一棟マンションを売却するタイミングやなるべく高額で売る方法を解説
「区分とは違い、一棟マンションは売れないのではないか」
「売るために何から始めたら良いかわからない」
一棟マンションの売却を検討している方は、このような疑問をお持ちなのではないでしょうか?
今回の記事では、一棟マンションの売却に適したタイミングやなるべく高値で売るための方法について解説します。
一棟マンションの売却手順もわかる内容になっておりますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
Toggle一棟マンションの売却に適した3つのタイミング
一棟マンションの売却に適したタイミングは、以下の3つです。
- 築年数が20年以内のとき
- 減価償却を終えたとき
- 税制面で5年超所有したとき
適切な時期に売却することで、売却金額や税制面で損をしにくいです。以下で詳しく見ていきましょう。
1. 築年数が20年以内のとき
一棟マンションに限らず、不動産は築年数が浅いほど高く売れる傾向にあります。下記のグラフは、中古マンションの築年帯別平均価格を表しています。
このように、新築時をピークにマンションの価格は築年数と共に下落していくことがわかります。しかし、築11年から20年にかけてのゾーンに限り、下落が一時的に穏やかです。
築11年から20年あたりが、新築当初の面影がまだ残っていながら価格が手頃であり、購入需要が高いため、売却金額の下落が穏やかになっていると考えられます。
つまり、上記の時期を逃すと再び下落していくゾーンに入っていくので、売却するのであれば築20年までのタイミングが適しているでしょう。
2. 減価償却を終えたとき
節税の観点から、減価償却を終えるタイミングも売却に適したタイミングであると言えます。
減価償却とは、使用できる年数(法定耐用年数)に応じて、商品の購入代金を分割して経費計上する手続きのことです。
一棟マンションに主に関係する法定耐用年数は下記のとおりです。
建物の構造 | 法定耐用年数 |
鉄骨鉄筋・鉄筋コンクリート造 | 47年 |
鉄骨造 | 34年 |
軽量鉄骨造 | 23年 |
大まかに計算すると、鉄骨造の一棟マンションの購入代金が8,000万円であれば、8,000万円÷34=約235万円です。新築マンション購入時から34年間は毎年235万円ずつ経費計上できます。
つまり、減価償却期間を満了したタイミングが、節税面から売却に適していると言えます。
3. 税制面で5年超所有したとき
税制面で考えると、一棟マンションの売却は所有期間が5年を過ぎたタイミングが適しています。
不動産の売却時にかかる「譲渡所得税率」という税金の税率が下がるからです。
譲渡所得税とは、不動産の売却金額から、取得時や売却にかかった経費を差し引いた利益の部分にかけられる税金のことです。
譲渡所得税率は所有期間によって異なり、5年以下の短期譲渡所得であれば39.63%、5年以上の長期譲渡所得となれば20.315%まで税率が下がります。
つまり、5年間所有したか否かで売却利益の税率がおよそ2倍変わるため、所有期間5年を過ぎたタイミングが望ましいと言えます。
一棟マンションを売却するまでの流れ
不動産の売却方法には「買取」と「仲介」の2種類があります。
簡単に説明すると、仲介業者は売主と買主の売買契約までをサポートする業者です。一方、買取業者は、業者が直接不動産を買い取ります。
不動産の状態によってどちらが適しているか異なりますが、高値で売却できるのは仲介ですので、ここでは仲介業者に依頼する流れをご紹介します。
- 不動産業者に査定依頼をする
- 不動産業者と媒介契約を締結する
- 一棟マンションの販売開始
- 購入希望者と交渉する
- 同意が得られれば売買契約の締結する
- 一棟マンションを引き渡す
売却にかかる期間は、おおむね3〜6ヶ月が平均です。
ただし、戸建の住居や区分マンションと比べて、一棟マンションの購入を希望する全体数は少ないため、6ヶ月以上はかかると予想されます。
一棟マンションをなるべく高額で売却する5つの方法
行き当たりばったりで売却すると、安く手放すことになりかねません。
この章では、一棟マンションをなるべく売るための5つの方法である、
- 事前に相場を調べておく
- できるだけ満室にしておく
- マンションの見た目を改善する
- 得意分野の不動産会社を選ぶ
- 専任媒介契約を選ぶ
について、解説します。
1.事前に相場を調べておく
査定に出す前に、事前に相場をリサーチしましょう。自分の中に相場感がないと、業者の提示する金額がすべてとなり、損をする可能性が高いからです。
国土交通省が運営する土地総合情報システムの「不動産取引価格情報検索」では、過去の成約案件を確認できます。所有の一棟マンションに類似した取引価格を確認しましょう。
あくまで目安となりますが、金額を調べておくことで、提示された査定金額が妥当なのかわかりやすくなります。
2.できるだけ満室にしておく
一棟マンションを購入する人の多くは、不動産投資家である可能性が高いです。
投資家は、家賃収入で収益を得ることを目的としているため、すでに入居者のいる物件は価値が高く、高値で売りやすくなります。
満室に近づける方法は、不動産会社に相談するとアドバイスがもらえるでしょう。
3.マンションの見た目を改善する
マンションの外装や内装を日々の管理で清潔にしておきましょう。
外装であれば、エントランス・廊下・ゴミ置き場など。内装であれば、とくに水回りの清潔感は重要です。
内覧希望者から見て少しでも印象が良くなるように心がけることが必要です。
4.得意分野の不動産会社を選ぶ
不動産会社にも得意分野があるため、公式サイトで業者の過去の取引実績を確認しておきましょう。
得意分野であれば、買い手も見つかりやすく、極端な値下げなどを行わなくてよくなります。
査定前であれば、公式サイトから確認し、査定後であれば担当者に直接聞くと、得意なのか判断しやすいでしょう。
5.専任媒介契約を選ぶ
不動産会社の媒介契約方法は大きく分けると、一般媒介契約と専任媒介契約の2種類があります。
一般媒介契約は、複数の業者に並行して依頼できる契約です。自由度が高い反面、仲介業者のビジネスモデルは成果報酬であることから、業者が熱心になりにくい傾向にあります。
一方で、専任媒介契約は、依頼した1社のみと取引をする契約です。依頼先は限定されてしまいますが、業者にとっては売買が決まれば確実に報酬が得られるため、積極的に広告費をかけて宣伝してもらえます。
また、2週間に1回、売主への報告義務があるので、進捗をチェックしやすい点も専任媒介契約のメリットです。
一棟マンションを売却をする際の4つの注意点
一棟マンションを売却する際の注意点は、下記の4つです。
- 複数社に見積もりをとる
- スケジュールに余裕をもつ
- 売却費用を把握しておく
- 急ぎであれば買取業者へ依頼する
損をしないためにも、注意点を把握しておきましょう。
1.複数社に見積もりをとる
1社だけの査定で即決せず、複数社に見積もりを取りましょう。
「HOME‘S」「リガイド」「HOME4U」などの不動産一括査定サイトを利用すると、効率よく条件の良さそうな業者を見つけられます。
目安として3社以上はピックアップして、問い合わせする業者を選定しましょう。
2.スケジュールに余裕をもつ
先述したとおり、仲介で売却できる平均スピードは3〜6ヶ月ですが、一棟マンションはそれよりも時間がかかります。
慌てて売却しようとすると、安く買い叩かれる原因となるので注意が必要です。
3.売却費用を把握しておく
一棟マンションの売却金額がそのまま利益になるわけではありません。
売却にかかる費用はおおむね下記のとおりです。
- 印紙税…5,000円~3万円
- 仲介手数料…売却価格×3%+6万円
- 譲渡所得税…売却利益×39.63%もしくは20.315%
- 測量費用…35万円〜100万円
- 抹消登記手数料…2万円〜3万円
上記の中には、支払う必要がないものもあります。
項目によっては現金払いが必要なため、売却費用を把握したうえで、手元にキャッシュを残しておく必要があります。
4.急ぎであれば買取業者へ依頼する
急ぎで現金が必要、などの事情がある場合は、買取業者に依頼しましょう。
買取業者は、安く買い取った物件にリフォームなどを施し、高く再販することを目的にしています。
商品化するコストが差し引かれるため、仲介業者の6〜8割程度の売却金額となります。
しかし、売主と業者が合意さえすれば、すぐに決済に進むので、1週間〜1ヶ月というスピード感で売却が可能です。
急ぎの場合は、買取業者への依頼も検討しましょう。
まとめ
今回の記事では、一棟マンションを売却するタイミングやなるべく高額で売る方法について解説しました。
好条件で売却するためには、相見積もりが欠かせません。
売却について査定やご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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