FIREとは?メリット・デメリットや具体的なステップをご紹介
資産運用を考えている人の中には、FIREという言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。
本記事では、FIREは何を指すもので、FIREを実現すればどのようなメリット・デメリットがあるのか、FIRE実現のための具体的なステップなどをご紹介していきます。
目次
ToggleFIREとは
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取った言葉で、直訳すると「経済的自立と早期退職」という意味です。
経済的に自立する仕組みを確立させ、定年前に仕事から解放され、その後の人生を自分の好きなように生きる新しいライフスタイルのことを言います。欧米を中心に世界的に流行している考え方で、近年の日本でも生活スタイルや働き方の概念が変わりつつあることで注目されている生き方なのです。
実際に、20代や30代でFIREを実現した人がSNSなどで話題となっており、今後より普及していく可能性の高いスタイルと言えるでしょう。
早期リタイアとの違い
定年を待たずに仕事からリタイアするという点では、早期リタイアと同じです。早期リタイアとFIREの大きな違いは、リタイア後の生活にあります。
早期リタイアでは、仕事からリタイア後の生活費はそれまでの貯蓄や退職金を元に賄います。リタイアまでに、リタイア後の生活費を蓄えておく必要があり、リタイア後はその資産が目減りしていくのです。
一方、FIREでのリタイア後の生活費は、それまでに蓄えた資金が目減りしないという特徴があります。リタイアまでにある程度の資産を蓄えたら、その資産を元手に投資などで資産運用し、その運用益を生活費とするのです。毎年の生活費は資産運用の利益で賄えるため、元手となる資産は減少しないで生活できます。
資産運用での収入を得られるFIREは、実現のために必要な資金が早期リタイアよりも抑えられることから、より実現しやすいという特徴があるのです。
4%ルールとは
FIRE実現のキーワードに「4%ルール」という言葉があります。これは、「リタイア後の生活費を資産運用元本の4%以内に収めれば収益だけで生活できる」と言う考えです。つまり、年利4%で運用できれば収益だけで生活でき、資産元本を切り崩すことがないということになります。
ただし、年4%で運用するための元手となる資金は、ある程度必要です。FIREでの必要な資金を考えるうえでは「年間支出の25倍」という目安があります。
例えば、年間支出額が400万円の場合、必要な資金は400万円×25=1億円となるのです。この1億円を年4%で運用すると、年間400万円の利益となり、必要な支出額を賄えるという仕組みになります。
FIREについて詳しく知りたい方は、以下の書籍を参考にしてみてください。
>>>FIREを目指す 失敗しない資産運用と幸せに使い切る生き方 FIREを目指す
FIREのメリット
なぜFIREが注目を集めているのでしょうか。ここでは、FIREのメリットを見ていきましょう。
FIREのメリットとしては、次の3つが挙げられます。
・時間が自由になる
・場所が自由になる
・賢いお金の使い方を学べる
1つずつ詳しく見ていきましょう。
時間が自由になる
FIREで仕事から解放された後の人生は、自分の好きなことをして過ごせます。それまで仕事のために費やしていた多くの時間で、趣味や新しいことにチャレンジできるようになるのです。
・旅行や趣味の時間を過ごす
・やりたかった仕事をする
・ボランティア活動
・自給自足生活
仕事をするにしても、生活費を稼ぐための仕事は必要ないので、やりたかった仕事を選ぶことができます。仕事や資金の都合で諦めていたことにチャレンジでき、充実した時間を過ごせるようになるでしょう。
場所が自由になる
現在はテレワークが普及しており、以前よりも生活拠点が自由になっています。しかし、まだ仕事のために住む場所を制限する必要は多くあるものです。その点、FIREで仕事から解放されることで、住む場所も自由に選べるようになります。
・田舎で悠々自適な生活
・都会で便利な生活
・憧れの海外生活
・住所を持たずに旅をしながら生活
仕事のために住む場所を制限する必要がなく、好きな場所で好きなように生活できるでしょう。
賢いお金の使い方を学べる
FIREの実現には費用を蓄える必要があり、節約が重要になります。FIRE実現を目指す中で、無駄な支出を見直し自分にとって必要なお金の使い方を身に付けられるようなるのです。
また、税金や資産運用の知識も必要になるため、それらの知識はFIREしない場合でも、その後の人生にとって大きなメリットとなるでしょう。
FIREのデメリット
FIREするには、デメリットも正しく理解しておく必要があります。デメリットには、次のような点があるので注意しましょう。
・FIRE後に資産が目減りする可能性がある
・キャリアが中断される
・暇になる
それぞれ詳しく説明します。
FIRE後に資産が目減りする可能性がある
FIREでの生活費は資産運用益で賄うと言いましたが、年4%で運用することが前提です。しかし、年4%の運用は簡単なことではありません。市場などの状況によっては、4%以下になる可能性もあるでしょう。
その場合、運用益だけでは生活費が不足するため、資産を切り崩す必要があります。収入がない状態で資産が目減りする状況では、精神的に大きなダメージを負う可能性もあるので注意しましょう。FIREするうえでは、資産ギリギリではなく、ある程度余裕をもってFIREすることで、FIRE後も安心して過ごせるようになります。
キャリアが中断される
FIREで仕事から解放され自由な時間を過ごせる反面、キャリアが中断される点には注意が必要です。万が一、資産が不足し再就職しなければならない状況になった時、30代などではキャリアが中断しても再就職できる可能性はあります。しかし、40代・50代での再就職は難しくなるでしょう。
FIRE後に再就職が難しいことを理解し、資産が不足した場合の稼ぎ方も考慮しておくことが重要です。
暇になる
それまで仕事に費やしていた時間を、自分の好きなことで使えるようになります。しかし、FIRE後の計画がない場合、その自由な時間を持て余してしまう可能性があるのです。最初のうちは、自由な時間は楽しいものですが、何もすることのない時間は徐々に負担になってしまいます。
中には、暇な時間が原因で鬱になる人もいるのです。FIRE後には、仕事を辞めることで社会とのつながりが絶たれ孤独になる可能性もあります。
FIRE後の暇な時間や孤独を解消する方法としては、仕事を続けるという選択肢もあります。
とはいえ、それまでの生活費を稼ぐ仕事を続けるのではありません。負担にならない程度の時間で働くことや、自分の好きな時間や好きなことの延長線上の仕事をすることをおすすめします。
ちなみに、FIRE後にも仕事をするスタイルとサイドFIREと言います。サイドFIREなら仕事をすることで、社会や人とのつながりを保て、収入も得られるので、FIREのデメリットの解消にもなるので検討するとよいでしょう。
サイドFIREについては、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。
>>>サイドFIREとは?FIREの種類や種類やサイドFIREのメリット・デメリットを解説
FIREを実現するための具体的な3つのステップ
FIREを実現するためのステップを見ていきましょう。FIRE実現には、次の3つのステップが重要です。
・支出を把握する
・生活するのに必要な資金を計算する
・資産運用を始める
具体的な内容を1つずつ解説していきます。
支出を把握する
FIREの資金を蓄えるには、節約が重要です。そのために、現在の支出をまず把握する必要があります。家計簿などを利用して、日々や月間・年間の支出を正確に把握しましょう。そのうえで、自分にとって必要な支出と無駄な支出を明確にし、無駄な支出を削っていきます。
節約するうえでは、次のようなポイントがあるので参考にしてください。
・水道光熱費などの契約会社・プランを見直して固定費を下げる
・携帯料金の見直しで通信費を下げる
・家賃の低い賃貸への引っ越しや実家暮らしにして居住費を下げる
・公的な医療費補助の活用を検討し医療保険料を見直す
固定費の見直しは、一度見直すとその後もずっと節約できるのでおすすめです。
生活するのに必要な生活資金を計算する
FIRE後に必要な生活費を計算しましょう。これは、現在の支出ではなくFIRE後の支出である点に注意が必要です。FIRE後の生活を具体的に決めておくことが重要になります。
今より支出を抑えられるのか、趣味などにお金を掛けたいのかなどによって必要な生活費は大きく異なるものです。FIRE後にどのような生活をしたいのか、どこで生活するのかなどをできるだけ具体的にイメージしましょう。そのうえで必要な生活費が算出できれば、その額の25倍がFIREの実現に必要な資金となります。
資産運用を始める
必要な額が把握できれば、それに向けて資産運用をスタートしていきます。基本的には、「節約」で支出を抑えて、浮いた分を「投資」で効率よく蓄えていくのがFIRE実現の近道です。
必要に応じて副業などで収入を高めると、よりFIRE達成が現実的になるので検討するとよいでしょう。
資産運用について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
>>>資産運用とは?資産運用の種類とそれぞれのメリット・デメリットを解説
まとめ
FIREについてお伝えしました。
自分の好きな時間を過ごせる早期退職のスタイルであるFIREでは、年間生活費の25倍の資金が必要になります。FIRE実現には、必要な資産を計算して資産運用で効率よく資産を蓄えることが重要です。
FIREを検討されている方は、本記事の内容をぜひ参考になさってください。
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