一棟マンション投資って実際どうなの?魅力と注意点を解説
一棟マンションは、区分マンションの投資とは桁違いの資金が必要です。巨額な投資になることから、一棟マンションへの投資に踏みだせない方もいるのではないでしょうか。
しかし、一棟マンションの投資は利回りがよく、規模が大きいことから、資産を早く増やしたい方には好都合です。金額が大きい分リスクも増えるため、ある程度の財力は必要ですが、効率的に資産を構築したい方は検討する価値はあるでしょう。
本記事では、一棟マンション投資の魅力や利回り相場、始め方を解説します。注意点も紹介するので、一棟マンションへの投資を検討する際の判断材料として、お役立てください。
目次
Toggle一棟マンション投資の4つの魅力
「まずはリスクの少ない区分マンションから」「もう少し不動産投資に慣れてから」など、資金はあるのに、一棟マンションの投資をチャレンジしていない方も多いです。
しかし、一棟マンションへの投資は区分マンションでは得られないメリットがたくさんあります。ここでは、一棟マンションならではの魅力を4つ紹介するので、参考にしてください。
- 大規模な資産構築ができる
- 利回りが大きい
- マンション運用に融通が利く
- 高い資産価値が手に入る
順に詳しくみていきましょう。
大規模な資産構築ができる
区分マンションは、規模の大きい一棟マンションに比べると、見込める家賃収入は多くありません。
大きな利益をだすために、複数の区分マンションに投資する方法もありますが、マンション購入のたびに、売買契約の手続きや管理会社とのやりとりなどが必要で、多大な労力がかかります。
区分マンションも一棟マンションも、一度にかかる作業量は大きく変わりません。いずれ複数の区分マンションへの投資を考えているのであれば、一棟マンションのほうが効率的に大規模な資産構築が可能です。
利回りが大きい
一棟マンションは、投資額が大きいことから、投資できる人が少なく利回りが高い傾向があります。また、一戸ずつよりも一棟を購入したほうが、1戸あたりの取得価格は割安です。
「健美家(けんびや)」によると、2023年1月~3月期の利回りは、一棟マンション7.74%、区分マンション7.21%といった結果もでています。
参照
マンション運営に融通が利く
マンション全体をコントロールできるのも、一棟マンション投資の魅力です。たとえば、区分マンションの場合、入居促進や賃料アップを図ろうとしても、一部屋に対しての施策しかできません。
区分マンションなら共用部に宅配ボックスを設置するなど、マンション全体で施策を図れるため、効果的です。
また、大規模修繕工事のタイミングを自分で決められるのも一棟マンション投資だからこそ。利益が多かった年に、金額の大きい工事を実施するなど、支出のタイミングをコントロールできるのです。
高い資産価値が手に入る
一棟マンションへ投資すると、建物だけでなく土地も手に入ります。区分マンションの場合は、土地は手に入らないため、老朽化が進めば価値は下がる一方です。一棟マンションなら、将来的に建物を取り壊したとしても、土地が資産として残ります。
一棟マンション投資の4つの注意点
一棟マンションの投資は、リターンも大きいですがリスクも大きなものです。前提として、金銭的なリスクを負えない方にはおすすめできません。以下4つの注意点を踏まえたうえで、一棟マンション投資にチャレンジできるのか考えてみましょう。
- 物件取得に巨額の資金が必要
- 維持管理のコストが大きい
- 売却しにくい
- リスクを分散できない
ひとつずつ詳細をみてきましょう。
物件取得に巨額の資金が必要
健美家(けんびや)によると、2023年1月~3月期の一棟マンションの目安価格は、約1億7,000万円。一方、区分マンションは約1,630万円とその差は歴然です。
さらにマンション購入時には、物件価格の10~30%の頭金が必要といわれています。融資を受けるにしても、資金に余裕がなければ、厳しいでしょう。
参照
維持管理のコストが大きい
一棟マンションの投資の場合、購入後に発生する、修繕費・入居促進にかかる費用・保険料・税金など、多くの維持管理費がかかります。さらに、空室の増加・家賃の下落・予期せぬ修繕などが理由で、想定よりも維持管理費がかかることも少なくありません。
売却しにくい
一棟マンションは区分マンションに比べ、購入できる層が少なく、買い手が見つかりにくいデメリットがあります。将来的に売却を考えている場合は、高い家賃と入居率を維持できるように努めましょう。地道な努力が好条件で売却を成功させる近道です。
リスクを分散できない
一棟マンションは、複数の区分マンションへ投資するのとは異なり、リスクを分散できません。たとえば、需要の少ないエリアにあるマンションを選ぶと、空室になるたび、入居者募集に苦労します。だからこそ、長期的な目線で需要があるマンションを見極めることが大切です。
また、災害により被害を受けたときも、マンション全体に影響がでます。物件選定時には、ハザードマップで自然災害の可能性について確認してください。保険でもカバーできるので、補償内容をしっかり検討しましょう。]
一棟アパート投資との違いは節税効果と資産の増やしやすさ
一棟アパートと一棟マンションの投資を比べると「節税効果」と「資産の増やしやすさ」が異なります。
節税対策したい方は、一棟アパートへの投資がおすすめです。木造のアパートはマンションに比べ、耐用年数および減価償却期間が短いことから、より多くの減価償却費を経費計上できます。利益を減額でき、所得税の節税効果が高まるのです。
資産拡大が目的の方は、一棟マンションへの投資が効果的。マンションはアパートよりも規模が大きいため、資産を拡大しやすい特徴があります。
「取得しやすさ」の観点から考えると、どちらに軍配が上がるかはケースバイケースです。一棟アパートは取得費用をおさえられますが、耐用年数が短いことから、短期ローンになりやすく、月々の返済額が割高になることも。耐用年数の長いマンションは長期ローンを組みやすい傾向があります。
一棟マンション投資で失敗を回避する4つの方法
一棟マンションの投資で失敗を回避する方法を4つ紹介します。
- 自身で価格や利回りの相場を調べておく
- キャッシュフローを確認する
- 頭金を多く払いローン返済額をおさえる
- 修繕計画を確認しておく
順に解説していきます。
自身で価格や利回りの相場を調べておく
不動産会社に相談する前に、ポータルサイトなどを活用し、相場観を調べておきましょう。ある程度、相場を把握できると、不動産会社の話を鵜呑みにせず、正しい判断が可能です。
キャッシュフローを確認する
利回りでなく、キャッシュフローも確認しておきましょう。キャッシュフローは帳簿上の利益や利回りとは違い、実際に手元に残る金額がわかります。とくに新築の場合は、家賃が下落する可能性も視野に入れておきましょう。
頭金を多く払いローン返済額をおさえる
月々の返済額を抑えられれば、余裕をもった資金運用が可能です。ただし、想定外の出費が発生することもあるため、手元の資金が不足しないように注意しましょう。
修繕計画を確認しておく
修繕計画から、いつまとまった修繕費用が必要になるのか、確認しましょう。中古マンションの場合は、購入後すぐに必要な修理があるかも確認しておきましょう。
一棟マンション投資を始める手順
一棟マンションの投資を始める手順を解説します。
【手順】
- 投資物件の条件をきめる
- ポータルサイトで物件や業者を調べる
- 業者に問い合わせる
- 売買契約
- 融資申し込み
- 金銭消費貸借契約
- 決済
マンションの規模・物件取得価格・利回りなど、どのような物件に投資したいのか、ポータルサイトで調査。気になる物件があれば業者に問い合わせます。
「10年以上不動産売買の業歴がある」「多くの金融機関と取引している」など、信頼できそうな不動産業者を選びましょう。
気に入った物件があったとしても即決するのは危険です。一旦、持ち帰ってじっくり検討しましょう。
購入を決断したら売買契約を締結します。不動産会社に金融機関を紹介してもらうと融資もスムーズに進むでしょう。無事、ローン審査が通れば、金銭消費貸借契約を締結。決済が終わるとマンションオーナーとなります。
状況によっては、管理会社の引継ぎなど、マンションを運用していくにあたり必要な業務が発生することも。入居者が安心して暮らせる環境を早急に整えましょう。
まとめ
一棟マンション投資は区分マンションやアパートへの投資と比べて、効率的に資金構築が可能です。余裕をもった資金繰りができるのであれば、一棟マンションへの投資を前向きに考えてもよいでしょう。
ただし、一棟マンションの投資はリスクが大きいのがデメリットです。失敗しないためにも、投資をはじめる前に、基本的な知識を身につけておく必要があります。勉強会やセミナーを活用しながら、理解を深めておきましょう。
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