サブリース契約の投資マンションを売却する方法は?注意点や手続きのポイントなど詳しく解説
投資用マンションの売却は、通常でも事務手続きが非常に煩雑ですが、サブリース契約が絡むとさらに考慮すべき点が増える点に注意が必要です。サブリース契約は安定収入を確保できる反面、売却時に制約を生む恐れもあります。
本記事では、サブリース契約中の投資用マンション売却について、契約の取り扱いから最適な売却タイミング、そして税金や資金運用まで幅広く解説します。
目次
Toggleサブリース契約中の投資用マンション売却について
サブリース契約は、オーナーにとって安定した収入源となる一方で、売却時には特有の制約が生じることがあります。ここでは、サブリース契約の仕組みや売却時のサブリース契約の取り扱いについて見ていきましょう。
サブリース契約とは
サブリース契約とは、オーナーが所有する不動産をサブリース会社に貸し出し、その会社がさらに入居者に賃貸する形態の契約を指します。この仕組みでは、オーナーは安定した賃料収入を得ることができる一方で、サブリース会社が入居者の管理やトラブル対応を行うため、手間が省けるというメリットがあります。
しかし、サブリース契約の内容によっては、売却時に制約が生じることがあるため、事前に契約の詳細を確認しておくことが重要です。特に、契約期間や解約条件、賃料の見直しに関する条項は、売却計画に大きな影響を与える可能性があります。
売却時のサブリース契約の取り扱い
サブリース契約には通常、契約期間や解約条件が明記されています。これらの条件を理解し、売却に影響が出る要素を把握しておくことが重要になります。
また、サブリース会社とのやり取りも大切です。売却を検討している旨を伝え、契約解除や引き継ぎに関する手続きを確認しましょう。場合によっては、中途解約に伴う違約金の可能性もあるため、事前に契約の確認や調整を行うことがスムーズな売却につながります。
サブリース物件売却の注意点
まず、サブリース契約が存在することで、収益還元法による売却査定価格へ影響がある可能性があります。サブリース契約は、安定した賃料収入を提供する一方で、契約期間中は売却が難しくなることがあります。特に、契約の残り期間や解約条件を確認することが重要です。
また、売却時にはサブリース会社との調整が必要です。買主に対して契約内容を正確に伝えることが求められ、誤解を避けるためにも透明性を持った情報提供が不可欠です。
さらに、サブリース契約の内容によっては、売却後の賃貸管理が複雑になることもあるため、不動産会社へ相談し、事前にしっかりとした計画を立てることも大切です。
サブリース物件を高値で売却するポイントは?
サブリース物件を高値で売却するタイミングやポイントを解説します。
売却時期を見極める
サブリースに限らず投資物件・投資マンションの売却において、一番重要なのは最適な売却時期を見極めることです。
不動産市場の動向や経済状況などがどんな状態なのか、自ら情報収集を行うことも大事ですが、不動産の専門家や不動産会社へ相談することをおすすめします。
価格査定を行う
売却する前に不動産会社へ価格査定の依頼をすることになりますが、この時に賃料についても同時に査定を依頼しましょう。
また、サブリースが解約ができた場合と、サブリースを引継ぎする場合の2パターンの査定額を調査します。
適切な売値に設定する
売却を検討する際、売値相場を無視した値付けをすることはおすすめしません。理由は、買い手が長期間つかない可能性が高くなるためです。
適切な売却価格を設定するために、国土交通省が運営しているサイト「不動産情報ライブラリ」などを利用して、過去の類似物件の取引価格を参考にしてみましょう。
サブリースに精通した不動産会社に依頼
不動産会社を選ぶ際は、サブリースのオーナーチェンジの実績を確認しましょう。ここに不慣れな不動産会社の場合、解約交渉が面倒になったり、賃料が変更になるリスクがあるといった理由より積極的に扱ってもらえない可能性があります。ほかにも、売却取引が成立してもトラブルに発展する可能性もあります。
サブリース会社の情報や解約手続きなどに精通している不動産会社へ売却依頼を行うことで、安心して売却を進めることができます。
サブリース物件の売却の流れ
サブリース契約の解約ができれば、利回りの改善から高く売却できます。ただし、解約できない場合は、サブリース賃料を引継ぎでオーナーチェンジを進めることになります。
また、サブリース引継ぎの際に同額家賃になるのかどうかを不動産管理会社へ確認しましょう。場合によっては家賃が再査定で値下げとなることもあるので、事前にしっかり確認をする必要があります。
投資マンションは家賃利回り次第で価格が大きく変わってきます。形式が変わっても困ることがないように、慎重に進めていきましょう。
1. 売却する前にサブリース契約を解約するか引き継ぐかを決める
売却活動を始める前にサブリース契約を解約するのか選びます。この際、解約と引き継ぐメリットとデメリットを比べて判断する必要があります。
一般的には、売却時にはサブリースを解約したほうが購入希望者は多くなる傾向です。
2. サブリースの契約書を確認する
サブリース契約の解約についての契約書を確認します。条文には違約金や解約期間について記載されているため、解約申請の際にトラブルにならないように重要事項はしっかりと把握しておきましょう。
3. サブリース解除の通知書を申請する
サブリース会社へ契約を解除する通知書を作成し申請をします。その際、解約の理由にあたる条文や解約日、違約金などの重要な内容を伝えます。
正当の事由として解約に合意されれば、サブリース契約を解約して売却を進める流れになります。
4. 新しい不動産管理会社から入居者へ連絡
サブリース解約に合わせて、次の新しい賃貸管理会社から入居者へ連絡をします。売却が決まっている場合は買主が指定する不動産業者から連絡をしてもらいます。
敷金や鍵などをサブリース会社から移行します。また、保証会社の引継ぎなども忘れないように行いましょう。
5. 解約ができない場合はそのまま引き継ぐ
これまでサブリース解約をした場合の流れを紹介しましたが、契約を解約できない場合は、契約内容を継承する合意書を作成します。これは売主、買主、サブリース会社の三者合意のものになります。
また、いつの家賃から変更になるのかなど細かい契約をします。基本的には同一条件の継承になりますが、変更事項があればそれも合意書に明記する必要があります。
まとめ
今回は、サブリース契約中の投資用マンションの売却について解説しました。サブリース物件の売却は、あらゆるリスクを考慮したうえで検討しましょう。
また、国土交通省から令和2年6月19日に賃貸住宅管理業法が公布され、サブリース契約を実施する際にオーナーがトラブルに巻き込まれないよう対策が盛り込まれました。これは、一般的にサブリース新法と呼ばれています。
サブリース新法の公布によって、オーナーの安全性は向上したように思えますが、どのような法律であっても抜け穴はあり、巧妙な手口で騙そうとする悪徳業者も中にはいます。こういった業者に騙されないためにも、法を信じるだけでなくサブリース契約の仕組みや問題点、リスクはオーナーとして知っておくべき知識といえるでしょう。
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