ドル積立がおすすめな理由とは?仕組みとメリット・デメリットを解説
2022年、アメリカがついに利上げに踏み切り、今後も利上げは継続される予定です。
一方で、日本は金融緩和政策を維持する方針を公表しており、日米金利差が拡大していくことで今後円安になっていくことが想定されています。
こうした状況において、資産運用先としておすすめなのがドル積立やドル建て商品です。
本記事では特にドル積立について、どのような仕組みなのか、またドル積立のメリット・デメリットなどをお伝えしていきます。
目次
Toggleドル積立とは
ドル積立とは、日本円を外貨に両替して積立てていく外貨積立の一種であり、対象がドルの積立のことを言います。
現在の日本では、定期預金でも金利がほとんどゼロに近い状況です。そのため、近年では円預金よりも金利の高いドルでの積立に注目が集まっています。
ドル積立の仕組み
基本的には、日本円の口座で引き落とし設定することで、毎日や毎月といった設定日ごとに設定した金額でドルに両替され積立がされる仕組みです。金融機関によって取り扱われる外貨の種類は異なりますが、ドル積立は多くの金融機関で取り扱われています。
基軸通貨であるドルで資産を貯蓄できる
基軸通貨とは、国際通貨の中でも中心的な地位を占め、国債為替市場で中心として扱われる通貨のことを言います。
米ドルは、基軸通貨として貿易や金融取引など世界各国で利用されている通貨です。そのため、通貨に対する信認や利便性が優れており、価値の乱高下が少なく安心感があるというメリットがあります。
将来的にもアメリカの成長がとまる可能性は低く、ドルの価値が大きく下がる可能性も低いと言えるでしょう。
ドル建て金融商品もおすすめ
ドル建ての金融商品としては、積立以外にも次のようなものがあります。
・ドル建てMMF
・ドル建て株式
・ドル建て投資信託
・ドル建て債券
・ドル建て保険
投資信託なら、積立設定すれば自動的にドル建てで信託商品を積み立てられるので、初心者でも比較的簡単に利用でき、おすすめです。
ドル積立のメリット
ドル積立のメリットとしては、次の3つがあります。
・円安になると資産が増える
・リスク分散できる
・強制的に貯蓄できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
円安になると資産が増える
ドル積立の大きなメリットが、為替変動による資産の増加が期待できる点です。預け入れのタイミング時よりも円安になることで、積立額が大きくなります。
仮に、1ドル=100円の時に1万ドル預け入れると、預入時の日本円換算は100万円です。
これを、1ドル=120円になったタイミングで円に戻すことで、120万円となり20万円の利益をえられます。
リスク分散できる
ドル積立では、時間分散ができるため大きな損失を防げるというメリットがあります。
時間分散とは、一定金額で長期的に購入することで、安い時に多く買い、高い時に少なく買うことができ、長期的な購入価格を抑える「ドルコスト平均法」のことです。
積立なら、一括でドルを購入するわけではないので時間軸でのリスク分散になります。
強制的に貯蓄できる
積立は、一度設定すると解約するまで設定日に設定金額が強制的に積み立てられます。入金などの手間が必要なく、意識しなくてもいつの間にかお金が貯まっていたということもあるでしょう。
お金を貯めるのが苦手な人でも、給与天引き設定にすれば自動的にお金を貯められるため、おすすめです。
ドル積立のデメリット
ドル積立にもデメリットがあるので、正しく把握しておく必要があります。デメリットとしては、次の3つがあります。
・円高になると資産が減る
・アメリカの政治的混乱や経済ショックに影響を受けやすい
・すぐに大きく利益を上げることは難しい
1つずつ詳しく説明します。
円高になると資産が減る
円安になると資産が増加するとお伝えしましたが、反対に円高になると資産が減少する点には注意が必要です。タイミングによっては元本割れしてしまう可能性があります。
また、金融機関によっては為替手数料が高額になり、手数料によっては利益が出ないこともあるので注意しましょう。
アメリカの政治的混乱や経済ショックに影響を受けやすい
ドルはアメリカの情勢に大きく左右されるものです。政治的な混乱や経済ショックがあると、価値が大きく下がってしまう可能性もあるので、アメリカの動向には注意しなければなりません。
ドル積立だけに投資しているとリスクも高くなるので、他の通貨や投資方法と組み合わせてリスク分散を意識するのもよいでしょう。
すぐに大きく利益を上げることは難しい
ドル積立は、日本円よりも金利が高いといっても、すぐに大きな利益を上げられるものではありません。しかし、長期的に運用することで複利効果を得て、大きく収益を上げることは可能です。
資産運用では、短期的にリターンを得ようとするとその分リスクも高くなる可能性があります。また、利益の増減に一喜一憂していると感情的になって投資判断を誤ってしまう恐れもあります。
特に初心者は、リスクを抑えて長期的にコツコツと資産運用することがおすすめです。
まとめ
ドル積立についてお伝えしました。
日本円預金の金利がゼロに近いため、金利の高いドル積立の人気が高まっています。ドル積立なら為替差益を狙うことができ、長期的な資産運用の方法としてもおすすめです。
ただし、円高時に損失が出る可能性があり、為替手数料もかかる点には注意しなければなりません。
資産運用の一つとしてドル積立を組み入れて、リターンを狙いつつリスクを分散するとよいでしょう。
資産運用を検討している方は、この記事を参考になさってください。
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参考:ドル建て終身保険とは?やめておくべき?メリット・デメリット徹底解説|スマートマネーライフ」
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