不動産投資は副業禁止規定に抵触する?副業で不動産投資を始める注意点やおすすめの理由
「働き方改革法」が2019年4月から施行になり、政府は副業・兼業の解禁を奨励しています。
副業OKの企業も増えている一方、就業規則で労働時間外の副業・兼業を制限する会社が多いのも現状です。
ところで、不動産投資は「投資」と名前がつきますが、副業にあたるのでしょうか。本記事では、不動産投資が副業にあたるのかどうか、副業で不動産投資を始める際の注意点、おすすめのポイントについてお伝えしていきます。
目次
Toggle不動産投資は副業にあたる?
不動産投資に興味があるものの副業にならないか心配で、投資に踏み出せない方もいるでしょう。近年、働き方改革などを受け副業を許可する企業が増えている傾向にあります。しかし、未だ副業を禁止している企業も多いのが現実です。副業を禁止している会社に勤めている場合、不動産投資を諦めなければならないのでしょうか。
結論からいえば、不動産投資は副業とは見なされないケースが多く、副業禁止の会社であってもできる可能性があります。
会社の就業規則を確認しよう
副業については、会社の就業規則で定められているものです。まずは、会社の就業規則を確認して副業可能かどうかを調べましょう。
副業を禁止していない会社であれば、問題なく不動産投資できます。反対に、副業を禁止している会社の場合はできない可能性があります。とはいえ、副業を禁止している場合であっても、「不動産投資を禁止する」と明確に規定されているケースはあまりないものです。不動産投資自体を禁止されていない場合、副業禁止の会社でも不動産投資できる可能性があります。
不動産投資は、多くのケースで副業とは見なされない場合が多いのです。不動産投資は、相続や転勤などでやむを得ず始める場合があります。親の賃貸物件を相続した、転勤でマイホームを他の人に貸し出す、といったケースもあり、一概にすべての不動産投資を禁止することは難しく、できないものです。
また、不動産投資は資産運用の一環でもあるため、副業とは見なされない可能性があります。
副業を禁止している会社の割合は?
中小企業庁の2014年の「兼業・副業に係る取組み実態調査事業」調査によると、副業を容認している会社は、14.7%、副業を禁止していると回答した会社は85.3%に上りました。
また、2020年に経団連の調査によると、副業・兼業を認めている企業は22%となっています。
まだ、認めている企業は多くありませんが、徐々に副業を容認する企業が増えてきているといえるでしょう。
出典:中小企業庁「平成 26 年度 兼業・副業に係る取組み実態調査事業」報告書
出典:一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)「2020年 労働時間等実態調査」
副業解禁の動きが加速している
副業解禁は国も後押ししていることも、解禁の動きが加速している要因としてあります。働き方改革では、働く人のニーズの多様化に対応できる環境の整備を進めており、その流れを受け、厚生労働省では2020年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定しています。その中で、企業の基本的な考え方として副業・兼業を認める方向とすることが適切と明記しているのです。
また、老後2,000万円問題で話題となるように、老後資金を蓄えるために個人での資産運用も重要になってきています。このような動きを受け、企業でも副業を解禁する流れが普及しつつあるのです。
副業で不動産投資を始める際の注意点
不動産投資は副業とは見なされず、副業禁止の会社でもできる可能性があります。しかし、次のような点には注意が必要です。
・本業に支障をきたさないようにする
・事業規模次第で副業と見なされる可能性がある
1つずつ解説していきます。
本業に支障をきたさないようにする
副業が禁止される大きな要因が、「本業に支障が出てしまうこと」にあります。本業の合間に副業をすることや、副業で疲労してしまい本業に集中できないといったこともあるでしょう。
いくら副業可能な会社であっても、本業に支障が出てしまうほど副業していては、なにかしらペナルティを課せられる可能性があります。副業はあくまで本業に支障が出ない範囲でするように心がけましょう。
事業規模次第で副業と見なされる可能性がある
多くの不動産で運用するといったように、不動産投資が事業規模になると副業と見なされるケースがあります。
事業規模の目安としては、「5棟10室」が一つの基準となるでしょう。仮に、アパートを12室運用する場合は事業規模に該当してしまいます。ちなみに、この5棟10室は確定申告で不動産投資の収入を副業収入か事業収入なのかを判断する基準でもあります。
また、公務員は法律によってさらに厳格な基準があるので、より注意しなければなりません。公務員の場合、以下の条件に該当すると副業と見なされてしまいます。
・5棟10室以上
・年間収入500万円以上
副業に該当してしまうと、懲戒免職や減給などのペナルティが課せられてしまうので注意しましょう。ただし、規模が大きくなる場合であっても許可を得ることで投資できるケースもあります。
事前に、上司や人事などに相談したうえで不動産投資するとよいでしょう。
副業に不動産投資がおすすめな3つの理由
ここでは、数ある副業の中でも不動産投資をおすすめする理由として次の3つを紹介します。
・本業の信用で融資を受けやすい
・管理を委託できる
・インフレに強い
詳しく見ていきましょう。
本業の信用で融資を受けやすい
不動産投資では、基本的に金融機関でローンを組んで不動産を購入します。この点、サラリーマンの場合、本業の信用で融資を有利に進められるでしょう。融資の際の審査では、年収や勤務先などの個人の属性が重要なポイントとなります。会社員であれば、毎月安定して収入が得られるため審査に通りやすい傾向があるのです。
特に、上場企業や大企業に勤めているサラリーマンや医師や弁護士といった資格職、公務員は審査が有利になります。ただし、審査基準は金融機関によって異なるので注意しましょう。
管理を委託できる
賃貸物件では、不動産の購入後に入居者の募集や家賃回収・物件の維持管理・入居者対応といった多くの作業が必要です。しかし、これらのほとんどの作業を管理会社に委託できます。管理会社にすべて委託してしまえば、日中に不動産投資で必要作業はありません。
株式やFXといった投資の場合、常に相場チェックが必要になり本業に集中できない場合もあるでしょう。アルバイトのような労働が伴う副業では、本業に支障が出る可能性があります。
不動産投資は他の副業に比べ、投資に掛かる手間や時間を大きく削減できるというメリットがあります。そのため、日中仕事に忙しいサラリーマンであっても本業に支障をきたさず不動産投資できるのです。
インフレに強い
不動産はインフレに強い資産です。現金や有価証券といえった金融資産は、インフレに弱い資産といわれています。反面、不動産投資は不動産という「モノ」に投資するため、インフレ時の影響を少なくすることができるでしょう。
反対に、不動産を購入したローンはお金の価値が下がることで実質目減りします。しかし、家賃は物価の上昇に伴い増加するものです。そのため、不動産投資はインフレ時のリスクヘッジとしても有効といえるでしょう。
新型コロナウイルス感染症拡大の際、経済対策として世界各国で補助金などの施策が実施されてきましたが、その際にお金がばらまかれてきました。結果として、今後世界各国でインフレが進むと予想されており、これは日本も例外ではありません。
将来の対策として資産運用の一つとして、不動産投資を組み入れるのを検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
不動産投資は、副業と見なされないケースが多く、副業禁止の会社であってもできる可能性があります。
しかし、規模によって副業となる場合などもあるため、会社に確認したうえで投資することをおすすめします。
不動産投資を検討しているのであれば、副業と不動産投資について理解したうえで、必要に応じて専門家に相談しながら投資するとよいでしょう。
賃貸物件の空室期間が長いときの対処法については、こちらの記事で詳しく解説されています。
参考:会社員・正社員(フルタイム)・サラリーマンにおすすめの副業25選!|WEBLANCE
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