不動産投資の成否はシミュレーションで決まる!利益を出すために押さえておくべき3つのポイント
不動産投資を成功させるには、ローン返済計画も踏まえたシミュレーションが大事です。そこで今回は不動産投資シミュレーションを徹底解説し、利益を出すための3つのポイントを考えます。ぜひ、参考にしてみてください。
目次
Toggle不動産投資ローンとは
不動産投資ローンは不動産投資の収益を得るために組むローンのことで、住まい用の住宅ローンとは全く違うものとなり金利は高く設定されています。不動産投資をするという前提のもとで金融機関の審査をし、審査ではローンの借主の信用力という客観条件のみでなく、物件の将来に渡った収益性も見られます。たとえば物件のエリアや築年数です。
また家賃設定からの収益性も考慮されます。不動産ローンの返済にあてるお金は、個人であっても法人であっても毎月得られる家賃収入です。この資金のことを返済原資と言います。返済原資状況によっては、70歳以上でも不動産ローンの借り入れは可能です。
不動産投資シミュレーションとは
不動産投資シミュレーションとは、条件を整えて実際に不動産投資をしたとして考えることです。いくつかのパターンのシミュレーションをすることで、物件選びの参考になります。
具体的には、借入時に頭金を10万円、35年で変動金利1.6%のローンを組む、借入金額は2,500万円といった具体的な金額を出して毎月の収支を計算するのです。毎月の収支はローン返済額や管理費等の諸経費、家賃収入を出した上で算出されます。
・不動産投資シミュレーションで得られること
不動産投資シミュレーションによって月収支の計算ができます。一般的にこの時点で毎月の収支がマイナスになる様な物件は購入するべきではないでしょう。
多くの不動産業者では、節税を加味してプラス収支になる話や、マイナス収支でも生命保険と比較すると効果的という話をしますが、そもそも中古マンションで東京都心のプラス収支物件を購入すれば問題の解決になります。
月々入ってくる金額がわかると、将来のための貯金額の目標設定なども掲げやすいです。繰上げ返済を計画的に考えている方は、大きな買い物や旅行を抑えて繰上げ返済原資を作ったり、家計の見直しも考えることができます。また、老後や家族の為に不動産投資を考えている方は、生命保険を見直しをして死亡保証や個人年金、がん保険代わりにするなど、老後の生活設計に役立てることも可能になります。
シミュレーションに必要な情報
シミュレーションで最低限必要な情報は頭金や家賃、ローンに関することです。さらに周辺情報もあるとより良いでしょう。
・最低限に必要な情報と、必要な理由
不動産投資で最低限必要と思われる情報と、その理由は知っておきたいものです。具体的に必要となる理由には以下のようなことがあります。
頭金
不動産会社が提携している金融機関を活用することで頭金0円でスタートすることも可能ですが、頭金の額により借入金額が決まるため、ローンの毎月払う返済額などに影響します。月々どのくらい支払うかシミュレーションしておくと、よりリアルでわかりやすいです。貯金額は最低でも毎月生活費の3ヶ月分以上は手元に残した上で、余剰資金を資産運用へ回しましょう。
ローンの年数
ローン年数は、物件の状態や個人の資金力などにより決まります。何年間支払いが続くか知っておくと、今後の生活設計を立てやすいです。老後資金にすることも検討している場合、相続について考える際にも役立ちます。
最長は35年ローンの場合が殆どで、計画的にローン年数を短く組むことも可能ですが、家賃収入の副利活用を時間を使って投資する商品なので無理のない期間に設定しましょう。
借入金額
購入時の借入金額もシミューションしておきたいものです。この金額を参考にローンの年数や月々の返済額を決めます。借入金が多ければローンの年数が長くなったり、利子が多くなったりする場合があることも考慮しておきましょう。
利点としては生命保険効果です。借入額が多いとその分が保険効果が得られますので、保険の見直しでマンション投資を考えている方はその辺りも考慮すると良いでしょう。
ローンの返済額
ローン返済の肝になるのが金利です。昨今では借り換えも行われていますが、そもそも1%台のローンを活用すれば無駄が無くなります。自身で金融機関回りをするのも1つですが、不動産会社の提携金融機関を利用する場合は不動産会社によって提携金融機関が異なりますので、全てを鵜呑みにしないようにしましょう。
管理費などの諸経費
不動産会社に払う建物管理費や賃貸管理費は見落としがちなので注意が必要です。建物管理費は将来的に変動が少ないですが、修繕積立金に関しては、購入当初は数百円という物件もあります。将来的には平米単価で200円〜250円程度(20㎡だと4000円〜5000円程ど)を予測しておく必要があります、その他、設備の故障や空室も考慮してシミュレーションしておくと月々の支出額の合計が分かるだけでなく、後から想定外の出費で焦る心配がありません。
家賃
家賃収入は不動産投資の最大のメリットになり、最大のリスクにもなります。当初の設定が間違えていると、その先の想定が全て間違えてしまいます。
設定されている家賃収入金額が相場と照らし合わせて妥当性のある賃料になっているのかは必ず自分自身で確認してください。家賃保証を謳っている会社のいう事を鵜呑みにしたり、相場よりも高く設定されている現況家賃は相場家賃に直して再計算しましょう。
周辺にある物件の情報
購入を考えているエリアの情報を集めておくとシミュレーションがより具体的になります。家賃や購入価格の相場、周辺物件の空室具合などを周辺業者まで足を使って尋ねてみても良いでしょう。
シミュレーション方法
シミュレーションするための月々の返済額の計算方法、シミュレーション例を2つ、計算に使え得るツールやアプリで紹介します。不動産投資を考えている方、興味のある方は参考にしてください。
・シミュレーションの計算式
シミュレーションの計算式です。まずは各金融機関で使われる年間返済額の計算式は以下のようになります。
年間返済額=税込年収×返済負担率-他のローンを組んでいる場合の年間返済額
また、返済負担率は個々の年収の25~35%としている金融機関が多く、その数値を利用するこの計算方法によって、年間のローン返済を数値化できます。自分の収入によって可能な返済額がわかるので、物件選びの良い参考になるでしょう。次に紹介するのは、月々の返済額の計算方法です。計算式は以下です。
月々のローン返済額=X÷Y×借入額
例を交えて、実際に月々のローン返済額を求めていきたいと思います。
STEP1
まずはXの数値を計算します。年率の12分の1である月利に(1+月利)の総返済回数の累乗をかけます。
X=月利×(1+月利)^総返済回数
この場合、^は「べき乗」を指します。総返済回数はその名の通り、返済回数の合計です。たとえば30年ローンであれば、12ヶ月×30=360なので360回となります。月利は仮に年率が1.2%の場合は0.012÷12=0.001となります。30年ローンで年率1.2%の場合のXを求める式は以下です。
0.001×(1+0.001)³⁶⁰=0.001×1.4330716103
=0.00143307161X
=0.00143307161
STEP2
次に求めるのはYの値です。Yは(1+月利)の総返済回数の累乗から1を引きます。
Y=(1+月利)^総返済回数-1
STEP1のように年率1.2%、30年ロ―ンで計算すると以下の式になります。
(1+0.001)³⁶⁰-1=1.43307161032-1
=0.43307161032
Y=0.43307161032
STEP3
借入額3,000万円、30年固定金利返済、金利の年率1.2%で月々の返済額を計算します。STEP1、STEP2で出したX=0.00143307161とY=0.43307161032を使います。
0.00143307161÷0.43307161032×3000万=99272.6082142
計算の結果、月々の返済額は約99,273円となります。
・シミュレーション例1
頭金10万円で上記の例と同じ借入額3,000万円、30年固定金利返済、金利の年率1.2%で都心にある築浅中古ワンルームマンションを1室購入したとします。家賃収入は1ヶ月150,000円、ローンの1ヶ月の支払い額は99,273円、諸経費13,000円です。1ヶ月の家賃収入からローンの支払い額、諸経費を引いて1ヶ月の収支を出します。
150,000円-99,273円-13,000円=37,723円
ここから算出された金額37,723円から、空室なしの場合の年間の家賃収入を出します。
37,723円×12ヶ月=452,676円
空室なしであれば、年間の家賃収入は452,676円です。ここから所得税などの税金を引いた額がオーナーの収入になります。
・シミュレーション例2
今度は都心の中古ワンルームマンションAとBの2室購入で考えてみます。Aは頭金100,000円で借入金2,800万円、家賃100,000円、管理費7,000円です。Bは頭金100,000円、借入金2,600万円、家賃80,000円、管理費6,500円です。そして両方とも35年固定金利返済、金利の年率1%とします。
A: 家賃収入:100,000円
支出
月々のローン返済額::78,519円
管理費:7,000円
1ヶ月の収支:14,481円
B:家賃収入:95,000円
支出
月々のローン返済額:72,911円
管理費:6,500円
1ヶ月の収支 :15,589円
A+B:30,070円
1ヶ月の家賃収入は空室なしで考えると30,070円、年間だと×12で36万840円です。※家賃収入には確定申告後に税金が課せられますが、マンション投資の場合は家賃収入から経費を差し引くことができます。所得税や住民税の節税になるでしょう。
・シミュレーションできるツールやアプリ
自分で計算するのは大変という人は、ツールやアプリもおすすめです。
おすすめ1:東急リバブルのツール
必要事項を入れるのみで自動的に年間収入や手取りを算出してくれます。気軽に使えるので、とりあえずざっくりとした情報を知りたい人におすすめです。
https://www.livable.co.jp/fudosan-toushi/simulation-shueki/
おすすめ2:より詳しく知りたい方のための「Re:Camp Gate」
1万人以上のデーターを元に作られたクラウド型シミュレーションツールです。期間限定「完全無料」で使えます。空室率、家賃減少といった-条件も想定できるので、よりリアルです。使い方は分かりやすいマニュアルがあるので安心です。
https://re-camp.jp/gate/
おすすめ3:利回りの計算がすぐにできる「at home」
賃貸用の利回り計算に強いソフトです。無料で使えるのでだれでも気軽に利用できます。特に不動産の専門知識がなくても大丈夫です。
https://www.athome.co.jp/financial/manage/C2_user_toushi.html
シミュレーション結果で見るべきポイント
シミュレーション結果によってどんなことを見たらよいのでしょうか。ポイントを3つ紹介します。
・ポイント1:毎月の収支額がどのくらいになるか
1ヶ月あたりの家賃収入からローン返済額や諸経費を引いた金額がざっくりとした毎月の収支です。そこから年間の収支が算出できるので、不動産投資を始める際の参考にもなります。
・ポイント2:毎月のローン返済額がどのくらいか
毎月のローン返済額がわかれば、家賃収入とのバランスも見えてきます。ムリがない返済額かどうかもわかるでしょう。また、どんな物件を購入したらよいかの目安にもなります。
・ポイント3:満室を考えた場合の家賃収入
満室と考えた場合ですが、家賃収入がどのくらいになるのかも知っておくと投資を始める際の目標になります。数値化することで、この家賃収入を得るために空室リスクを減らすことの重要性も見えてくるでしょう。
不動産投資で利益を出すためのコツ
不動産投資で利益を出すためにはコツをつかんだ方が良いです。シミュレーションの結果を踏まえたコツを3つ紹介します。
・コツ1:毎月の収支額を考えて家賃を設定する
家賃設定の際は月々の収支がどのくらいほしいものか考えて設定します。空室を出したくないために、最初から家賃を安くするのは危険です。家賃収入はオーナーの収入になりますが、家賃すべてをもらえるわけではありません。
なぜならば、家賃の中から管理費用など諸々を払うからです。一般的に管理費用は毎月の家賃収入の3~5%と言われています。仮にマンション一棟を所有していて家賃収入が1ヶ月80万円とするとその4%の32000円は管理費です。その他にも固定資産税や都営計画税といった税金、リスクに備えるための保険料や修繕費用もかかります。これらの金額も考慮したうえで家賃を設定すれば、きちんと利益の出る物件にすることができます。
・コツ2:毎月のローン返済額を念頭に置く
毎月払うローン返済額も念頭に置かないと赤字になります。そのためには、ローンを組む際にムリのない返済額にしておくことが大事です。
また借入金額や借入期間、金利によって返済額が変わることも意識しておくとキャッシュフローがスムーズになります。このように計画性をもって投資に取り組むと、赤字にならずに利益を出せる可能性が高いです。
・コツ3:空室を出さない工夫
シミュレーションした空室がない場合の家賃収入を目標にしたいものです。そのためには空室を出さないようにする必要があります。方法の一つが、管理会社を厳選することです。不動産投資に長けている、空室リスクの低い好立地の物件を紹介してくれる、アフターサービスが徹底しているなどの条件にあった会社を選びましょう。その他にも周辺の相場を考え、場合によっては家賃を下げるなどの工夫も必要です。
まとめ
不動産投資を考える際には、投資のシミュレーションをしてみることが大事です。このくらいの自己資金でこのくらいの金額のローンを組むなど、ある程度具体的なキャッシュフローを思い描くことで、不動産投資のための計画を立てられます。慎重に計画を立てることで余裕のあるローン返済ができるでしょう。
また管理会社を選ぶことで空室リスクも回避できる可能性があります。こうしたことが不動産投資成功のカギになるはずです。
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