不動産投資は今後どうなる?2023年問題や将来性を解説
不動産投資を検討している方は「不動産市場は今後どうなるのか?」という疑問をお持ちなのではないでしょうか?
不動産投資家の間では、人口減少など2023年問題が懸念されています。
結論からお伝えすると、都心に関しては限定的な影響であり、不動産投資を始める際には、投資エリアや再開発についてプロに聞いてみた方が良いでしょう。
本記事では、2023年問題の概要・不動産価格が上昇する理由や今後の見通しについて、解説していきます。
目次
Toggle不動産投資の今後に関わる2023年問題とは?
2023年問題とは「日本人口の減少に比例して不動産の需要が落ちるのではないか」という不動産業界の懸念です。
日本は2008年をピークにすでに人口減少が始まっており、2048年には1億人を切ると言われています。
これまでは人口が減少する一方で、単独世帯や核家族化などを背景に世帯数は増加傾向にありました。
しかし、世帯数の増加は2023年にピークを迎え、その後は減少していくと予想されています。これが、不動産業界で話題になっている2023年問題です。
当然ですが、世帯数が減ることで住宅需要も減ると予想できます。
需要よりも供給が上回ることで、不動産投資に影響があると言われているのです。
2023年問題が不動産投資へ与える影響とは?
上記でお伝えしている通り、2023年から世帯数は減っていくと予想されています。
そこでこの章では、世帯の全体数が減ることで具体的に不動産投資にどのような影響を与えるかを解説します。
家賃下落リスクがある
世帯数が減少することで、家賃下落リスクが高まると予想できます。
総務省統計局が提供する「総住宅数と総世帯数」の資料によると、現在の日本の総住宅数は6,240万7千戸であることがわかります。
現時点ではライフスタイルによって世帯数が増えているものの、今後も人口の減少が続いていけば連動して世帯数も減っていき、空き家数が増加するでしょう。
不動産を所有するエリアの空き家が増えれば、空室対策として家賃を下げるなど対策を打たなければなりません。
物件オーナーにとっては家賃収入が減少する可能性が出てきます。
都心での影響は限定的
先ほどお伝えしたとおり、世帯数の減少が始まる2023年以降は不動産市場にネガティブな影響を与える可能性があります。
しかし、都心部に限ってはあまり影響を受けないと言えます。
日本の人口は1億2449万人(令和5年3月時点)ですが、その減少した人口が例年どこの地域へ流れているかを見ると、今後の需要の有無が把握できるからです。
2018年〜2022年の5年間で、東京圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)へ転入した人口移動数を以下の表にまとめました。
東京圏の転入超過数 | |
2022年 | 94.411人 |
2021年 | 80,441人 |
2020年 | 98,005人 |
2019年 | 145,576人 |
2018年 | 135,600人 |
出典
上記のとおり、前年比では減少している年もありますが、毎年引越しなどで東京圏へ移動する人口は増加傾向にあります。
ほか、転入超過となっているのは都心部を含めた11県のみ、それ以外の県は転出超過となっています。
つまり、2023年問題は日本国内の不動産市場に影響を与えますが、都心エリアに与える影響は限定的であるということです。
不動産投資を検討しているのであれば、都心部の物件を選ぶ方が勝率は高いといえるでしょう。
不動産価格が2020年までに上昇した4つの理由
この章では、不動産価格が2020年までに上昇した代表的な4つの要因について解説します。
- 経済の活性化
- 都市の再開発
- 海外投資家からの投資
- 相続税対策
過去にどういった出来事があり、不動産市場にどうような影響を与えたのか、それぞれ順番に見ていきましょう。
1.経済の活性化
経済が活性化することで、不動産価格は上昇する傾向にあります。
国内経済が好況であれば、投資家や企業が安心して不動産を購入できる環境が整うからです。
景気の良さを判断する指標はいくつか挙げられますが、2012〜2020年であれば、震災復興による景気回復と、日銀による金融緩和策が関係していると考えられます。
金融緩和政策とは、金利を引き下げたり、お金の供給量を増やしたりすることで景気回復を図る金融政策のことです。
不動産を購入する人の多くはローンを組みます。
金利には、返済期間中に定期的に変わる「変動金利」・契約時点からずっと変わらない「固定金利」の2種類があり、ほとんどの人は変動金利を利用するため、金利が下がると不動産の購入が検討されやすいのです。
2.都市の再開発
都市の再開発は不動産価格に大きく影響します。
たとえば、不動産の周辺に駅ができ、学校やショッピングモールなどの施設が新設されると土地の評価額が変わります。
街の利便性が高まれば、そこに住みたい人は増え、賃貸需要が高まると不動産に関わるさまざまな業者が活況となり、好景気になる流れです。
2020年までの都市の再開発は、東京に限らず、千葉や埼玉など広範囲にわたって実施したことが大きな特徴です。
3.海外投資家からの投資
日本国内、とくに東京の不動産は海外投資家から注目を集めています。
人気の理由は、世界主要都市に比べて割安・外国人の購入ハードルの低さ・賃貸経営をするうえでの利回りの高さです。
こうした長所に加えて、2020年東京オリンピックの開催地に選ばれたこともあり、不動産の需要がより高まっています。
4.相続税対策
2015年の相続税法改正によって、相続税対策として不動産投資を始める人が増加しました。
税制改正に至ったのは、地価の下落・消費税増税・少子高齢化などが、主な要因として挙げられます。
法改正で、相続税の基礎控除額が以下のように変更されました。
- 税制改正前…3,000万円+(600万円×法定相続人数)
- 税制改正後…3,000万円+(600万円×法定相続人数)
法定相続人が3人いたとすると、改正前は8,000万円以下の財産であれば相続税が不要だったのですが、改正後は4,800万円以上の財産は課税対象となったのです。
こうして、課税対象者となった人が節税として、評価額を少なく抑えられる不動産購入にシフトしました。
不動産の需要が増えたことが、価格上昇の一因です。
2023年の不動産投資の見通し
政治や経済の出来事が不動産市場にどのような影響を与える可能性があるのでしょうか。
この章では、2023年の不動産投資の見通しについて解説します。
金利は上昇するのか
2022年12月に日銀は長期金利の変動幅の上限を0.25%から0.5%に引き上げました。
また、財務省も2023年1月発行の10年物国籍の表面利率を0.5%まで引き上げることを発表し、金利上昇圧力が不動産市場にも影響を与えつつあります。
しかし、金利の上昇があったにもかかわらず、住宅ローン固定金利は3%台・不動産投資ローンの変動金利は2%前後の推移です。
現時点では不動産市場への影響は少なく、今後も大幅な金利上昇がない限りは影響をあまり受けないと考えられます。
インフレは進行するのか
厚生労働省は、2022年度の公的年金額を2021年度に比べ0.4%引き下げました。
2023年2月には、 食品をはじめとした4000以上の品目が値上げとなっています。
こうした給付の削減や物価の上昇により、資産運用への必要性を感じる人が増えるのではないでしょうか。
インバウンドは増加するのか
2023年1月の訪日外国人数は149万7300人で、新型コロナウイルス感染症の影響が出る前の、55.7%まで回復しています。
今後インバウンドが順調に回復していけば、観光地や都心部へ多くの人が集まり、不動産価格や地価が上昇する可能性があるでしょう。
都心部では開発が進む
東京主要エリアの新施設開業や横浜市の新横浜線開業など、都心部の開発が進められています。
インバウンドに加え、開発エリアの賃貸需要はさらに高まると考えられます。
公示地価・基準地価の回復
2022年の基準地価は全国平均で0.3%の上昇、2023年の公示地価は前年比の1.6%上昇と、回復傾向にあります。
マンション価格も上昇傾向にあり、2023年も、低金利・都心部の開発・地価の上昇などの影響で上昇が続くと考えられます。
今後の不動産市場は投資エリアの選定が重要
今後、不動産投資をはじめるにあたって投資エリアの選定は重要です。
賃貸需要のあるエリアに投資できれば、資産運用のチャンスは広がります。
投資エリアについてはプロに相談をして、狙い目の地域などをリサーチしておきましょう。
まとめ
今回の記事では、2023年問題の概要や、不動産投資の今後の見通しについて解説しました。
本文では都心エリアに可能性があるとお伝えしましたが、都市開発や需要予測についてはプロに聞くことで、勝算の高い立地選びができます。
不動産投資を検討している方は、一度、不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。
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