人口減少は不動産投資に影響ある？今後の投資戦略について解説

日本全国で進む「人口減少」は、不動産市場にも確実に影響を及ぼしています。入居者ニーズの変化、空室リスクの増大、地域格差の拡大など、不動産投資家が直面する課題は少なくありません。
この記事では、人口減少が不動産投資に与える影響と、その中で勝ち残るための考え方・戦略を解説します。

人口減少が不動産投資市場に与える影響とは

日本の人口減少は、少子高齢化と相まって不動産投資市場に深刻な影響を及ぼしています。

特に、入居者のニーズが変化し、空室リスクが増大することで、投資家は新たな戦略を模索する必要があります。地域によっては人口が減少する一方で、特定のエリアでは逆に人口が増加するケースも見られ、地域格差が拡大しています。

このような状況下で、投資家は市場の動向を注視し、柔軟な対応が求められています。

人口減少と少子高齢化が加速している

日本の人口は、少子高齢化の影響を受けて減少の一途をたどっています。特に、出生率の低下と高齢者の増加が相まって、社会全体の人口構造が大きく変化しています。

2020年の国勢調査によれば、15歳未満の子どもが減少し、65歳以上の高齢者が増加するという傾向が顕著に見られます。このような人口動態の変化は、単に数の問題にとどまらず、経済や社会のさまざまな側面に影響を及ぼしています。

不動産市場においても、人口減少は深刻な影響を与えています。特に、若年層の減少は賃貸需要の低下を招き、空室率の上昇を引き起こす要因となっています。また、高齢者が増えることで、バリアフリーや医療・介護施設の需要が高まる一方で、従来の賃貸物件のニーズが変化することも考えられます。

このように、人口減少と少子高齢化は不動産投資において無視できない重要な要素となっているのです。投資家は、これらの変化をしっかりと把握し、柔軟な戦略を立てる必要があります。

人口の増減には地域差がある

日本の人口減少は全国的な現象ですが、その影響は地域によって大きく異なります。

都市部では、依然として人口が増加している地域も存在し、特に東京や大阪などの大都市圏では、経済活動の活発さや利便性から人々が集まる傾向があります。

一方で、地方都市や過疎地域では、人口流出が続き、深刻な少子高齢化が進行しています。このような地域差は、不動産市場にも顕著に現れています。

例えば、都市部では新たな住宅需要が見込まれる一方で、地方では空室率が高まり、賃貸物件の競争が激化しています。これにより、投資家は地域ごとの特性を理解し、適切な投資戦略を立てる必要があります。地域差を考慮せずに一律の戦略を採用すると、思わぬリスクを抱えることになるかもしれません。

また、地域によっては、人口減少に伴い、インフラやサービスの縮小が進むこともあります。これにより、住環境が悪化し、さらなる人口流出を招く悪循環が生じることもあります。

したがって、不動産投資を行う際には、地域の人口動態や経済状況をしっかりと分析し、将来的な需要を見極めることが重要です。
参考：総務省｜令和2年版 情報通信白書｜社会課題とICT導入事例
参考：令和６年度 住宅経済関連データ – 国土交通省

今後の不動産投資で需要な要素とは

人口減少が進む中で、不動産投資においては新たな需要要素が浮上しています。

（１）高齢者の増加

日本の人口減少に伴い、高齢者の割合が急速に増加しています。2020年の国勢調査によると、65歳以上の高齢者は全人口の約28%を占めており、今後もこの傾向は続くと予測されています。この高齢化社会は、不動産市場においても大きな影響を及ぼす要因となります。

まず、高齢者向けの住居ニーズが高まることが挙げられます。バリアフリー設計や、医療機関へのアクセスが良好な立地が求められるため、投資家はこれらの条件を満たす物件に注目する必要があります。

また、高齢者向けのサービス付き高齢者住宅やシニア向けの賃貸物件の需要も増加しており、これらの市場に特化した投資戦略が重要となるでしょう。

さらに、高齢者の増加は地域によっても異なるため、地域ごとの特性を理解することが不可欠です。都市部では高齢者向けの施設やサービスが充実している一方、地方ではその供給が不足している場合もあります。

（２）働き方の多様化

近年、働き方の多様化が進んでおり、これが不動産投資市場にも大きな影響を与えています。リモートワークやフレックスタイム制度の普及により、従来のオフィス需要が変化し、都市部から郊外への移住が増加しています。この傾向は、特に若い世代や子育て世代に顕著であり、彼らは通勤時間を短縮するために、より広い住環境を求めるようになっています。

また、働き方の多様化は、賃貸物件のニーズにも影響を及ぼしています。例えば、シェアハウスや短期賃貸の需要が高まっており、投資家はこれらの新しい市場に目を向ける必要があります。さらに、テレワークを行う人々が増えることで、住居の選択基準が変わり、快適な作業環境を提供できる物件が求められるようになっています。

このように、働き方の変化に対応した柔軟な投資戦略が、今後の不動産投資において重要な要素となるでしょう。

（３）外国人労働者の増加

近年、日本では外国人労働者の受け入れが進んでおり、これは不動産市場にも大きな影響を与えています。特に、労働力不足が深刻化する中で、外国人労働者はさまざまな業種で重要な役割を果たしています。彼らの増加は、特定の地域における住宅需要を押し上げる要因となり得ます。

外国人労働者が多く集まる地域では、賃貸物件の需要が高まり、空室リスクが低下する傾向があります。また、彼らの生活スタイルや文化に合わせた物件の提供が求められるため、投資家にとっては新たなビジネスチャンスが生まれることになります。これにより、地域の不動産市場が活性化し、投資の魅力が増すことが期待されます。

したがって、今後の不動産投資においては、外国人労働者の動向を注視し、彼らのニーズに応える物件の開発や管理が重要な戦略となるでしょう。

まとめ

人口減少は避けられない時代の潮流ですが、正しく対策すれば不動産投資が成り立たなくなるわけではありません。重要なのは「立地選定」と「物件の競争力」。人口が減っても選ばれる物件を育てていく視点が必要です。数字と現場の両面から、今後の変化に備えていきましょう。

クレドでは不動産投資における市場や物件の選び方から運用、管理サポートを、オーナー様に合ったプラン内容で提供します。お気軽にご相談ください。

お役立ち資料

資産運用に関する資料を無料でダウンロードいただけます。