不動産の売却益とは?売却益と譲渡所得税の計算方法を解説
不動産投資をしている方の中には、物件の売却を検討している人もいるでしょう。
本記事では、物件を売却する際に理解しておきたい不動産売却益について解説します。
目次
Toggle不動産の売却益とは
不動産の売却益とは、不動産を購入した価格よりも高く売却した際に得られる利益のことを指します。この売却益は、単に「利益」と呼ばれることもありますが、不動産投資においては「キャピタルゲイン」とも表現されます。
不動産を売却する際には、購入時の価格や改修にかかった費用、売却時の市場状況などが売却価格に影響を与え、それによって売却益の額も変動します。この売却益を正確に把握することは、税金の計算や次の投資計画を立てる上で非常に重要です。
キャピタルゲインについてはこちらの記事で詳しく解説しています。「インカムゲインとキャピタルゲインとの違いとは?不動産投資を始めるならどちらを狙うべき?」
不動産売却益の計算方法
不動産売却益の計算方法は、以下の式で求められます。
1つ1つ解説していきます。
・売却価格 :不動産を売った際に実際に受け取る金額のこと
・取得原価(取得費):不動産を購入した際の価格に加え、その後の改修費用やリフォーム費用なども含まれる。
・譲渡費用:不動産を売却する際にかかる仲介手数料や広告費、登記のための費用などがこれに該当
このように、おもに3つの費用を売却価格から差し引いた後の金額が、実際の売却益(キャピタルゲイン)となります。計算を行うことで、どれだけの利益が得られたのかを明確にすることができ、税金の計算や次の不動産投資への再投資計画を立てる際の重要な基準となります。
不動産売却時に支払う税金
不動産を売却する際には、いくつかの税金が発生します。おもに、登録免許税、印紙税、そして譲渡所得に対する所得税と住民税があります。これらの税金を含めた全体の確定申告の必要性について詳しく解説します。
登録免許税
登録免許税は、不動産の売買において所有権の移転を公的に登記する際に必要とされる税金です。この税金は、不動産を売却して新たな所有者に名義変更を行う際に発生し、売却物件の所在地の法務局で手続きを行います。
税率は、不動産の種類や価格、所在地によって異なりますが、一般的には固定資産税評価額の数パーセントを税率として適用されます。
たとえば、住宅の場合、登記の種類に応じて0.15%から0.4%の範囲で税率が設定されています。具体例を挙げると、一般的な住宅を売却し、新しい所有者に名義変更を行う場合、固定資産税評価額の0.3%が登録免許税として課されることが多いです。この税金は、売却価格が高ければ高いほど、また、商業用不動産や高価な物件の場合はさらに高額になる傾向があります。
不動産売却の際には、この登録免許税を含めた全体のコストを事前に把握し、計画的に売却活動を行うことが重要です。税金の計算や支払いプロセスについては、不動産会社や司法書士に相談することで、スムーズに進めることができます。
印紙税
印紙税は、不動産売却時に契約書や重要な文書に貼付される税金です。この税金は、文書が法的な効力を持つために必要とされ、売買契約書に印紙を貼ることでその文書が正式なものと認められます。印紙税の額は、契約の内容や金額によって異なりますが、不動産の売買においては通常、数千円から数万円程度が必要となります。
具体的には、不動産売買契約書には、売買価格に応じた印紙税が課されます。たとえば、売買価格が数千万円の物件であれば、その印紙税は数万円になることが一般的です。この税金は、契約書を作成する際に一度だけ支払うものであり、支払いを怠ると罰金が課される場合があります。
不動産を売却する際には、この印紙税を含めた全体の費用を把握しておくことが重要です。また、印紙税の正確な額は、契約書の作成時に確認する必要があります。不動産会社や司法書士などの専門家に相談することで、適切な印紙税の計算と支払いが行えるでしょう。
譲渡所得に対する所得税、住民税
譲渡所得に対する所得税と住民税は、不動産を売却した際に得た利益(譲渡所得)に対して課される税金です。この税金は、売却益が一定額を超える場合に支払う必要があります。具体的には、所得税は国に、住民税は居住している自治体にそれぞれ納めることになります。
所得税の計算には、売却価格から取得費や必要経費を差し引いた金額が課税対象となります。また、住民税も同様に計算されますが、所得税とは異なり、その税率や計算方法に地域差があるため、売却する物件の所在地によって異なる場合があります。
不動産売却による所得がある場合、翌年の確定申告を行い、これらの税金を納める必要があります。また、所得税には「特別控除」が設けられており、一定の条件を満たすと税額が軽減されることもあります。例えば、長期保有の不動産を売却した場合、所得税率が低くなる特例が適用されることがあります。
このように、不動産を売却する際には、譲渡所得に対する所得税と住民税の計算を正確に行い、適切な申告と納税が求められます。不明点がある場合は、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
不動産を売却するなら確定申告をする必要がある
不動産を売却する際には、その取引から得た利益に対して確定申告を行う必要があります。この確定申告は、売却益が発生した年の翌年に行うもので、所得税や住民税の申告が含まれます。特に、売却益が大きい場合や、複数の物件を売却した場合には、その計算や申告が複雑になることがあります。
確定申告をすることで、税務上の正確な処理が求められるため、売却益の計算方法や必要な書類を事前に理解しておくことが重要です。また、申告を怠ると、無申告加算税や延滞税が課される可能性があるため、期限内に正確な申告を行うことが必須です。
不動産売却に伴う確定申告は、自分で行うことも可能ですが、計算や手続きの複雑さを考えると、税理士などの専門家に依頼することも一つの選択肢です。専門家に依頼することで、適切な控除が適用され、税負担を軽減することが可能になります。
まとめ
不動産を売却する際には多くのポイントがありますが、とくに重要なのが売却益の計算と税金の支払いです。この記事では、不動産売却益の基本的な計算方法から、支払うべき税金、そして確定申告の必要性について詳しく解説しました。
売却益を正確に計算し、適切な税金を納めることは法的な義務であり、これを怠ると無申告加算税や延滞税が課されるリスクがあります。また、税理士などの専門家に相談することで、税負担を軽減する可能性もあります。
不動産を売却する際は、これらのポイントをしっかりと把握し、計画的に行動することが成功への鍵となります。不動産の売却は大きな金額が動く取引のため、すべてのプロセスを慎重に進めていきましょう。
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