ワンルームのマンション投資は失敗する?成功させるために必要なポイント
「不動産投資初心者は低リスクのワンルームマンション投資から」と言われる一方で、「ワンルームのマンション投資は失敗する」「儲からない」という意見を投資家のブログやコラムで目にする機会は多いです。
ワンルームマンション投資は本当に失敗する人が多いのでしょうか?それとも初心者向けの手堅い投資なのでしょうか?
今回の記事では「ワンルームマンション投資は失敗する」と言われる理由、成功するために必要なポイントを具体的なデータと共にご紹介します。
目次
Toggle「ワンルームのマンション投資は失敗する」は本当?
不動産投資家のコラムやブログでは「ワンルームのマンション投資は失敗する」という声がありますが、果たして本当なのでしょうか?
ワンルームのマンション投資が上手くいかない理由としては、「利回りが低い」「空室になると家賃収入がゼロで高リスク」等が挙げられています。
順番に検証していきましょう。
利回りが低い
一般的にアパート・マンション一棟投資に比べ、ワンルームマンションは利回りが低い傾向にあります。物件価格の高い都心の新築マンションの場合は3%未満の物件もあり、入居者募集の広告費や固定資産税、管理委託費等の経費を支払うと手元に残るお金がかなり少なくなってしまう事例もあります。
そのため不動産投資家のブログやセミナーでは「ワンルームマンションは儲からない」と言われますが、新築で利便性の高い物件は資産価値が高いため利回りが低くなっています。
利回りは、表面利回りと実質利回りでそれぞれ以下の式で計算できます。
表面利回り=年間の家賃収入÷物件価格
実質利回り=(年間の家賃収入-運営に関わる経費)÷物件価格
新築マンションは利回り計算の分母の部分となる物件価格が高いため利回りが低くなり、初年度に登記費用、入居者募集のための広告費、不動産取得税等何かと費用がかさむため赤字になりやすくなっています。
ただし投資のリスクとリターンは表裏一体で、リターン(得られる利益)の高い投資はリスク(不確実性)も高いです。
マンション一棟投資は、都心の場合物件価格が8000万円以上の不動産が多いため、ローンが返済できなくなるリスク・災害による被害額の増加リスクが高くなり、総返済額が増える事により金利分の支払額が増えるというマイナスの側面があります。
高リスク・高リターンの一棟投資は投資初心者にはハードルが高いため、ワンルームマンション投資は不動産投資初心者に適していると言われているのです。
よってワンルームマンション投資の利回りの低さはリスクとリターンの関係性の問題であり、低リスクであるワンルーム投資はリターンも低く「儲からない」と言われる一因となっていますが、大きな損失を回避できる可能性が高くなります。
同じワンルームマンションでも中古マンションの場合、一棟・ワンルーム共に利回りが高めとなっており、新築より購入費用や諸経費が安くなっています。
家賃収入がゼロになる可能性がある
一棟投資の場合、入居者が複数名となりますので家賃収入がゼロになる可能性は低くなっています。一方でワンルームマンションは入居者が1人ですので、退去してしまうと家賃収入がゼロになってしまいます。
収入がゼロでローンの支払いや経費を支払っていく経営は精神的にプレッシャーとなり、ワンルームマンション投資を辞めてしまう方もいらっしゃいます。
一棟投資でも入居率が下がればローンの支払い、経費がかさみ赤字になってしまう事がありますが、「収入がゼロ」という状態は収支で目立ちやすいため、プレッシャーが重くなりがちです。
「家賃収入がゼロになる可能性があるから一棟投資より高リスク」というより、「ワンルーム投資は入居率か0か100かであるので、損失が目立って見える」と言い換える事が出来るでしょう。
なお家賃保証プランが付いた不動産会社と契約することで、収入ゼロの状態は回避する事が可能です。
参入の障壁が低く、流動性が高い
ワンルームマンションは不動産投資初心者に適した手法で、一棟投資より初期費用が安く低リスクの為、参入する投資家の割合が他の不動産投資より多くなっています。
参加者の母数が多くなると失敗する方の数も多くなりますので、ブログや口コミで「ワンルームマンションは失敗する人が多い」と訴える方の割合も多くなります。
ワンルームマンションを行っている方の中には、利益を上げている方や成功して事業を拡大している方もいらっしゃいますが、人間の持つ「損失回避バイアス」という心の癖が原因でネガティブな情報が目に入りやすくなっています。
損失回避バイアスとは、得られる利益より損失の方を重く感じてしまうことで、例えば、1万円がもらえる確率と1万円支払わなければならないか確率がそれぞれ50%のくじがあった時に、多くの人は1万円を失う恐怖が勝るためくじを拒否します。
その為、例えば「ワンルームマンションの成功例の記事5本」と「ワンルームマンションの失敗例の記事5本」を見た時、多くの人はワンルームマンション投資を辞めてしまいます。
またワンルームマンションは流動性が高く、戸建てや一棟よりも売却しやすくなります。
参入に加え手放す事が容易であるため、辞める人が多くなる傾向があると考えられます。
ワンルームのマンション投資を成功させるためのポイントは「中古」「都心」
ワンルームマンション投資は初心者に合った不動産投資方法ですが、上記のような「利回りが低い」「家賃収入がゼロになる」言われるリスクを軽減させるためのポイントがあります。
「中古」で「都心」という条件です。
中古のマンションは新築マンションより購入費用が安く、利回りが高い傾向にあります。
また購入価格が低い事で、ローンに関わる諸経費、総支払額も少なくなります。東日本不動産流通機構(レインズ)が発表した2020年7~9月の首都圏 中古マンションの成約・新規登録件数、成約・新規登録㎡単価の推移は以下の通りになっています。
2020年4~6月には新型コロナ感染拡大の影響で大幅減となりましたが、すぐに以前の水準に戻ってきています。
特に成約件数は 7~9 月期としては過去最高の件数となりました。
成約㎡単価はコロナの影響が大きく見られた4~6月で前年同期比-0.4%となりましたが、7~9月には55.63万円で前年同期比+3.6%とプラスに転じ、価格を伸ばしています。
需要が高く、価格が伸びてきている都心の中古マンションは今から不動産投資を始めたい方に適していると言えるでしょう。
もう1つのポイントである「都心」ですが、都心のマンションは需要が高く特にワンルームは単身者世帯の増加で入居者が退去してもすぐ次の入居者が決まるケースが多いです。
都心の物件は価格が高い傾向にありますが、中古であれば費用が抑えられて新築より高い利回りで運用できます。
中古の都心ワンルームマンションは不動産投資で有利な条件であると言えるでしょう。
特に自己資金を調達しづらい初心者には適した投資手法となっており、時間と社会的信用を活用してサラリーマンで副収入を得たい方や「とりあえず不動産投資を始めてみたい」という方にはおすすめです。
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