中古マンション投資ってどうなの?メリット・デメリットやおすすめな人
中古マンション投資をお考えでしょうか。不動産投資の中でも中古マンション投資は代表的な投資法だといえるでしょう。
本記事では、中古マンション投資を検討されている方に向けて、メリット・デメリットやおすすめできる人についてご紹介していきます。
目次
Toggle中古マンション投資とは
まずは、中古マンション投資の概要について確認していきます。
・中古マンションを貸し出して家賃収入を得る投資法
中古マンション投資とは、中古マンション一室を購入し第三者に貸し出すことで家賃収入を得る投資方法です。家賃収入から、管理費などの費用や購入時に組んだローンを返済し、残ったお金が所得となります。
また、中古マンション投資の場合、最終的に売却して購入価格との差額を売却益として得ることも可能です。
・【地域別】利回りの相場
中古マンション投資は比較的利回りの高い投資と言われています。一般的には、3~7%ほどが相場となりますが、地域や物件によっても大きく異なるので注意が必要です。
一般社団法人日本不動産研究所が公表している第46回「不動産投資家調査」(2022年4月現在)の調査結果によると、エリア別の期待利回りは次のようになります。
東京城南 | 札幌 | 横浜 | 名古屋 | 京都 | 大阪 | 神戸 | 広島 | 福岡 |
4.1% | 5.4% | 4.7% | 4.9% | 5.0% | 4.7% | 5.0% | 5.5% | 5.0% |
ファミリー向け/2022年4月
基本的に、都市部よりも地方の方が利回りは高くなる傾向にあります。
出典:一般社団法人日本不動産研究所 第46回「不動産投資家調査」(2022年4月現在)
中古マンション投資のメリット
中古マンション投資のメリットとしては、次の4つが挙げられます。
- 新築に比べて利回りが高い
- 比較的安価で購入しやすい
- 節税効果が高い
- 過去の管理状況を確認できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
新築に比べて利回りが高い
中古マンションは新築マンションよりも安価で購入できるため、利回りが高くなりやすいというメリットがあります。利回りは、次の計算で求められます。
表面利回り(%)=年間収入÷物件価格×100
中古マンションは、比較的立地の良い場所であっても新築マンションより価格が安価になり、家賃も高く設定しやすいという特徴があります。高い家賃収入を得られ物件価格も抑えられるため、利回りを高くできるのです。
ただし、上記の表面利回りは経費を考慮していません。実際に投資する際には、経費まで含めた「実質利回り」を自分で計算するようにしましょう。
比較的安価で購入しやすい
マンション投資と言っても大きく一棟マンション投資・区分マンション投資の2種類があり、さらに新築・中古にそれぞれ分かれます。一般的に、物件の価格は高い順から、新築一棟マンション>中古一棟マンション>新築区分マンション>中古区分マンションとなるものです。
マンション一棟を丸ごと購入する一棟マンション投資は、新築・中古ともに高額になり、億単位の資金が必要になる物件も珍しくありません。さらに新築ともなると、新築プレミアムも加わるため一棟・区分ともに物件価格が高くなるでしょう。
その点、中古区分マンションであれば、マンション投資の中でも比較的安価で投資できるのです。
節税効果が高い
不動産投資には節税効果も期待できるというメリットがあります。しかし、投資する物件によっては節税効果を得られない場合もあるのです。その点、中古マンション投資は節税効果が高い傾向があります。
中古マンション投資で節税が期待できる税金は「所得税・住民税」「相続税」です。不動産投資の利益は不動産所得に区分され、赤字が出た場合は給与所得と損益通算できます。不動産投資の赤字で給与所得を圧縮することで課税対象額を減らすことができ、課せられる所得税・住民税を抑えられるのです。
この時重要なポイントとなるのが「減価償却」と呼ばれる、実際の支出を伴わない経費です。
減価償却費は、物件の耐用年数に応じた期間計上できます。
木造アパートなどの場合は、そもそもの耐用年数がRC造よりも短くなっています。その点、中古マンションは耐用年数が新築よりも短くなりますが、中古であっても木造より長期間減価償却できるケースも多いでしょう。
種類 | 耐用年数 |
木造 | 22年 |
RC造 | 47年 |
なお、中古物件の耐用年数は以下計算式で求めることができます。
中古物件の耐用年数=(耐用年数-築年数)+(築年数×0.2)
例えば、築10年のRC造マンションを購入した場合の耐用年数は以下の通りです。
(47年-10年)+(10年×0.2)=39年
また、相続税対策としても中古マンションは有効です。相続税の対象となる資産の評価額は、不動産の場合は時価の7~8割ほどになるという特徴があります。
仮に、1億円を相続する場合、現金では1億円が課税対象となるのに対し、不動産なら7,000万円~8,000万円ほどが課税対象となるのです。課税対象額を抑えられるため、課せられる相続税も節税できるでしょう。
過去の管理状況を確認できる
マンションは管理を買え、と言われるほど管理の質が重要になります。管理状況の質の悪いマンションでは、マンションの清掃や修繕が適切にされず、劣化が早まる恐れがあるでしょう。
日常的な清掃ができていない、入居者の対応が不十分では、入居者も不満を抱いて退去という可能性もあります。管理の質が悪いと、マンションの資産価値の減少や家賃設定を下げざるを得なくなるなど、運営にマイナスになってしまうものです。
しかし、新築の場合はこれからマンションを管理していくので、管理の質が良いのか悪いのかは予測するしかありません。委託先の管理会社や管理組合をしっかり調査する必要があるでしょう。反対に、中古の場合はすでに管理が始まっているので管理状況を確認したうえで購入することが可能です。
また、入居率についても同様のことが言えます。新築の場合、購入後に入居者の募集を開始するため今後の入居状況は予測するしかありません。中古の場合は、それまでの実績が分かるため今後のことも分かりやすいものです。物件によってはすでに入居者がいる状況もあるので、入居者募集の手間を省くこともできるでしょう。
中古マンション投資のデメリット
中古マンション投資にはデメリットもあるため、デメリットまで理解して投資することが重要です。
デメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 管理費や修繕積立金がかかる
- 競合に負けやすくなる
- 売却時に買主が融資付けしにくくなる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
管理費や修繕積立金がかかる
マンションでは管理費や修繕積立金を毎月支払う必要があります。新築のマンションであっても必要ですが、特に中古の場合は修繕積立金が高額になる可能性がある点に注意が必要です。
修繕積立金は、大規模修繕工事のために積み立てられているものですが、築年数の古いマンションは修繕個所が多くなることから修繕費も高額になります。また、積立金の徴収状況によっては大規模修繕工事までに追加で徴収される可能性もあるのです。
大規模修繕工事は、10~15年をめどに実施されます。大規模修繕工事の計画や修繕積立金の徴収率は管理組合で確認できるので、購入前に確認するようにしましょう。
競合に負けやすくなる
条件の良いマンションであっても、中古の場合近隣に新築マンションが建設されてしまうと入居者を取られてしまう可能性があります。新築マンションに比較すると、中古マンションは設備が古く共有部分やセキュリティなどは劣ってしまう場合もあるものです。
魅力的な新築マンションが近隣に建設された場合、入居者確保のために家賃を下げる必要が出てくるでしょう。投資前には現在の近隣の競合だけでなく、将来建設されるような土地がないかも確認することが大切です。
売却時に買主が融資付けしにくくなる
マンション購入後、運用がうまくいかないことなどを理由に売却を検討する場合もあるでしょう。しかし、中古マンションは築年数によって売却が難しくなる点に注意しましょう。
立地や設備が充実している、築年数が古くないなど条件が良いマンションであれば、売却もスムーズに進む可能性があります。反対に、築年数が経過し劣化も進んでいるマンションでは買い手は見つけにくいでしょう。
築年数が経過したマンションの買い手が見つからない要因には、融資付けもあります。買い手は、基本的に融資を受けマンションを購入することになりますが、中古の場合長期のローンが組みにくくなるのです。
不動産投資ローンの借入期間は、基本的に耐用年数以下となります。耐用年数を超えた場合、マンションの資産価値はゼロと見なされ売却してもローンを回収できない恐れがあるため、ほとんどの金融機関では耐用年数以下に設定しているのです。
マンションの場合、法定耐用年数の長いRC造となるので長期のローンを組みやすいでしょう。しかし、中古マンションでは法定耐用年数の一部を超えている状態なので、築年数によっては残り期間が短くなっています。
耐用年数が残りわずかという場合、買い手もローンが組みにくくなるため、買い手が限定されてしまうのです。
中古マンション投資がおすすめな人の特徴
不動産投資と言っても、マンションやアパート・戸建・駐車場とさまざまな投資先があります。自分の投資目標や資金などに応じて、適切な投資先を選ぶことが大切です。
ここでは中古マンション投資がおすすめな人の特徴として、次の3つを見ていきましょう。
- リスクを抑えて始めたい人
- 年収が高くない人
- 副収入を得たい人
リスクを抑えて始めたい人
不動産投資は、株やFXに比べてリスクの低い投資と言われています。リターンは家賃収入になるため多くは期待できませんが、入居者さえ確保できれば長期間安定して収入を得られます。
また、不動産投資の中でも中古マンションは比較的リスクを抑えた投資です。立地を間違わなければある程度の需要も見込め、他のマンション投資に比べ初期費用を抑えての投資も可能です。
購入価格も抑えられるため、ローン返済の負担を軽減できキャッシュフローの悪化を防ぎやすくなります。初期費用を抑えられるので、2棟目3棟目と拡大していくことで分散投資も図りやすくなるでしょう。
年収が高くない人
中古マンションは初期費用を抑えられるため、他のマンション投資よりも借入額も少なくて済みます。年収がそれほど高くなくてもローンを組んで投資できる可能性があります。
一般的に、不動産投資ローンは年収の10倍ほどと言われているので、年収500万円で借り入れできるのはおよそ5,000万円となるでしょう。5,000万円なら、中古マンションであれば条件の良い物件に投資できる可能性が高くなります。
反対に、新築となると融資だけでは費用を賄えないため自己資金を多く用意するか、物件のランクを下げる必要が出てくるのです。
副収入を得たい人
中古マンション投資では、日常的な管理業務などはすべて管理会社に委託できます。日中に運用のための手間や時間を取る必要がないので、本業が忙しい人でも投資しやすいものです。
初期投資額も抑えられるので、本業と併せて安定した副収入を得たいという人におすすめの投資と言えるでしょう。
まとめ
中古マンション投資について、メリット・デメリットや、おすすめな人の特徴などご紹介しました。中古マンション投資は比較的安価で始めやすく、これから不動産投資を始めたい人にとっても選択肢として入りやすい投資法だといえるでしょう。
中古マンション投資や不動産投資に興味がある方は、ぜひ本記事の内容を参考になさってください。
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