不動産投資のレバレッジ効果とは?リスクや失敗例と回避するためのコツをお教えします!
不動産投資では、レバレッジ効果を用いて投資をする人が増えています。しかし、聞いたことはあるけれど、
レバレッジ効果の意味や、リスクについて知らないという人も多いのではないでしょうか。
ここでは、不動産投資におけるレバレッジ効果とレバレッジ効果を用いた具体例や、失敗してしまった事例を元に、回避策について考えてみたいと思います。
目次
Toggle【目次】
■不動産投資のレバレッジ効果とは
■不動産投資でレバレッジが効かせられる理由
■レバレッジ効果の具体例
・レバレッジを効かせない場合
・レバレッジを効かせた場合
■不動産投資のレバレッジは危険?
【「逆レバレッジ」とは】
【レバレッジによる不動産投資のリスク】
・金利上昇リスク
・災害リスク
・空室リスク
■レバレッジによる不動産投資の5つの失敗例と回避方法
【失敗例1:相場よりも高い物件を購入してしまう】
・どうすれば回避できたのか
【失敗例2:利回りだけを見て物件を選んだ】
・どうすれば回避できたのか
【失敗例3:年間の家賃収入に重きを置いた】
・どうすれば回避できたのか
【失敗例4:新築のワンルームマンションを購入】
・どうすれば回避できたのか
【失敗例5:中古アパートで修繕費用が圧迫】
・どうすれば回避できたのか
■まとめ
不動産投資のレバレッジ効果とは
レバレッジ(Leverage)とは、他者の資金を利用して自分の資金の利益率をあげることを言い、小さな力で大きなものを動かす、てこの原理をイメージすると分かりやすいでしょう。少ない自己資金でも、他者の資金である家賃収入を利用し利益率を高めることが可能なため、レバレッジを効かせて不動産投資を行う人が増えています。
不動産投資でレバレッジが効かせられる理由
不動産投資では、銀行から融資を受けて物件を購入するケースが多く、返済には毎月の家賃収入があてられます。
不動産投資では、自己資金が少なくても、家を借りる時よりも多く融資を受けることができるので、レバレッジを効かせることで大きな収益を得ることができます。では、具体的にレバレッジの効果はどのようなものがあるのでしょうか。
レバレッジ効果の具体例
レバレッジ効果、つまり、てこの原理を効かせる場合と、効かせない場合では大きな違いがあります。
・レバレッジを効かせない場合
レバレッジを効かせない不動産投資を行う場合、借り入れできる融資額も低くなってしまうため、購入できる物件価格が低いものを選ぶことになります。物件価格が低いということは、家賃収入も少なくなるため、長期的に運用していく必要があります。
・レバレッジを効かせた場合
レバレッジを効かせて不動産投資を行う場合、融資額を高く設定できるため、想定よりも高い物件を購入することができ、その分家賃収入も高くなるというメリットがあります。ここでレバレッジを効かせない場合と、効かせた場合の自己資金と物件価格、そして家賃収入の具体例をご紹介したいと思います。
下記の表をご覧ください
レバレッジなし | レバレッジ効果 | |
自己資金 | 500万円 | 500万円 |
物件価格 | 1000万円 | 3000万円 |
利回り | 10% | 10% |
年間の収入 | 100万円※① | 300万円※② |
※①1000万円×利回り10%=100万円
※②3000万円×利回り10%=300万円
どちらも別途金利を差し引くので年間の収入より少なくなりますが、レバレッジ効果を用いた方が利益を最大化することができるのです。
不動産投資のレバレッジは危険?
では、不動産投資をする場合、どの物件でもレバレッジ効果を効かせた方がいいのかというとそうではありません。
・「逆レバレッジ」とは
レバレッジ効果が期待できるのは、金利よりも物件の利回りが高い時に有効です。
つまり、下記のような条件の時にレバレッジ効果が期待できます。
金利<物件利回り
公式があるということは、物件の利回りよりも金利の方が高い場合は、
レバレッジ効果が逆に働いてしまう逆レバレッジとなり、リスクを伴うため注意が必要です。
金利<物件利回り=レバレッジ効果あり
金利>物件利回り=逆レバレッジ
上記の公式を頭に入れた上で、計画を立てる必要があります。
【レバレッジによる不動産投資のリスク】
レバレッジ効果を効かせた場合、収益を最大化することが期待できますが、メリットがある反面リスクも伴います。レバレッジによる不動産投資のリスクにはどんなものがあるのでしょうか。
・金利上昇リスク
レバレッジ効果が期待できるのは、金利よりも物件の利回りが高い条件の時です。しかし、金利が上昇してしまうと、この条件は一変してしまうため、返済する金額が増え当初のシミュレーション通りにはいかなくなってしまいます。金利の上昇によるリスクを避けるためには、繰り上げ返済や借り換えなどを検討すると、リスクを抑えることができます。
・災害リスク
いつ起こるのか分からない災害リスクも、レバレッジを効かせた時に影響します。それは、物件の価格に比例して、修繕の費用も高くなる傾向があるため、支出が増えてしまうためです。災害リスクを避けるためには、損害保険への加入や、事前に災害が起きにくいエリアを選定するなどの対策が必要です。
・空室リスク
レバレッジ効果は、所有している物件が満室の状態でシミュレーションしているので、空室が出てしまうと計画が崩れてしまいます。また、空室の期間が長くなればなるほど、自己資金から持ち出して返済にあてることになるため、退去が決まったら広告を出すなど、空室を出さない対策をしなければいけません。
レバレッジによる不動産投資の5つの失敗例と回避方法
レバレッジを効かせると、てこの原理で利益を最大化できますが、見誤ってしまうと投資の失敗につながります。ここからは、レバレッジによる不動産投資の失敗例と、どうすれば回避できるのかという対策について考えてみたいと思います。
【失敗例1:相場よりも高い物件を購入してしまう】
不動産投資初心者のKさんは、将来性が期待できるエリアのワンルームマンションを購入しました。他の物件よりも少し高めだということは認識していましたが、空室が続くようになり家賃相場を調べてみると、相場よりも高い値段で購入していたことが分かったのです。相場よりも高い値段で購入してしまったため、売却もできず自己資金から返済しているため貯金が底をついてしまっています。
・どうすれば回避できたのか
少ない自己資金でもレバレッジを効かせて高い物件を購入することができますが、高い物件=良い物件とは限りません。周辺の相場確認などの事前確認は入念に行い、不動産投資会社に相談しながら、プロの目線でアドバイスしてもらうようにしましょう。
【失敗例2:利回りだけを見て物件を選んだ】
レバレッジ効果を期待するあまり、利回りの高さだけを見て物件を選んだのは、あと数年で退職予定のFさんです。
金利上昇の影響を受け、想定していた年間の家賃収入が崩れてしまったのです。定年後はゆっくり暮らしながら年金と家賃収入で暮らす予定が、想定外のことが起きて動揺してしまっています。
・どうすれば回避できたのか
物件の利回りも大事ですが、金利が上昇してしまうと一気に計画が崩れてしまいます。
利回りだけを見て物件を選ぶのは危険なので、ひとつの指標として見るようにしましょう。そして、レバレッジを効かせるかどうかの判断も重要なポイントになります。不動産投資会社に相談しながら、自己資金と出口戦略を考えた上で、ベストな方法を模索しながら進めていくことが重要です。
【失敗例3:年間の家賃収入に重きを置いた】
不動産投資で成功している先輩を見て、不動産投資をはじめたWさんは、年間の家賃収入に重きを置いて物件を選びました。選んだのは、家賃が高く若い人に人気があるデザイナーズマンションです。5年程は空室にならず入居者が続いていましたが、少しずつ人気が下がり空室が目立つようになります。デザイナーズマンションは不動の人気という言葉を鵜呑みにしてしまったため、空室を埋めるため広告費がかかり、想定よりも収入が減ってしまいました。
・どうすれば回避できたのか
デザイナーズマンションは人気が高い傾向がありますが、入居者が求めるニーズも変わってきます。近隣相場を確認して家賃を見直すなどの措置も必要ですが、レバレッジを効かせて収益を最大化させることだけに重きを置くのは危険です。高望みせず、安定的に入居者のニーズがあるエリアを選ぶなど、物件選びを慎重に行うようにしましょう。
【失敗例4:新築のワンルームマンションを購入】
不動産投資をするなら、ニーズがあるワンルームマンションと決めていたAさんは、物件選びを慎重に行った上で、新築にこだわりワンルームマンションを選びました。しかし、最初の入居者が退去してから次の入居者が決まるまで半年も空いてしまったのです。当然年間の家賃収入は激減し、レバレッジを利かせて選んだのに想定した収益が得られずこのまま続けていくべきか悩んでいます。
・どうすれば回避できたのか
新築のワンルームマンションは、人気がありますが、必ず次の入居者が決まるとは限りません。次の入居者の募集の際は中古物件になってしまう事も退去日が決まった時点で次の入居者が見つかるように広告を出すなどの広報活動も必要です。レバレッジ効果の有無に限らず、経営という視点を持ち続けていく意識を持つようにしましょう。
【失敗例5:中古アパートで修繕費用が圧迫】
自宅の近くに物件を持ち、定期的に出向いて状況を確認したいと考えていたSさんは、中古のアパートを一棟買いしました。何かあればすぐに駆け付けるので安心ですが、大型の台風が直撃し、築年数が30年を超えるアパートだったので、大きな打撃を受けてしまいます。修繕が必要な戸数は多く、その分費用は高額になってしまったため、想定外の出費に残りの金額の返済はどうなるのか不安な日々を送っています。
また、各住戸の設備の劣化が激しく、毎年のように修繕費用がかかり当初の予定とは全く違うものとなってしまいました。
・どうすれば回避できたのか
中古の物件は、メンテナンスの費用がかかることや、アパートの一棟投資は災害が起きた時に支出が多くなってしまいます。これらを回避するためには、保険に加入することと、アパートの規模の選定が必要です。自己資金とレバレッジ効果を踏まえた上で、どのくらいの物件がベストなのかは判断しにくいので、相談できる不動産投資会社を見つけて、適宜相談しながら物件を選ぶようにしましょう。
まとめ
不動産投資でレバレッジを効かせるとその分収益を最大化することができますが、空室への対応や、物件を管理するという点も忘れてはいけないポイントです。
不動産投資をする上で明確な目的や達成したい目標があるなら、相談できる不動産管理会社を見つけて、希望を伝えながらアドバイスしてもらいあなたに合った物件を選ぶお手伝いをしてもらいましょう。
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