宅建資格で不動産投資の利益アップ!実際に役立ったケースとおすすめの勉強法を教えます
「不動産投資を始めたい!」と考える人の中には、きちんと宅建を取るほうがよいのでは?、と思う人いるのではないでしょうか。
なかには、すでに不動産投資を始めたものの「宅建の資格を所持することで、不動産投資にどのように影響するのか」が気になっているという人もいるでしょう。
不動産投資をする際に宅建の資格を所持することは、必須ではありませんが、宅建の資格があると有利に働く場面があります。宅建と不動産投資の関係を知ることで、宅建の必要性が理解できるだけでなく、より不動産投資を有利に働かせられるでしょう。
そこで今回は、不動産投資と宅建の関係について、事例を交えながらご紹介します。宅建取得に関する勉強法についても紹介しますので、宅建の資格も検討し、不動産投資を有利に進めましょう。
目次
Toggle宅建資格とは
宅建資格とは、一般財団法人不動産適正取引推進機構が実施する「宅地建物取引士」という国家資格のことを指します。宅建資格は、不動産業界に身を投じる人にとって欠かせない資格ですが、不動産投資だけで見ると宅建の資格は必ずしも必須というわけではありません。
【宅建資格があると出来ること】
宅建の資格があると、不動産会社の人が行っている不動産売買や賃貸・仲介に関する業務の中でも、以下の業務が独占して行えます。
2.重要事項説明書の記名・押印
3.契約書の記名・押印
上記項目については宅建の有資格者しかできない独占業務であることから、不動産投資でも物件契約時や複数の不動産を売買する際に役に立つと言えます。
宅建資格を取るのは難しい?
宅建の資格はその他の国家資格と比較すると取得しやすい資格です。宅建の試験の合格率は約13~17%前後と言われています。
令和5年度においては、合格率は17.2%(男性が16.5%、女性が18.3%)という結果になっております。
参考:令和 5 年度宅地建物取引士資格試験結果の概要|一般財団法人
他の国家資格は受験資格を得るためにある程度の知識や経験が必要になりますが、宅建は受験資格に制限がありません。誰でも受験資格のある宅建資格ですが、合格したとしてもプラスで登録申請を行わなければなりません。宅建資格を登録申請するためには2年以上の実務経験が必須条件です。
実務経験がない方については、別途設けられている登録実務講習を受けるというひと手間があることを覚えておくと役立ちます。
宅建資格の不動産投資におけるメリット
不動産投資をする際に宅建の資格を持つことで得られるメリットは5つです。
・重要事項説明書が理解できる
・信頼度の向上が期待できる
・キャピタルゲインにつながる戦略が練りやすい
・不動産取引業で起業できる可能性がある
詳しく見ていきましょう。
メリット1)物件の法令に関する知識がつく
宅建の資格取得することで、「不動産売買における法令上の制限」と「権利関係」について理解できます。不動産売買における法令上の制限は以下になります。
・用途地域
・日影規制
・高度規制
また、不動産に関わる「権利関係」とは、以下の権利を指します。
・地上権
・瑕疵担保責任
・定期借地権を含む借地借家法
以上のように、法令の制限や権利関係については責任の所在が複雑だと言われています。
宅建の資格を取得することで知識がつくため、勉強していない人よりも不動産売買に関する理解が深まるでしょう。また「法令上の制限」が分かることにより、不動産投資時の購入予定物件が法令上に則っている建物かどうかも把握でき、投資したい物件を精査しやすくなるのもメリットです。
メリット2)重要事項説明書が理解できる
物件契約時の「重要事項説明書」の内容に対してより理解が深まることも、宅建資格を所有するメリットです。「重要事項説明書」とは、物件売買に関係する重要書類のことを指します。「重要事項説明書」の内容が仲介人なしで理解できると判断できるため、不動産投資において目の前に提示された物件が購入すべき物件か判断しやすくなります。
メリット3)信頼度の向上が期待できる
不動産投資において信頼性をアップさせることは重要です。宅建は国家資格であるため、所有していることで不動産投資する際に各所で信頼性の構築が可能です。宅建の資格を所持していることにより、客観的に見て物件に関する取引の知見を持っていると判断され、不動産投資の関係者が信頼できると言えます。
また、不動産投資ローンを検討している人にとっても宅建資格が有利に働く機会があるでしょう。不動産投資や不動産について正しく理解している人物と判断され、金融機関から信頼を得やすくなることから、不動産投資ローンも組みやすくなるかもしれません。
メリット4)キャピタルゲインにつながる戦略が練りやすい
どのように売却するかの作戦を練る「出口戦略」を練りやすいことも宅建資格を持つメリットです。
キャピタルゲイン(売却益)を狙い、どのように不動産を売却するかを考慮することは、不動産投資においては欠かせません。不動産投資会社には、一般的に宅建資格を所持した仲介業者との業務提携があります。仲介業者を介して不動産を売却すると、手数料が発生します。もし、自身が宅建資格所持者であれば、不動産投資会社の仲介業者を挟まず自身で売却できることから、費用カットが期待できるでしょう。
メリット5)不動産取引業で起業できるかも
将来的に不動産投資を事業にしたいという場合は、宅建資格を持つことによって独立・起業できるかもしれません。宅建を所有しているということは「不動産取引業」ができるという証でもあります。これにより、自分で売買を仲介する不動産会社を設立できる可能性があります。
宅建資格が不動産投資で役立った実例
不動産投資において宅建資格は必ずしも必要というわけではありませんが、あって損はない資格だと言えます。宅建資格を取得したことで不動産投資が有利に働く事例は、以下の4つです。
・物件売買のタイミングで不動産投資会社の違法行為や営業を回避
・不動産投資時の確定申告がわかる
・管理に役立つ
宅建資格の勉強および合格後の研修で学んだことをフル活用できそうなことが分かるのではないでしょうか。それぞれについて詳細をご紹介します。
実例1)重要事項説明書の内容を理解したうえで納得いく投資ができる
物件売買の際に不動産投資会社に緊張感を持たせながら正しい取引を促すことは、宅建資格が役に立つシチュエーションの代表的な例です。
「重要事項説明書」はとくに煩雑な内容というだけでなく、一般的に理解しづらい内容が記載されていることから内容を納得しないまま契約をしてしまう人も一定数います。宅建資格の問題の中には「重要事項説明書」の内容や管理などについても登場するため、「重要事項説明書」内での説明に対して納得いく物件探しができるでしょう。
実例2)物件売買のタイミングで不動産投資会社の違法行為や営業を回避
一般的には気が付きづらいものですが、宅建資格を有していると不動産投資会社が違法営業していることに気がつきやすくなるでしょう。
不動産投資会社の中には、投資家が考える時間を与えないような違法営業が今でも散見されます。宅建資格を持っていることで、違法営業・行為をする不動産投資会社かどうかが契約前にわかるだけでなく、営業マンの口車に乗ることなく冷静に投資物件の判断が可能です。
また、宅建を持っている旨を話したり不備を指摘したりできることで、不動産投資会社の営業マンにもある程度の緊張感を与えられます。
実例3)不動産投資時の確定申告
不動産投資をスタートすると、避けて通れないのが確定申告です。税理士に依頼する場合が多いであろう確定申告の内容を、ある程度理解できることも宅建資格所有が役立つと言えます。
実例4)管理に役立つ
自身が不動産投資した物件の管理にも役立ちます。多くの場合、購入後の物件は管理会社を経由して管理を依頼するかもしれませんが、ある程度の知識があることから管理会社がきちんと管理しているかも自己判断しやすいでしょう。
また、自身が物件の管理人を務める場合でも、宅建の資格勉強時に学ぶ「入居者の権利」を把握した状態で管理運営できるようになっています。入居者の立場に立った自主管理ができる可能性があることから、退去する人を抑制したり空室リスクを回避するための対策を講じたりできるでしょう。
宅建資格が無いと不動産投資は違法になる!?
宅建資格が無いと不動産投資は違法になるかもしれないと心配している人もいるでしょう。不動産投資は、物件を購入・売却することで利益を生み出す投資方法です。そのため物件の取引が多いと「不動産取引業」、つまり宅地建物取引業に該当しかねません。
「宅地建物取引業を営もうとする者は、宅地建物取引業法(以下「宅建業法」といいます。)に基づき、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受ける必要があります。」 |
宅地建物取引業法とは
「宅地建物取引業法」とは、国土交通省が1952年に制定した不動産の売買や賃貸を仲介取引するための法律です。また、不動産業を営む人たちから不動産の購入者である消費者の利益を守るための物でもあります。
違法だとみなされてしまうケース
不動産投資が宅建業に該当するかどうかは、現時点では判断が難しいと言えます。ただし、不動産投資の中でも、
・売買や賃貸の仲介している
・収益を得る目的で売買を繰り返している
といった場合は、宅建業に該当するため宅建資格を所持している必要があります。
また、1棟のアパートやマンション・一軒家の大家として第三者に建物を貸す行為については「不動産賃貸業」に該当するため宅建業ではないとされているのが現状です。なかには「不動産賃貸業」枠を超えているケースもあるため、自身の不動産投資の手法次第では法律違反に該当する可能性があることを考慮しなければなりません。
(免許) 第三条 宅地建物取引業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に事務所(本店、支店その他の政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置してその事業を営もうとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事の免許を受けなければならない。 (無免許事業等の禁止) 第十二条 第三条第一項の免許を受けない者は、宅地建物取引業を営んではならない。 2 第三条第一項の免許を受けない者は、宅地建物取引業を営む旨の表示をし、又は宅地建物取引業を営む目的をもつて、広告をしてはならない。 引用:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号) |
「違法かもしれない」と不安に感じたら?
違法でないと自己判断したものの自身の不動産投資方法を振り返った際に「違法行為かもしれない」と不安が生じた場合は、まず不動産投資会社に相談し、同時進行で宅建の資格を取る準備をはじめたほうが安心です。
不動産投資するという点だけでは、宅建資格を持っている必要はないという意見もあります。一方で、不動産投資は現物の不動産を売買して利益を得ることが目的であることから、事業性が高いと判断されることも考慮しなければなりません。
現時点で宅建資格を持っていないからと言って不動産投資が禁じられているわけではありませんが、宅建業法の法改正によって宅建資格を有していないと不動産投資ができなくなる未来も有り得るでしょう。今から勉強して資格を取得しておくことで、安心して不動産投資ができると言えます。
宅建資格を取るための勉強法
宅建資格は先々の法改正も考慮して、取っておいて損はない資格です。では、どのように勉強することが一般的なのでしょうか。具体的には以下の方法が挙げられます。
・通信教育
・学校に通う
初心者でも合格ができるかどうかについては、結論から言うと、宅建はきちんと試験勉強をすれば初心者でも合格しやすい国家試験です。
「宅建の勉強にどのくらいの時間をさけるか」「基礎知識や不動産業務経験の有無」など個人の状況によっても異なりますが、およそ250時間~350時間の勉強が必要だと言われています。
宅建の受験申し込みは毎年7月頃からスタートするため、逆算したとしても余裕を持って1年前には準備を始めると安心でしょう。
独学で勉強する
副業で不動産投資をしている場合など、本業が忙しい場合にまず思い浮かぶのが独学での勉強方法です。教材を自由に選べるため、コスパは良いとされていますが、独学ゆえの継続力と情報収集の甘さなどが相まって、合格率が高いとはいえません。
独学のメリットとデメリットは以下のような点が挙げられるでしょう。
・教材費用以外はかからないので低コストでOK
・自分のペースで取り組める
・苦手な部分だけを集中して勉強できる
・継続できないと挫折する
・わからない部分をプロから聞けない
・教材選びに苦戦する
・法改正に関する設問に適切に対応できないことがある
・情報収集は全て自己流
通信講座で勉強する
通信講座で宅建資格を取得する方法もあります。勉強は自分で進めるものの、通信教育では担当講師がついていることが一般的です。宅建の勉強に関する質問やアドバイス・試験対策ができるだけでなく、法改正に関する最新情報などフォローアップも期待できます。先生がついているという点において、効率よく勉強できるだけでなく、取り組み次第では独学よりも合格しやすい可能性が高まります。
宅建資格の通信講座・予備校を検討されている方は、こちらの記事をご覧ください。
参考:宅建通信講座・予備校おすすめランキング | アガルートアカデミー
・わからない項目を質問できる仕組みがある
・適切な教材が手元に届くので追加で買わなくてOK
・法改正にも適切な対応がある
・資格試験の案内もしてくれる
・教材費は独学よりかかる
・継続できないと投げ出す
・講師の添削が無いと伸びない可能性がある
資格スクールで勉強する
資格スクールで勉強することで、自然と勉強する環境が構築しやすく、宅建の合格率も高いと言えます。近くに先生や仲間がいて切磋琢磨する環境ができるので、独学や通信教育に比べると孤独感を感じにくく、勉強を継続しやすいのが特徴です。とくに宅建に絶対受かりたいという人や、急ぎで確実に合格したいという人にはおすすめの勉強法だと言えます。ただし、学校に通うことになるため、独学や通信教育よりも費用はかかることがデメリットです。
・宅建の勉強の習慣化につながる
・仲間がいる
・先生がいる
・合格率の発表もあるためやる気に火が付きやすい
・わからないところをわかるまで頭に入れられる
・費用が高額(10万円以上)
・副業の場合はスクールに通いづらい可能性がある
・住んでいる場所によっては学校に通いづらい
まとめ
不動産投資において宅建の資格を所持することはマストではありません。現状では、宅建資格が無くても不動産投資ができますが、今後の法改正により不動産投資する人の宅建資格所持が義務付けられる可能性もあるでしょう。
しかし、宅建資格を取得すれば、目の前の物件が投資すべき物件かどうかを判断しやすくなるだけでなく、未来に生じる可能性のある法改正を気にせずに不動産投資できます。宅建は国家資格の中でも受験資格が緩いため、誰でもチャレンジしやすい国家試験です。
この記事を参考に、自身の不動産投資スタイルが適切かどうかを確認し、長い目で宅建の勉強をスタートさせることをオススメします。
また、不動産投資を始めたい、また検討している方はぜひ、クレドへお気軽にお問い合わせください。
宅建資格の必要性については、こちらの記事で詳しく解説されています。
>> 参考:アパート経営に宅建資格は必要?宅建は不動産業界には必要だが投資家には不要な理由 | 株式会社スタークラフト
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