不動産投資のよくある失敗事例5選!併せて対策もご紹介します
不動産投資に興味があるけれど、失敗するのではないかと二の足を踏んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに不動産投資は失敗する可能性があるものですが、実際に失敗してしまった方の事例を見ると、同じようなことが要因となっていることが多いものです。本記事では、不動産投資のよくある失敗事例と、その対策までご紹介します。
目次
Toggle不動産投資の失敗事例1:不動産会社に任せきりになってしまった
初心者によくある失敗例が「不動産会社の言うことをうのみにしてしまう」という失敗です。
「利回りが高い物件」「節税になる」「早く購入しないと他に買われてしまう」などは、代表的な営業トークと言えます。
営業マンの巧みな話に乗せられて、投資を進めてしまう方は珍しくありません。しかし、しっかりと投資判断を自分でしなれば大きな損失を招いてしまう可能性があるのです。
不動産会社に任せきりだと失敗してしまいやすい
不動産会社の収入源は、契約が成立したときに発生する仲介手数料です。少しでも早く、また1件でも多く契約したほうが不動産会社の利益になります。そのため、中には契約させることを目的に、魅力的な営業トークで投資家の興味を引いてくる場合もあるのです。
特に、不動産投資初心者は、不動産会社の担当者の言葉を「プロが言っているから大丈夫だろう」と信じてしまいがちです。全ての不動産会社がそうではありませんが、中には悪質な不動産会社もいるので注意する必要があります。
対策:自分で勉強して判断する
不動産投資には幅広い知識が必要です。不動産だけでなく、税金や法律・金融など幅広く最新の知識がなければ失敗しやすくなります。もちろん、すべての情報を自分だけで得るのは簡単ではないため、不動産会社のアドバイスを受けることも重要です。しかし、不動産会社のアドバイスはあくまでアドバイスとして、投資判断は自分でする必要があります。
不動産会社の言葉をうのみにせずに、自分で判断できるようにできるだけ多くの知識を得ておくことで、的確な投資判断ができるでしょう。不動産投資は自分のお金を使って投資し、損失が出てしまえばそのダメージは自分が受けなければなりません。投資は自分でするものだ、という意識は常に持つようにしましょう。
不動産投資の失敗事例2: 表面利回りだけで判断してしまった
不動産投資での「利回り」とは、どれだけ収入を得られるのか判断する重要な指標です。
しかし、利回りにも「表面利回り」と「実質利回り」の2つがあり、それぞれ異なるので注意しなければなりません。「利回りが高い」と思って投資しても、それが表面利回りだと思うほど利益が出ない可能性があるのです。
表面利回りは収益面しか考慮していない
表面利回りとは、物件価格に対する収入の割合を示す指標です。
表面利回り(%)=年間収入÷物件価格×100
仮に、年間収入が300万円で物件価格が2,000万円の場合の利回りは、300万円÷2,000万円×100=15%です。
表面利回りは、収入額と物件価格だけで算出できるシンプルな指標であり、大まかな利益の目安にできます。不動産会社の広告などに記載されている利回りも、基本的には表面利回りです。
しかし、表面利回りは支出が考慮されていない点に注意しなければなりません。表面利回りが高くても、実際の支出まで考慮すると実際の手元に残るお金はわずかという場合もあるのです。
対策:最低でも実質利回りは計算しよう
物件の購入を判断する場合は表面利回りだけでなく、支出まで考慮した実質利回りまで計算しておくことが重要です。
実質利回り(%)=(年間収入-年間経費)÷(物件価格+購入時にかかる諸経費)×100
仮に、年間収入300万円、諸経費を含めた物件価格が2,000万円で、年間経費が150万円の場合の実質利回りは次のようになります。
実質利回り=(300万円-150万円)÷2,000万円×100=7.5%
このように表面利回りが15%に対し、実質利回りは7.5%と大きく異なるのです。
また、利回りには実質利回りからさらに税金まで考慮したものなど、さまざまな種類があります。少なくとも実質利回りは、自分で求めたうえで投資を判断するようにしましょう。
不動産投資の失敗事例3:想像以上に経費がかかってしまった
不動産投資をしていると、さまざまな経費が必要になります。一般的には、次のような経費が掛かるものです。
・委託会社への委託料
・修繕費やメンテナンス費
・修繕積立金や管理費
・固定資産税や都市計画税などの各種税金
・借入の利息
・交通費や広告費など
経費を把握して収支計画を念入りに立てていなければ、支出が多くなりすぎて投資が失敗してしまう可能性があるのです。
退去や故障などにより突発的な経費がかかる
委託料や固定資産税などは、ある程度見通しの立つ経費です。しかし、劣化や老朽化による設備の故障や退去による原状回復費などは、いつどれくらいの費用がかかるのか予測が難しく、場合によっては高額な支出になる可能性があります。
特に中古で物件を購入した場合、購入後すぐに設備が次から次に修理・交換が必要になるケースも珍しくありません。また、退去時にはエアコンの交換やクロスの張り替え・水回りの修繕なども必要になる場合も多いものです。
自然災害による故障に至っては、予測不可能とも言えます。
対策:余裕のある資金計画を組む
突発的な支出に対応するには、自己資金を手元に残しておく必要があります。毎月の収入でギリギリ支出を賄っている状態では、万が一高額な支出が必要になった場合に対応できません。必要な修繕に対応できなければ、老朽化が進行し入居者が確保できなくなるという悪循環に陥りかねないでしょう。
少なくともローン返済額の半年~1年程度以上は、手元に資金を残しておけるように、余裕のある資金計画を組むことをおすすめします。
不動産投資の失敗事例4:大学や工場が郊外に移転してしまった
不動産投資では、需要が高い物件に投資するのが基本です。大学や工場といった人の集まる施設に近いエリアであれば、需要が見込めるため不動産投資する価値があります。しかし、投資後にエリアの構成が変わってしまうことで、需要が変わり収入減になってしまう場合もあるのです。
施設の移転で空室リスクが高まるケースもある
大学や工場の近辺では、学生や工場に勤務する人の需要が高くなります。ただし、投資後にそれらの施設が移転してしまうと、需要が減少する点には注意が必要です。
需要が変化することで、投資物件での空室リスクが高まってしまう恐れがあります。空室が出てしまうとその期間は収入減となり、期間が長ければ家賃を下げるなどの見直しが必要になるものです。空室や家賃の見直しにより収入が予定通りに得られない場合は、ローンの返済も滞るなどの事態に陥ってしまうでしょう。
対策:将来的な需要も見越して物件選定をすることが重要
投資物件を決めるうえでは、現状の需要だけでなく将来的な需要まで含めて、徹底的にリサーチすることが重要です。
・物件の近くに将来競合が建設されるような空き地がないか
・周辺の開発予定がないか
・集客源となる施設の移転の可能性がないか
例えば、上記のように学校や工場を集客源とする場合、万が一、その施設がなくなった場合に入居者を確保できるのかまで判断しておくことが重要です。そのような見通しを立てられないような物件の場合は、初心者は手を出さないという選択肢も含めて検討するようにしましょう。
不動産投資の失敗事例5:節税目的だけで購入してしまった
不動産投資には、節税効果が期待できるというメリットがあります。ただし、知識もないまま節税だけを目的として投資していると、思うように節税効果を得られないだけでなく、投資自体も大きな損失が出てしまう可能性があるのです。
所得税の節税効果は赤字が前提
不動産投資で狙える節税効果の中に「所得税・住民税の節税」があります。これは、不動産投資の収入である不動産所得と給与所得の損益通算を利用した節税です。
不動産所得の赤字は、他の所得区分である給与所得との相殺が可能であり、このことを損益通算と言います。仮に、不動産所得が500万円の赤字で給与所得が700万円の場合は、相殺した200万円に対して所得税・住民税が課せられるのです。特に、所得税は所得額に応じで課税率の異なる累進課税制度のため、給与所得の高い人ほど損益通算での所得税節税効果が高くなります。
ただし、この節税は不動産所得が赤字であることが前提です。収入が上がらない、経費が掛かり過ぎているなどといった赤字状態では、節税できたとしても投資自体は失敗しています。減価償却費を利用し帳簿上のみ赤字にできますが、物件によって減価償却費は異なるため、事前に計算して検討しておく必要があります。
対策:節税効果目的だけでは投資しない
節税効果を得られたとしても、不動産投資が赤字続きでは突発的な支出を賄えない上、退去などで支出計画が狂い大きな損失になりかねません。また、赤字経営では金融機関からの評価も下がり、2棟目以降の融資を受けられない場合もあるので注意しなければなりません。
不動産投資の目的は、あくまで投資の成功です。節税効果を狙って赤字にするのは本末転倒と言えるでしょう。特に初心者は節税効果を狙うには、税金などの知識も必要になりハードルが高くなります。本来の目的である不動産投資の成功を狙って、投資していくことが大切です。
まとめ
不動産投資のよくある失敗事例をご紹介しました。不動産投資に取り組むと失敗してしまう可能性もありますが、実際に失敗した方の話を聞いてみると気を付けるべき部分が見えてきます。
これから不動産投資を始めたいと考えている方は、本記事の内容をぜひ参考になさってください。
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