという見通しとなります。
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2020年不動産価格の影響と今後の不動産投資
2020年の不動産価格は商業地を中心に大幅な下落が見られましたが、東京への不動産投資額は逆に増える結果となりました。
中でも東京圏のマンションは、需要は高いままであり不動産価格の下落は一時的と見られています。海外の不動産投資家からも人気が高いため、これから不動産投資をする予定の方や事業を拡大したい方には都心のマンションが適しているでしょう。
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