投資用ワンルームマンションを売却するタイミングは?流れと費用・注意点を解説
ワンルームマンションを所有している方の中には、売却を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。利益や値下がりなど売るタイミングは非常に気になるポイントです。
今回は、ワンルームマンションの売却を検討している人のために、マンション売却の流れと注意点についてご紹介します。
目次
Toggleワンルームマンションの売却タイミングとは
ワンルームマンションの売却タイミングに明確な正解は存在しませんが、一般的には以下のタイミングで売却されるケースが多く見られます。
・所有して5年経ったタイミング
・収支が計画通りになっていないタイミング
・賃貸需要や景気動向が上がっているタイミング
このうち、特に「物件の所有期間」には注意が必要です。所有してから日が浅い物件と、所有期間が5年を超えた物件では譲渡所得にかかる税率が異なります。
長期譲渡所得 | 短期譲渡所得 | |
所有期間 | 5年超 | 5年以下 |
税率 | 20.315% | 39.63% |
税金の面で考えれば、投資用マンションは所有期間が5年を超えてから売却を検討するのがおすすめです。なお、税率については売却する年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかどうかで判断されます。
また、譲渡所得がマイナスとなっている場合、税金は発生しません。譲渡所得がマイナスになることが予想されるのであれば、5年を待たずに売却するのもひとつの手でしょう。
ワンルームマンション売却までの流れ
ワンルームマンションを売却するには、大まかに次の5つのステップを踏みます。
2. 媒介契約を結ぶ
3. 金額や条件の交渉
4. 売買契約を結ぶ
5. 各種手続きと物件の引き渡し
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ステップ1:査定
売却するためには物件の価値がどれくらいなのか、査定が必要です。査定方法には、大きく次の2つがあります。
・机上査定
・訪問査定
机上査定とは、物件の情報を入力してインターネットで査定してもらう方法のことです。簡単な項目の入力で結果がすぐに分かるので、大まかな金額を知るのに適しています。
しかし、物件の状況などが反映できないため実際の売却額とは大きく異なる可能性が高い点に注意しましょう。
一方の訪問査定とは、不動産会社の担当者に訪問してもらい査定する方法です。建物内部を実際に見てもらうため、より精度の高い査定を受けられます。
一般的には、机上査定を利用して気になった不動産会社に連絡する流れが多いでしょう。ただし、一番高い査定金額を提示した会社が必ずしもよいわけではなく、査定の相場を把握するという意味で複数社に査定を依頼し、話を聞くことをおすすめします。
また、投資用物件でサブリース契約をしている場合、管理会社から振り込まれている金額ではなく、管理会社に連絡をして本当に貸している賃料を把握しましょう。中には、実際に賃借人から振り込まれている金額以下で部屋を貸しているケースもあるため注意が必要です。
ステップ2:媒介契約を結ぶ
売却自体は個人でも可能ですが、一般的には不動産会社と契約して売却を進めることがほとんどです。
不動産会社との媒介契約には、契約内容によって次の3つの形態があります。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
契約できる不動産会社の数 | 複数可 | 1社のみ | 1社のみ |
直接取引 | 〇 | 〇 | × |
レインズへの登録義務 | 任意 | 7日以内 | 5日以内 |
販売状況の報告 | 任意 | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
契約期間 | 法令上の規定無し(3ヶ月が一般的) | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 |
それぞれにメリット・デメリットがあるため、どの契約方法を選ぶかは慎重に判断するようにしましょう。
ステップ3:金額や条件の交渉
媒介契約を結ぶと、売却活動がスタートします。
売却活動は基本的に不動産会社が行うため、売主の手間はかかりません。不動産会社は物件の広報活動を行うほか、興味を持った人がいたら金額交渉なども代理で行ってくれます。
とはいえ、すべてを丸投げしていると思うように売却が進まない恐れがあるので注意が必要です。定期的に売却活動をチェックし、担当者とコミュニケーションを取るようにしましょう。
また、売却交渉がこちらの意図に反せずスムーズに進められるよう、譲歩できる部分とできない部分をあらかじめ担当者と相談して明確にしておくことが大切です。
ステップ4:売買契約を結ぶ
買い手と条件の同意後は、いよいよ売買契約に移ります。
売買契約では、不動産会社で売主・買主が同席し重要事項説明を受け売買契約書に署名捺印します。売買契約書は不動産会社が作成してくれますが、契約内容に不備がないか隅々まで確認しましょう。
契約書に記載されている内容を見落とすと、後々トラブルに発展する場合もあるので、不明点はその場で解決し納得したうえで契約することが大切です。
ステップ5:各種手続きと物件の引き渡し
売買契約から1ヶ月後ほどで決済手続きと物件の引き渡しとなります。引き渡し日が決まったら、所有者が変わるため、移転登記に必要な書類を買い主に渡し、物件の最終確認をし、カギを渡すと引き渡しが終了です。
各種手続きに必要な書類は、期日に間に合わなければ決済・引き渡しがスムーズにできなくなってしまいます。不備がないか入念にチェックし早めに必要書類を用意するようにしましょう。
ワンルームマンションを売却する際の3つの注意点
不動産投資では、出口戦略が大切です。運営中はうまくいってもゴールで失敗してしまえば、トータルで損失が出てしまうというケースも珍しくありません。
ここでは、ワンルームマンションを売却する際の注意点を3つ取り上げてみました。
前もってローン残債を確認する
ワンルームマンションをローンで購入した場合、ローンの残債によって売却できない可能性があります。そのため、マンションのローンがどれくらい残っているのか確認しましょう。
ローンの残金と一括で支払うことができるかどうか、そして売却金額の妥当性を検証することが大切です。万が一、自己資金でローン残債を支払えない場合、そもそも売却自体ができなくなってしまうので注意しましょう。
ローン残債については「不動産投資でローン残債のある物件を売却する流れやポイント」で詳しく解説しています。
仲介か買取かを決める
マンションを売却する場合、仲介か買取かを選ぶことができます。仲介は、不動産会社が募集広告を出して買取希望者を募る一般的な売却の方法を指し、買取は不動産会社に直接物件を買い取ってもらう方法のことです。
仲介の場合、高値で売却できる可能性がある一方で、売却まで時間がかかるほか、必ずしも売れるとは限りません。対する買取は確実に売却できますが、相場よりも売却額が低くなるというデメリットがあります。
売却を希望する金額や時期、その後の投資予定などを整理したうえで、複数の不動産会社に相談し、決めるようにしましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶ
不動産の売却にあたっては、何かと決めなければいけないことがたくさんあります。一人ですべてを判断することは難しく時間もかかることため、信頼できる不動産会社を選ぶことがマンション売却を成功させるカギです。
その際、不動産投資に特化した会社であれば、相談からプランニングはもちろん、提案から交渉までを一手に引き受けてくれます。また、出口戦略や各種手続きなど、困ったことがあれば手厚いサポートを受けられるでしょう。
投資用ワンルームマンションを高く売却するには
ワンルームマンションを売るなら、少しでも高く売りたいと思うものです。ここでは、高く売却するためのポイントを2つ紹介します。
方法1:入居者がいる時に売る
投資用物件の場合、空室よりも入居者がいる方が次のオーナーにとってメリットがあるため高値で売れる傾向にあります。そのため、オーナーチェンジ物件であれば、高値で売却できる可能性があるでしょう。入居者がいる、もしくは次の入居者が決まっている状態で売りに出すことをおすすめします。
方法2:金利が低い時期に売る
ワンルームマンションは、金利が低くなると1年間で得られる収益を表す利回りが低下し、それと共にマンションの価格が上がるという仕組みがあります。金利の動きに着目し、マンションを売るタイミングのひとつとしてチェックすることが大切です。
投資用ワンルームマンション売却で損をしないために
せっかく不動産投資を有利に始めた方でも売却で大損をしてしまうケースは残念ながら少なくありません。投資用に購入したワンルームマンションを売却するためには、売却するタイミングと高く売るコツを知っているかどうかで金額も大きく変わってきます。
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