【資産運用】始めるべき理由と知っておきたいリスク、投資初心者にお勧めの金融商品を解説
資産運用を始めるタイミングは早ければ早い方が良いと言われています。
近年の個人投資家の増加、政府が後押しするNISAやiDeCoといった税制が優遇される投資・年金制度の台頭、長引く低金利などで資産運用に興味をお持ちの方は多いのではないでしょうか?資産運用を始める前にはまずリスクを知り、基礎知識を付けた上で投資を始めた方がよりよい結果が生まれやすくなります。
今回は資産運用を始めるべき理由と始める前に知っておきたいリスク、投資初心者におすすめの金融商品をご紹介します。
目次
Toggle資産運用を始めるべき理由とタイミング
資産運用を始めるべき主な理由に「長引く預金の低金利」と「老後の資産形成の必要性」があげられます。
「金融機関に預金しておけば安心」という方は多いですが、預金の金利が低く物価上昇率を下回る場合、預金が実質目減りしていくというリスクが存在します。
また老後2,000万円問題をきっかけに、老後の資産形成への注目が高まっています。2つの理由の詳細を見ていきましょう。
定期預金の金利が低い
2000年代より普通預金・定期預金の金利は世界情勢の影響で低いままでしたが、2016年の日本銀行の金融緩和政策により更に低金利が進みました。
例えば定期預金として500万円を2年間預けた場合、金利は2020年5月20日時点で0.007%ですので利子はわずか35,000円です。普通預金に至っては1万円となります。2019年の物価上昇率は0.6%で10月には消費税が8%から10%に増税となりました。(一部は軽減税率適用)
物価は上昇していくにも関わらず金利は低いままですので、預金の価値は実質下がっていきます。金融業界では「インフレリスク」と呼びます。インフレリスクに対応するためには、投資や不動産投資といった金融商品で資産運用を始める必要があります。
老後の資産形成
資産運用を始めるべき理由の2つ目は「老後の資産形成」です。
2019年に金融庁が発表した「老後の生活には公的年金以外で2000万円の資産が必要」という報告書は大きな波紋を呼び、後に撤回されました。
結果的に公的年金制度の限界と「老後に公的年金以外の資産形成が必須」という事実を国民に強く印象付ける事になりました。現に政府の私的年金制度である「iDeCo」は加入者数が急増しています。
iDeCoは加入対象を拡大した影響もあり、2017年3月の加入者数は43万人でしたが、2020年3月には156万人と3倍以上増加しています。
税制優遇措置があることも加入者数を後押しする要因となっていますが、いかに多くの方が老後の資産形成への必要性を感じているかが浮き彫りとなっています。
知っておきたい資産運用のリスク
資産運用を始める前に、投資のリスクを確認しておきましょう。
投資初心者の中には、リスクの種類や金融商品別のリスクを知らずにFXや外国の株等ハイリスクハイリターンの商品を購入し元本割れで悲惨な状況に陥ってしまう方がいらっしゃいます。まずは資産運用で起こりうる4つのリスクをご紹介します。
信用リスク
企業が倒産、国の財政が破綻してしまうことで株や債券の元本や利子が回収できなくなってしまうリスクです。デフォルト・債務不履行リスクとも呼ばれます。
倒産・財政破綻までは至らなくても、企業の業績悪化や不祥事・国の財政悪化で株・債権の価値が下がっている時は信用リスクが高まった状態にあります。
価格変動リスク
株や債券等の価格が購入時と換金時で変わってしまうリスクです。投資信託も組み入れている株式や債券により価格が影響を受けます。
一般的に政治や経済情勢で変動する要因となり、株の場合は企業の業績も関わってきます。
為替変動リスク・カントリーリスク
外国の金融商品を運用している場合に起こるリスクで、日本と外国の為替レートの変動により発生します。例えば商品が満期を迎えた際に購入時より円高になっていた場合、換金によって円での手取り額が減るケースがあります。
また、国の政治や情勢により資産の価値が変動する「カントリーリスク」も外国の商品では気を付けなくてはいけません。テロや暴動が起こりやすい事から発展途上国や新興国はリスクが高く、先進国はリスクが低いと言われています。
金融商品によってリスクとリターンが違う
一言に資産運用といっても株や投資信託といった投資色の強いものから、なじみの深い預貯金まで様々な金融商品が存在します。
また金融商品によって「リスク」と「リターン」が異なります。
「リスク」は一般的に「危険」という意味合いで使われますが、資産運用では「不確実性が高い」という意味合いで使われます。「リターン」は投資の収益率を指します。
リスクが高い商品ほどリターンが高く低リスクの商品がリターンも少ないです。個人の目的や資産状況、投資経験で金融商品を選ぶようにしましょう。
金融商品別のリスク・リターンは以下の通りです。
上記に加え、国内の商品はローリスク・ローリターン、海外の商品はハイリスク・ハイリターンの傾向があります。
投資初心者におすすめ金融商品・年金制度
資産運用では「リスクが少ない金融商品が良い」とは限りませんが、投資初心者は投資に慣れるためにまずはリスクの少ない金融商品から始める事をおすすめします。
預金の低金利が気になる方向けの個人向け国債、老後の備えに私的年金制度であるiDeCoをご紹介します。
個人向け国債
国債は国の発行する債券で、銀行や証券会社で購入することができます。発展途上国・新興国の国債はリスクが高いですが、日本はアメリカやヨーロッパ諸国が参加する先進国37か国(2020年5月現在)から成る、財政金融上の安定と維持等を目的としたOECD(経済協力開発機構)に1961年から加盟しています。
個人向け国債は1万円から購入可能で、元本割れ無し、0.05%の最低金利保証です。低リスクで預貯金の約7倍の金利となっていますので、投資初心者に最適な商品と言えるでしょう。
iDeCo
「iDeCo」は掛け金の一部を投資信託や保険商品等に運用する個人型確定拠出年金です。私的年金でありながら、掛け金が全額所得控除、運用益が非課税、年金として受け取った場合公的年金等控除が適用されるなどの税制優遇措置があります。
20才以上60才未満の方が加入対象で、自営業・会社員・専業主婦(夫)等や勤務先の企業年金により掛け金の限度額が異なります。
掛け金は月5000円以上を1000円単位で決めることができ、変更は年に1回です。家計の状況に応じて無理のない範囲で掛け金を設定しましょう。
基本的に60才以降に受け取る仕組みで、受け取り方法は以下の3つから選択できます。
①一時金として一括で受け取る
②年金として5年以上20年以下の有期年金として受け取る
③一時金と年金を組み合わせて受け取る
老後に不安がある方や資産形成の必要性を感じる方は、ぜひ検討してみましょう。
まとめ
資産運用を始めるべき理由やリスク、投資初心者におすすめの金融商品をご紹介してきましたがいかがでしょうか?
低リスクの金融商品で投資に慣れて来た際には、ミドルリスク・ミドルリターンの不動産投資や投資信託を視野に入れてみましょう。
特に不動産投資は相続税対策にも有効ですので、iDeCoで投資信託等の運用に慣れ将来の年金を確保した後に始めるには最適の金融商品であると言えます。
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