不動産投資ローンについて|仕組みからおすすめの金融機関、完済のためのコツまで徹底解説!
不動産投資に興味があるけれども、気になるのはローンという方は多いのではないでしょうか。
この記事では、不動産投資ローンの仕組みからおすすめの金融機関、完済のためのコツを解説します。
参考にしてください。
■不動産投資ローンとは?
【不動産投資ローンの種類】
・アパートローン
・プロパーローン
■不動産投資ローンと住宅ローンの違い
・項目1:借入目的の違い
・項目2:金利の違い
・項目3:返済原資の違い
・項目4:融資限度額の目安による違い
・項目5:融資審査による違い
・住宅ローンで不動産投資は出来るのか
■不動産投資ローンを利用する前に知っておくべきこと
【不動産投資ローンが借りにくくなってしまう状況】
・項目1:自己資金の少なさ
・項目2:年齢制限
・項目3:物件の耐用年数
・項目4:勤務先に関する問題
【不動産投資ローンの審査が通りやすくなるコツ】
・項目1:タイミングを考えて属性を上げる
・項目2:自己資金を多く用意する
・項目3:他のローンがあるならば早めに返済する
・項目4:物件選びを慎重にする
■不動産投資ローンを取り扱う金融機関とその特徴
【都市銀行(メガバンク)】
・融資の受けやすさと金利
【地方銀行】.
・融資の受けやすさと金利
【信用金庫・信用組合】
・融資の受けやすさと金利
【日本政策金融公庫】
・融資の受けやすさと金利
【ネット銀行】
・融資の受けやすさと金利
【ノンバンク】
・融資の受けやすさと金利
【どの金融機関がおすすめ?】
■不動産投資ローンの手続きの流れ
・事前審査
・本審査
・契約~融資の実行
■不動産投資ローンをきちんと返済するためのポイント
・項目1:家賃相場を調べる
・項目2:収入減少を想定しておく
・項目3:修繕費用なども設定して予算を多めに用意する
■まとめ
目次
Toggle不動産投資ローンとは?
まずは不動産投資ローンとはどんなものか理解しておきましょう。
【不動産投資ローンの種類】
不動産投資ローンは、アパートローン、プロパーローンの2種類があります。それぞれの特徴をご紹介します。
・アパートローン
アパートローンは、主に投資用にアパートやマンションなどの集合住宅を購入したり建築したりする際に利用するローンのことを言います。
一棟買いでも一室買いでも使用できるローンです。
・プロパーローン
プロパーローンは、保証会社を通さない金融機関独特の資金で賄うローンのことで、オーダーメイド型の融資ともいわれます。
会社単位や個人でも何度か取引をして信用を得ないと金融機関にとってはリスクを背負うことになります。
不動産投資ローンと住宅ローンの違い
不動産投資ローンと住宅ロ―ンの違いについて説明します。
・項目1:借入目的の違い
不動産投資ローンの借入目的は、自身が居住するためではありません。目的は、賃貸物件に申し込んだ人に賃貸物件として貸し、家賃収入を得ることです。住宅ローンの場合は、居住が目的です。
・項目2:金利の違い
金利の違いも大きいです。不動産投資ローンの方が、金利は高めの設定になっています。その理由は、不動産投資が事業であることです。もしもローンを滞納した場合、住宅ローンであれば、滞納者自身が住む家を失うのみです。しかし、不動産投資ローンの場合は、入居者の家賃滞納や空室が多いための家賃収入の減少が想定でき、金融機関に支払うローンを今後払えなくなる可能性は否めません。こうしたリスクのために、不動産投資ローンの金利は高めになっています。
・項目3:返済原資の違い
不動産投資ローンは、家賃収入を得ることができるので、返済の原資となるのは、入居者が支払う家賃です。それに対して住宅ローンの場合は、主に住宅購入者やその家族が働いて得た給与収入が原資になります。
・項目4:融資限度額の目安による違い
不動産投資ローンのケースですと、融資限度額の目安となるのは、職業、返済能力、信用性を元にする個人の属性や物件の収益性の他、金融機関の意向や過去の投資物件運用であげた成果です。住宅ローンの例でお話すると、2019年の『フラット35利用者調査』によると、住宅を購入した世帯の年収倍率は『6~7倍』程度という調査結果になっています。購入住宅の種類により違いはあります。
・土地付き注文住宅:7.3倍
・マンション:7.1倍
・建売住宅:6.7倍
・注文住宅:6.5倍
・中古マンション:5.8倍
・中古戸建て:5.5倍
・項目5:融資審査による違い
融資審査による違いもあります。不動産投資ローンの場合は、個人の属性、物件の条件が判断基準です。物件の条件は資産価値、場所、収益性、築年数の他、過去の不動産投資、他に運営しているものがあればその物件の収益性も審査基準になります。一方、住宅ローンのケースですと、判断基準は主に個人の属性です。
住宅ローンで不動産投資は出来るのか
住宅ローンで不動産投資は違法になるためできません。なぜならば、上記で説明しましたように、住宅ローンは自身の居住用の住宅を手に入れるために組むローンだからです。事業として家賃収入目的で行う不動産投資ローンとは異なります。しかし、住居併用であれば、条件次第で可能です。具体的な条件は、住居スペースが2分の1以上であることです。
不動産投資ローンを利用する前に知っておくべきこと
不動産投資ローンを利用する前に、借りにくくなる状況や審査が通りやすくなるコツを知っておくと良いでしょう。
【不動産投資ローンが借りにくくなってしまう状況】
不動産投資においてローンを借りにくくなるのはどのような状況があるのでしょうか。
4つの具体例を紹介します。
・項目1:預貯金や資産の少ない方
預貯金や資産が少ないと融資を受けられないことがあります。なぜならば、預貯金や資産の少ない人は、計画性がないとみなされ、返済能力も懸念されるからです。また、ギリギリの予算だと不意に出る修繕費、空室なしで運営できると思っていたにもかかわらず、空室が多いといった想定外の事態に対応できません。こうした理由から、預貯金や資産が少ない場合は不動産投資ローンを借りにくくなるでしょう。
・項目2:年齢制限
金融機関としては、支払能力のある年齢の人に融資したいものです。たとえば、55歳男性が30年ローンを利用する場合を考えてみてください。55歳時点で年収が800万円としても定年を迎えれば、確実に収入が減ります。逆に35歳の人が30年ローンとなれば、給与を得られる期間は長いので、支払いが確実と考えられます。
・項目3:物件の耐用年数
物件の耐用年数でも借りにくくなることがあります。金融機関は借りる人の属性同様に物件の耐用年数に重きを置き、その年数により融資年数を設定することも考えられます。耐用年数は物の構造によりさまざまで、木造以外は期間内に減価償却ができます。木造の場合は22年で減価償却が終了し、資産評価情の建物の価値も消滅します。実際、物件の耐用年数で融資年数を設定するのみという金融機関も存在するので、下記に挙げる構造と年数については不動産投資を始める前にチェックしておきましょう。
・軽量鉄骨造:19年
・木造:22年
・鉄骨造:34年
・鉄筋コンクリート造:47年
・項目4:勤務先に関する問題
金融機関は常に融資希望者の収入を調査するので、勤務先によっては、不動産投資ローンを借りにくくなります。調査は源泉徴収票や確定申告による年収で行います。その時に引っかかるのは、現職の勤務年数が短い場合です。職業を次々に変えている不安定な収入の人物とみられます。また、月によって収入が異なるために年収が一定額でないケースも収入が不安定とみなされ、ローンを借りにくくなるでしょう。
【不動産投資ローンの審査が通りやすくなるコツ】
不動産投資を始めたいと思っても、不動産投資ローンの審査に通らないと、どうにもなりません。
ここでは、不動産投資ローンの審査が通りやすくなるコツをご紹介します。
・項目1:タイミングを考えて属性を上げる
上記で説明しましたように属性を上げることは大事です。しかし、キャリアアップを考えての転職は、不動産投資ローンを組む時期にはやめておいた方が無難です。勤続年数の短さが審査の妨げになる可能性があります。
・項目2:預貯金や資産を増やしておく
資金は多めに用意しておいた方が賢明です。資産が多ければ多いほどに収入に余裕がある証明になります。また、自己資金を少しでも多く入れておくと融資金額が少なくなるため、貸す側としても有利です。
・項目3:他のローンがあるならば早めに返済する
仮に車のローンやブランド物のローンなどがあると、審査が通らなくなる可能性も出てきます。また、ローンの融資金額が思うようにいかないことも考えられます。こうした理由を考えますと、他のローンを完済してから、不動産投資ローンを組んだ方が何かと有利です。クレジットカードでのキャッシングや消費者金融の借入がある場合は融資すら受けられない可能性もあります。
・項目4:物件選びを慎重にする
資産価値の高い物件を選んだほうが、ローン審査を通過できます。なぜならば、金融機関がローンを組む際に担保にするのは、対象となる不動産だからです。担保の対象が資産価値の高い物件であれば、貸す側としても安心できます。逆に資産価値が低い物件の場合は、ローンとして貸してもらえる金額が物件価格の一部のみということがあります。それに比べて資産価値の高い物件であれば、物件の全額がローンとして下りる可能性が高いです。
資産価値の高い部健人は、一番大切な部分としてエリアがあげられます。個人的に良いと思うエリアではなく、金融機関が膨大なデータから算出する良いエリアなので、その様な不動産を検討する事と、堅実な収益を長期的に得られる物件になります。持ち始めてから収益が下がるような物件には要注意です。
不動産投資ローンを取り扱う金融機関とその特徴
不動産投資ローン取り扱い金融機関を特徴とともにご紹介しましょう。
【都市銀行(メガバンク)】
都市銀行(メガバンク)は、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行があります。
・融資の受けやすさと金利
都市銀行(メガバンク)の金利は1%〜4%程度ですが、融資を受けるとなると、厳しく定められた基準や条件をすべてクリアしなければ、通過できません。たとえば、過去の収入、基準に合う勤め先であるか、他のローンの有無など、細かい条件があります。
【地方銀行】
地方銀行は、一般社団法人全国地方銀行協会会員の銀行です。
・融資の受けやすさと金利
金利は平均して3%~7%くらいですが、横浜銀行、千葉銀行は変動金利3~4%です。審査基準は都市銀行(メガバンク)に比べますと緩めです。また、地方による特色が濃く、不動産投資に力を注ぐところ、そうでないところの差があります。
【信用金庫・信用組合】
信用金庫は銀行に近い機能のある特定地域で居住していたり、働いていたりする人たちによる協同組織のことです。信用組合も同じような組織ですが、金融機関としての規模は小さいです。
・融資の受けやすさと金利
金利は4%くらいで、融資の審査基準が地方銀行と変わりありません。
ここ最近は不動産投資ローンに力を入れるところが増えている傾向です。
【日本政策金融公庫】
日本政策金融公庫は、株式会社日本政策金融公庫法に基づいて設立された財務省所管の特殊会社です。
・融資の受けやすさと金利
日本政策金融公庫の場合、金利は固定のみで1,2%~2.5%くらいです。審査基準は民間とは異なり、重視するのは事業性です。こうしたことを考えますと、民間銀行では断られてしまった融資でも、通過できる可能性があります。しかし、支店によって融資基準が異なるので、よくチェックしておく必要があるでしょう。
【ネット銀行】
ネット銀行は、対面の店舗がないインターネット取引のみの銀行のことです。楽天銀行や住信SBIネット銀行が有名です。
・融資の受けやすさと金利
ネット銀行は、他の銀行に比べ、金利は安めです。たとえば、楽天銀行の場合は固定金利0.66%~、SBI銀行ですと変動金利で2.95%~です。融資の事前審査期間や仮審査が他の銀行に比べ短いですが、対面でないために書類審査は厳しめに設定されています。
【ノンバンク】
ノンバンクは銀行以外の金融機関のことで、預金の受け入れは行いません。業務はお金を貸すことが主です。
・融資の受けやすさと金利
金利は1%~9%程度と幅広く、店舗によっても異なりますが、主流は4%から6%程度です。他の金融機関と比べますと、高めの設定になっているところが大きな特徴です。しかし、融資条件、審査基準は緩めなので、比較的借りやすいでしょう。
【不動産会社の提携金融機関】
売主で物件販売をしている不動産会社は提携金融機関を得ていて有利な金利で貸し出しをしています。
・融資の受けやすさと金利
金利は1%台の優遇金利を受けられる可能性や、頭金は0円から取組めたり、ローン手続きも代理で行うので非常に有利な融資となります。しかし、融資を受けられる個人の属性の条件は厳しいので、一度確認してみるのが良いでしょう。
【どの金融機関がおすすめ?】
金融機関選びは年収が決め手になります。各年収によるおすすめの金融機関をご紹介します。
年収500万円以下のケースですと、年収制限がなく金利が安めの日本政策金融公庫がおすすめです。また、女性やシニア、若い世代への優遇措置があるのも大きなメリットです。年収が500万円~1000万円のケースでは、地方銀行、信用金庫・信用組合がおすすめです。条件によっては、日本政策金融金庫よりもメリットが大きい場合も考えられます。年収1000万円以上のケースは、都市銀行(メガバンク)を検討する価値があります。審査基準を突破できれば、安心して融資を受けられるでしょう。
不動産会社の提携金融機関であれば、年収が550万円以上で、大手会社勤務や公務員の方、お借入れをあまりしていない方はチャレンジする価値があるでしょう。
不動産投資ローンの手続きの流れ
ここからは、不動産投資ローンの手続きの流れをご紹介します。
・事前審査
融資を受けたいと思う金融機関に事前審査を申し込みます。
この審査では、本審査前に融資ができるかどうかの事前調査をします。
・本審査
事前審査後に物件の購入申し込み、売買契約を締結させ、本審査になります。
万が一のために他の金融機関の不動産投資ローンも考えておくことをおすすめします。本審査は大体1週間~1ヶ月かかるでしょう。
・契約~融資の実行
本審査に通ったら、不動産投資ローンの金融機関とローン契約の内容を確認する金消契約を行います。
そして物件の決済になり、引渡し時に不動産投資ローンの融資実行を受けます。
この時点で行われるのが、所有権移転登記、金融機関の抵当権設定登記です。
不動産投資ローンをキチンと返済するためのポイント
不動産ローンはきちんと返済したいものです。そのためのポイントを抑えておきましょう。
・項目1:家賃相場を調べる
家賃をエリアの相場に合わない高額に設定すると、入居者が集まらない可能性が高く、月々の返済が厳しくなる可能性があります。予め、エリアの相場を調べて家賃を設定しましょう。
・項目2:収入減少を想定しておく
不動産投資には、空室リスクで収入減少ということがあります。その場合を想定して返済額に充てるお金をストックしておきましょう。
・項目3:修繕費用なども設定して予算を多めに用意する
建物の劣化や自然災害などによる修繕費用も必要です。この費用を用意しておかなかったために、ローンに充てるストック分を使ってしまうと、月々の返済が厳しくなります。今は必要なくても、いつか使う可能性のある予算としてストックしておきましょう。
まとめ
不動産投資ローンは、アパートローン、プロパーローンの2種類があり、住宅ローンとは目的や金利の面などで異なります。自己資金の少なさ、年齢などによっては、金融機関から借りにくくなることもあるので、注意が必要です。おすすめの金融機関は年収により異なります。ご自身の収入に合う金利やサービスを行うところを選びたいものです。
手続きが済み融資を受けられたら、月々の家賃相場などを考慮して返済を怠らないようにしましょう。
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