不動産投資で耐用年数オーバーの物件はあり?メリットやデメリットについて解説
不動産投資の中でも中古物件は、購入価格が安く高い利回りが期待できることが利点であり、多くの投資家から人気があります。ただし、耐用年数がオーバーしている物件の場合、融資の際に不利になるほか、減価償却期間が短く思ったより節税効果が得られないケースも少なくありません。 本記事では、不動産投資における耐用年数の基礎知識をはじめ、物件選びの際の注意点について解説します。
目次
Toggle不動産投資における耐用年数とは
耐用年数とは、税法上の減価償却期間を定めたものです。一般的には、木造アパートであれば22年、鉄筋コンクリート造であれば47年とされています。建物の価値や融資条件に影響を与える重要な指標のひとつとなるため、しっかりと知識としておさえておきましょう。
耐用年数がオーバーしている物件のメリット
耐用年数がオーバーしている物件には、いくつかのメリットがあります。
メリット1. 高利回りが期待できる
耐用年数がオーバーしている物件は、物件価格を大幅に抑えることができるため、高い利回りが期待できるという大きなメリットがあります。中古物件は新築物件と比べて購入価格が低いため、初期投資が少なくて済みます。このため、賃料収入に対する投資額の比率が高くなり、結果として利回りが向上する可能性があります。とくに、立地条件が良い物件であれば、需要が高く、安定した賃料収入を得ることができるため、投資家にとって非常に魅力的な選択肢となります。
メリット2. 節税対策になる
耐用年数がオーバーしている物件は、減価償却の計上が早くなるため、節税対策としても有効です。理由として短期間で減価償却が可能となるためです。 通常、物件の耐用年数に応じて減価償却を行いますが、耐用年数が過ぎた物件では、残存価値を考慮せずに全額を経費として計上できる場合があります。これにより、減価償却費を大きく計上できるため、課税所得を抑えられ、結果的に税負担を軽減することが可能です。ただし、物件の状態や市場の動向によっては、期待したほどの節税効果が得られないこともあるため、慎重な判断が求められます。
メリット3. 出口戦略が立てられる
耐用年数がオーバーしている物件は、修繕に対して見通しが立てられるほか、 売却益を前提とした出口戦略が立てやすいというメリットがあります。とくに、購入価格が低いため、リフォームや修繕を行った後に市場での価値を高めることが可能です。これにより、投資家は物件を適正価格で売却し、利益を得るチャンスが増えます。適切なタイミングでの売却を計画することで、投資のリターンを最大化することが可能です。
耐用年数がオーバーしている物件のデメリット
耐用年数がオーバーしている物件には、いくつかのデメリットが存在します。詳しく見ていきましょう。
デメリット1. 減価償却期間が短い
耐用年数がオーバーしている物件の大きなデメリットの一つは、耐用年数を超えているため、減価償却期間が短くなることです。短期間で税制上のメリットが失われてしまうのが懸念点として挙げられます。また、減価償却期間が終わると、経費計上できる項目が少なくなるため税負担が大きくなります。 通常、物件の耐用年数に基づいて減価償却が行われますが、耐用年数が過ぎた物件では、実質的に減価償却がほとんど行えなくなります。このため、投資家は期待していたほどの節税効果を得られない可能性があります。
デメリット2. 融資の審査が通りにくい
耐用年数がオーバーしている物件は、融資を受ける際に審査が通りにくくなる傾向があります。金融機関は、担保価値が低いと判断し、融資に消極的になりやすいためです。融資条件が厳しくなる傾向にあるため、融資を受ける前に物件の状態や市場の動向をしっかりと調査し、金融機関に対して説得力のある資料を準備することが重要です。
融資を受ける際のポイント
耐用年数がオーバーしている物件を購入する際には、融資を受けるためのポイントを押さえておくことが重要です。
自己資金の比率を高くする
とくに、耐用年数がオーバーしている物件を購入する際には、金融機関からの融資が難しくなることが多いため、自己資金を増やすことでリスクを軽減し、融資の承認を得やすくなります。自己資金が多いほど、金融機関は借り手の返済能力を高く評価し、融資条件を有利に設定してくれる可能性があります。 また、自己資金を増やすことで、借入額を減少させることができ、結果として金利の交渉にもプラスに働くことがあります。自己資金の比率が高いと、金融機関はリスクを感じにくくなり、より良い条件での融資を受けるチャンスが広がります。したがって、物件購入前に自己資金をしっかりと準備し、計画的に資金を確保することが、成功する不動産投資の鍵となります。
個人の属性を高める
金融機関は、借り手の信用力や返済能力を評価するために、さまざまな情報を基に審査を行います。したがって、個人の属性を高めることは、融資の承認を得るための大きなポイントとなります。 まず、安定した収入を持つことが重要です。定職に就いている場合、収入の安定性が評価されやすく、融資の審査において有利に働きます。また、過去の借入履歴や返済履歴も影響を与えるため、クレジットカードの利用やローンの返済を適切に行い、信用情報を良好に保つことが求められます。 さらに、自己資金の比率を高めることと併せて、資産状況や職業、年齢なども考慮されます。とくに、年齢が若い場合は、将来的な収入の増加が期待されるため、融資の審査においてプラスに働くことがあります。これらの要素を総合的に考慮し、個人の属性を高める努力をすることで、耐用年数がオーバーしている物件でも融資を受けやすくなるでしょう。
耐用年数がオーバーしている物件を選ぶ際の注意点
耐用年数がオーバーしている物件を選ぶ際には、いくつかの重要な注意点があります。
立地や需要のある物件を見極める
立地が良ければ、たとえ物件の耐用年数が過ぎていても、賃貸需要が高く、安定した収入を得ることが可能です。特に、交通の便が良いエリアや、商業施設が充実している地域は、入居者が集まりやすく、長期的な投資としての魅力が増します。 また、周辺の環境や地域の発展性も考慮する必要があります。例えば、再開発が進んでいる地域や、人口増加が見込まれるエリアは、将来的に物件の価値が上昇する可能性があります。こうした情報を収集し、需要が見込める物件を選ぶことで、リスクを軽減し、投資の成功に繋げることができるでしょう。
建物の状態や修繕履歴について詳細に確認する
中古物件の場合、過去の修繕やメンテナンスがどのように行われてきたかが、今後の維持管理に大きく影響します。例えば、屋根や外壁の状態、配管や電気設備の老朽化具合など、目に見えない部分も含めてしっかりとチェックする必要があります。 また、修繕履歴が明確であれば、どの部分がいつ修理されたのか、またその際にどのような工事が行われたのかを把握することができます。これにより、今後の修繕計画を立てやすくなり、予想外の出費を避けることができるでしょう。物件購入前に専門家によるインスペクションを受けることも、リスクを軽減するための有効な手段です。
将来的な修繕・リフォーム費用を考慮する
中古物件は初期投資が抑えられる一方で、老朽化が進んでいる場合、予想以上の修繕費用が発生する可能性があります。特に、耐用年数を超えた物件では、設備や構造に関する問題が顕在化しやすく、これに伴う費用が大きくなることがあります。 また、リフォームを行うことで物件の価値を向上させることができる一方で、そのための資金計画をしっかりと立てておく必要があります。将来的な修繕やリフォームにかかる費用を見越して、資金を準備しておくことで、急な出費に対応できる体制を整えることができるでしょう。これにより、安定した不動産投資を実現するための基盤を築くことが可能になります。
身の丈に合った資金計画を立てる
中古物件は初期投資が低く抑えられる一方で、将来的な修繕やリフォームにかかる費用が予想以上に大きくなることがあります。そのため、購入時に必要な資金だけでなく、長期的な視点での資金計画を考慮することが重要です。 具体的には、物件購入後の維持管理費や修繕費用、さらには空室リスクに備えた資金も含めて計画を立てる必要があります。これにより、急な出費や予期せぬトラブルにも柔軟に対応できる体制を整えることができ、安定した不動産投資を実現するための基盤を築くことが可能になります。
まとめ
不動産投資において耐用年数がオーバーしている物件には、メリットとデメリットが存在します。高利回りが期待できる一方で、融資の審査が通りにくくなるなどのリスクも伴います。投資家は、物件選びの際にこれらの要素をしっかりと理解し、慎重に判断することが求められます。 また、資金計画を立てる際には、購入後の維持管理費や修繕費用、空室リスクを考慮することが重要です。これにより、安定した投資を実現し、長期的な利益を得るための基盤を築くことができます。耐用年数オーバーの物件を選ぶ際には、十分な情報収集と計画が不可欠です。
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