区分と一棟はどっちがおすすめ?違いやメリット・デメリットを解説
マンション投資には、部屋単位で投資をする「区分所有」と、マンション一棟をまるごと購入する「一棟買い」の2種類があります。
今回の記事では、区分と一棟の違いや、メリット・デメリットについて解説します。
投資先をマンションで検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Toggle区分所有と一棟所有の違いとは?
冒頭でお伝えしたとおり、マンション投資には、一棟所有と区分所有の2種類があります。
一棟所有とは、マンションの土地・建物をすべて所有することです。
マンション全体を丸ごと購入する投資方法で、初期費用は高いですが、入居が順調に決まれば大きなリターンが見込めます。
対して、区分所有は、一棟マンションのうち一室もしくは数室のみを所有することで、いわゆる分譲マンションのことです。
1室のみを購入するので、大きな収益は見込めないものの、初期費用を抑えてスタートできます。
次項からは、まず区分所有マンションのメリットとデメリットを見ていきましょう。
区分所有マンションの4つのメリット
区分所有マンションのメリットは、以下の4つです。
- 初期費用が安い
- 管理がしやすい
- 流動性が高い
- リスクを分散できる
部屋単位で購入することでどのようなメリットがあるのか、順番に解説します。
1.初期費用が安い
マンション一棟を丸ごと購入すると多額の資金が必要となりますが、区分所有であれば、部屋単位なので初期費用を安く抑えられます。
とくに中古マンションであれば、築30年ほど経過しているものは、新築時の半額以下まで価格が安くなっていることがほとんどです。
物件によってはローンを利用せず、現金で購入もできるでしょう。
2.管理がしやすい
区分マンションは、管理組合が主体となって管理・修繕を行ってくれます。
管理組合とは、良好な住環境を維持していくために、マンションの区分所有者全員で構成された団体のことです。いずれのマンションも、部屋を購入すると管理組合への加入が必要になります。
一般的に、管理組合はマンション管理会社と契約を結んで、エレベーター・給排水や電気、ガスの設備・駐車場など住居以外のすべての箇所を管理します。
管理費・修繕積立金は毎月かかりますが、物件オーナーにとっては一室のみの管理で済むので、管理しやすいと言えるでしょう。
3.流動性が高い
流動性の高さは、いわゆる不動産の売れやすさを表します。
不動産投資の収益は、賃貸として毎月の家賃収入を得るか、売却して単発で売却益を得るかの2種類があります。
区分マンションは価格も安く、居住用物件を探す一般人・投資物件を探す不動産投資家の2者が買い手となるので、売却益を得る方向にシフトチェンジもしやすいです。
4.リスクを分散できる
区分マンションであれば、異なるマンションを、1室ずつなど建物を分けて所有ができるため、リスクを分散しやすいです。
万が一、大地震や台風、津波などの自然災害で建物が倒壊したり人が住めない状況になったりした場合に、一棟マンションだと一気に家賃収入がゼロになる可能性があります。
区分所有であれば、他の場所からの家賃収入は継続的に得られるため、リスクヘッジとなります。
区分所有マンションの3つのデメリット
区分所有マンションのデメリットは、下記の3つです。
- 毎月の家賃収入が少ない
- 空室リスクの影響が大きい
- 運営の自由度が低い
それぞれ詳細を見ていきましょう。
1.毎月の家賃収入が少ない
区分マンションで一室しか所有していない状態では、毎月得られる家賃収入は少ないです。
仮に家賃が10万円だとしても、管理費と修繕積立金が差し引かれるので、さらに手残りは少なくなります。
管理費・修繕積立金は、両方合わせて毎月2〜3万円程度かかります。
2.空室リスクの影響が大きい
一個所有の場合、空室の有無によって家賃収入が0か100になります。
入居者がいなかったとしても、管理費・修繕積立金は必要なので、空室リスクの影響は大きいと言えるでしょう。
3.運営の自由度が低い
区分マンション投資は、運営の自由度が低い点もデメリットの1つです。
たとえば、空室対策として入居条件を緩めてペット可物件にしようとすると、管理組合の同意が必要となります。
2022年に一般社団法人ペットフード協会が行った全国犬猫飼育実態調査によると、ペットの飼育世帯率は、犬が 9.69%・猫は8.63%と、実に全世帯の20%近くがペットを飼っていることがわかります。
このことから、ペット飼育者の入居を受け入れることが空室対策に有効であると考えられますが、区分マンション投資では、複数のオーナーと話し合って許可を得られなければ実行できません。
一棟マンションの4つのメリット
区分所有と比べて、一棟マンションには下記のようなメリットがあります。
- 家賃収入の額が大きい
- 空室リスクに強い
- 運営の自由度が高い
- 資産価値が高い
理由を詳しく見ていきましょう。
1.家賃収入の額が大きい
一棟マンションは、家賃収入の額の大きさが最大のメリットです。
たとえば、総戸数30戸のマンションですべての部屋が稼働すれば、一室のみ所有する場合の30倍の家賃収入となります。
2.空室リスクに強い
複数の部屋を所有する一棟マンションは、どこか一部屋が空室になったとしても、いきなり収入がゼロになることはありません。
空室が発生しても、大きな損失につながりにくいのは大きなメリットでしょう。
3.運営の自由度が高い
一棟マンション所有では、入居条件の緩和やリノベーションなどをオーナーの意志で自由に行えます。
空室リスクに備えるためにも、周辺ニーズに合わせて人気設備を導入したり入居条件を緩和したり、柔軟に対策をとっていくことが重要です。
また、既存の入居者満足度を高める対策もとりやすいと言えます。
4.資産価値が高い
建物は築年数が経てば資産価値が下がりますが、土地には経年劣化という概念がありません。
多くの土地を所有する一棟マンションは、長期にわたって資産価値が高い状態を維持できます。
一棟マンションの4つのデメリット
大きな収益が見込める一棟マンション投資ですが、下記のようなデメリットがあります。
- 初期費用が高い
- 運営・修繕のコストが高い
- 流動性が低い
- リスクを分散できない
順番に解説します。
1.初期費用が高い
マンションの規模や築年数にもよりますが、一棟買いの多くは、数千万円〜1億円近くの自己資金が必要です。
ローンを組むことはできますが、頭金とマンション取得時の諸費用は自己資金で用意しなければなりません。
頭金と諸経費は、物件金額の1〜3割程度かかります。
2.運営・修繕のコストが高い
一棟マンションに限らず、不動産投資には運営コストがかかり、築年数に応じて修繕も必要となります。
とくに修繕は、外壁の塗り替えが10〜15年程度に1度、エレベーターの補修は15年・取り換えは30年など、一定のサイクルで高額な修繕費用がかかるので手元のキャッシュを残しておく必要があるでしょう。
3.流動性が低い
区分マンションであれば、マイホームを検討する人も購入しますが、一棟マンションはほとんど不動産投資家のみにターゲットが絞られます。
投資額が大きいため、不動産投資家のなかでも購入する層は限られるでしょう。
4.リスクを分散できない
一棟マンションは、火災や自然災害が起きたときに資産をすべて失います。
物件購入前に、ハザードマップで土地の特性を調べておく・物件購入後に災害に備えた保険に加入するなど、リスクヘッジが必要です。
初心者が不動産投資を始めるならどっちを選ぶ?
不動産投資がはじめてであれば、区分所有の方が資金も準備しやすく、比較的リスクも少ないと言えるでしょう。
ただし、どちらが適しているかは、本人の属性やどの程度投資に注力したいかによっても異なります。
たとえば、初心者であっても不動産事業で大きな収益を上げて、将来的な規模拡大も検討している場合は、一棟マンションが適している場合もあります。
不動産会社の多くは無料相談を提供しているので、一度相談して判断材料を増やしておくと、遠回りをせず最適な選択ができるでしょう。
まとめ
今回の記事では、区分と一棟の違いやメリット・デメリットについて解説しました。
まずは、不動産投資の基本知識を、書籍や勉強会などで身につけましょう。
実際に不動産投資をはじめる際には、一度プロに相談して意見を聞いてみるのがおすすめです。セミナーや個別相談なども行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
お役立ち資料
資産運用に関する資料を無料でダウンロードいただけます。