不動産投資における利回りの最低ラインや相場は何パーセント?利回りが下がった場合の対処法も解説
不動産投資を始めるまたは、検討をしている人であれば「利回り」について事前に見ておくことは大事です。理由として、不動産投資において収益に関する重要な指標の1つであるためです。
本記事では不動産投資における利回りについて、最低ラインや相場・理想の%(パーセント)を解説します。利回りの計算方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
Toggle不動産投資の利回りとは?
利回りとは投資した金額に対して、どれほど利益が発生しているのか数値化したもののことです。賃貸経営において、どれほどの収益力があるのか知っておくことが可能です。
利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があり、1年間でどれほどの金額が回収できているのか、あと何年で投資した金額を回収できるのかを把握できます。ここからは、表面利回りと実質利回りについて解説します。
表面利回りと計算方法
表面利回りとは、投資金額と1年間で得られた家賃収入をもとに算出する利回りのことです。また表面利回りは「グロス利回り」とも呼ばれ、賃貸物件の利回りを比較する際に役立ちます。表面利回りの計算方法は、以下のとおりです。
(1年間の家賃収入÷投資金額)×100
たとえば、家賃収入が600万円(月50万円)、投資金額6,500万円の賃貸物件における表面利回りは、以下のようになります。
(600÷6,500)×100=9.2%
表面利回りは経費が含まれていないため、正確な利回りよりも高めの数値が出てきます。そのため、賃貸経営をする際は表面利回りだけを重視するのではなく、実質利回りを算出しておくことが重要です。
実質利回りと計算方法
実質利回りは、表面利回りに経費を含めて算出する利回りのことです。
経費には物件購入時にかかった諸費用のほか、運営費・税金・保険料・修繕費・管理費・ローンの返済費用なども含めて計算します。実質利回りの計算方法は、以下のとおりです。
(1年間の収入−1年間にかかった諸経費)÷(投資金額+購入時にかかった諸費用)×100
1年間の収入が600万円、1年間の経費が120万円、投資金額6,500万円、購入時にかかった諸費用150万円の賃貸物件における表面利回りは、以下のようになります。
(600-120)÷(6,500+150)×100=7.2%
実質利回りは、表面利回りよりも正確な数値を算出できます。利回りについてさらに詳しく知りたい方は、不動産投資の利回りの種類と計算式を解説!物件購入時に利回りをどう活用する?の記事をご覧ください。
不動産投資における利回りの最低ラインとは
不動産投資における利回りの最低ラインは、一般的に5%と言われています。しかし、立地や物件の種類によって数値が異なるため注意が必要です。
都市部では購入時にかかる諸費用や家賃収入が高いため、地方よりも利回りが低くなる傾向にあります。対して、地方では購入時の諸費用や家賃が都市部よりも低い傾向にあるため、利回りは高くなります。
このように、立地や物件の種類により利回りの最低ラインは変動するため、地方ごとの利回りの平均を把握しておくと良いでしょう。
ここからは、物件の種類ごとに利回りの平均を紹介します。
区分マンション
収益物件の市場動向によると、区分マンションにおける利回りの平均は7.02%となっています。(2023年4月~6月時点)
地域ごとの利回りは、以下のとおりです。
地域 | 利回り |
首都圏 | 6.52% |
北海道 | 11.89% |
東北 | 12.56% |
信州・北陸 | 15.86% |
東海 | 8.96% |
関西 | 7.19% |
中国・四国 | 12.80% |
九州・沖縄 | 10.14% |
出典元:収益物件 市場動向四半期レポート 2023年4月~6月|不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家
このように区分マンションにおいては首都圏のほか、東海・関西の利回りが低い傾向にあります。
一棟アパート
収益物件の市場動向によると、一棟アパートにおける利回りの平均は8.06%となっています。(2023年4月~6月時点)
地域ごとの利回りは、以下のとおりです。
地域 | 利回り |
首都圏 | 7.56% |
北海道 | 11.26% |
東北 | 11.81% |
信州・北陸 | 12.44% |
東海 | 9.16% |
関西 | 8.88% |
中国・四国 | 11.17% |
九州・沖縄 | 9.06% |
出典元:収益物件 市場動向四半期レポート 2023年4月~6月|不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家
一棟アパートに関しては、首都圏や東海・関西以外にも九州・沖縄の利回りが低い傾向にあります。
一棟アパート
収益物件の市場動向によると、一棟マンションにおける利回りの平均は7.60%となっています。(2023年4月~6月時点)
地域ごとの利回りは、以下のとおりです。
地域 | 利回り |
首都圏 | 6.75% |
北海道 | 8.87% |
東北 | 10.74% |
信州・北陸 | 12.24% |
東海 | 9.12% |
関西 | 8.34% |
中国・四国 | 11.94% |
九州・沖縄 | 9.23% |
出典元:収益物件 市場動向四半期レポート 2023年4月~6月|不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家
一棟マンションにおいては一棟アパートと同様に首都圏のほか、東海・関西・九州・沖縄地方以外にも、北海道において利回りが低い傾向にあります。
不動産投資における理想の利回りとは
理想の利回りは、先述した地域ごとの平均利回り+1~2%といわれています。
しかし、物件が新築か中古かによって理想の利回りは異なります。そのため、平均の利回りと併せて、新築と中古の理想の利回りも把握しておくと良いでしょう。
新築と中古物件における理想の利回りは、以下のとおりです。
種類 | 新築 | 中古 |
区分マンション | 3%~4%ほど | 5.5%~8%ほど |
一棟アパート | 8%ほど | 9%~10%ほど |
一棟マンション | 6%ほど | 7%~8%ほど |
新築よりも中古の方が利回りの数値が高くなる理由として、管理費用や修繕費用がかかることが挙げられます。
不動産を購入したあとに利回りが下がった場合の対処法
物件を選ぶ際、エリアや周辺環境、物件のさまざまな情報を元に判断しますが、長い運用期間の中で不測の事態は起きるものです。その代表的な例が、利回りの低下です。
利回りは、単年度つまり1年間の収益を計算できますが、5年後や10年後といった中長期での予測はできません。改めて利回りの計算をした時に、当初の数字よりも下がってしまうと不安になるものです。もし、運用をはじめて数年後に利回りが下がってしまっていたらどのように対処したらいいのでしょうか。
一時的な状況で判断しない
利回りは物件の価値に比例するものなので、上下の幅があるものと考えて一時的な状況で判断しないようにしましょう。当初の計画よりもマイナスになってしまうことで焦ってしまうかもしれません。
しかし、不動産投資における失敗は、運用から売却までのトータルで赤字になってしまうことです。売却までを踏まえた場合に、購入金額を下回っていなければ充分に軌道修正することができます。
空室などのリスク回避
軌道修正する方法のひとつに、空室などのリスク回避があります。利回りの計算では、空室がない状態で計算しているので、1ヵ月でも空室期間が出てしまうとその分利回りが下がってしまいます。
空室のリスクを回避するためには、家賃が適正かどうか、また、リノベーションをして物件の付加価値を上げるという方法もあります。一時的に支出が増えてしまいますが、プラスにするための施策として検討してみましょう。
別の物件に買い替えを検討する
不動産は周辺環境の影響も受けやすく、たとえば近くで殺人事件や自殺が起きてしまうと不動産の価値が下がってしまうことがあります。環境要因で利回りが下がってしまった場合は、売却をして別の物件に買い替えをするという方法もあります。
物件を選び、投資をスタートさせても不測の事態は起こるものです。日頃から相談できる会社を見つけておくことは、失敗を回避できる方法になるでしょう。
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まとめ・利回りについて理解を深めたらクレドで不動産投資を始めよう
本記事では、不動産投資における利回りについて、最低ラインや平均値・理想の利回りについて解説しました。
利回りには、「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。利回りの最低ラインや平均は表面利回りの数値のため、実質利回りも視野に入れて計算することが重要です。また、利回りは都市か地方かによって異なり、物件の築年数によっても変動するため、平均利回りプラス1~2%の物件に投資するのがおすすめです。
株式会社クレドでは、新築と中古両方の区分マンションや一棟アパートの物件を取扱っています。どの物件を購入したら良いか悩んでいる方や不動産投資を検討している方は、ぜひ株式会社クレドまでお気軽にご相談ください。
また、沖縄における不動産投資のメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく解説されています。
参考:沖縄における不動産投資のメリット・デメリットは?おすすめの収益物件もご紹介| 沖縄県の不動産の賃貸・売買・管理なら中部興産へ
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