不動産投資と地震について初心者が知っておくべき対策と注意点を解説
不動産投資は安定した収入を得られる魅力的な投資方法である一方、日本という地震大国では常に地震リスクと向き合う必要があります。不動産投資初心者にとって、この地震リスクは特に不安要素となりがちでしょう。そこで、今回の記事では地震が不動産投資に与える影響と、取るべきリスク対策について詳しく解説していきます。
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不動産投資における主なリスクについては、「不動産投資の9つのリスクとそれぞれの対処法を徹底解説!」の記事を参考にしてください。
目次
Toggle大地震での建物被害の実態
日本は地震国であり、とくに大地震が発生した際には建物に甚大な被害が及ぶリスクがあります。ここでは、過去の大地震を例に挙げて、建物被害の実態を見ていきましょう。
大地震の揺れによる建物倒壊の頻度
ここでは、記憶に新しく、また被害が大きかった【東日本大震災】と【熊本地震】の大地震を振り返ってみましょう。
・棟数は85,798棟、管理戸数は 4,295,636戸
・大破は0棟、中破は61棟(0.071%)、小破は1,070棟(1.247%)
2011年に発生した東日本大震災は、マグニチュード9.0という巨大地震であり、東北地方を中心に多くの建物が倒壊しました。この地震では、津波の影響も相まって、沿岸部の建物が壊滅的な被害を受けました。倒壊した建物の中には、旧耐震基準で建てられたものが多く、これらの建物は揺れに対する耐性が低かったため、被害が拡大しました。
・棟数は7,610棟
・大破は1棟(0.02%)、中破は5棟(0.08%)、小破は151棟(2.53%)
※大破した1棟は昭和47年~5 6年に建てられたもので昭和56年に施行された新耐震基準以前のもの。 2016年の熊本地震もまた、建物被害が大きかった地震の1つです。この地震では、震源地に近い地域での揺れが強く、とくに古い木造住宅や旧耐震基準の建物が多く倒壊しました。熊本地震の特徴として、余震が続いたこともあり、初期の揺れで被害を受けた建物がさらに崩壊するケースも見られました。
地震による被害には、津波、建物倒壊、火災の発生、土砂崩れ、液状化現象などがあります。大地震後は、その震源近くで地震活動が活発になることが多く、大地震の揺れで建物が倒壊するケースはそう多くないといわれています。
新耐震基準と旧耐震基準の建物の被害差
日本では、地震に対する建物の耐震性を向上させるために、1981年に新耐震基準が導入されました。旧耐震基準で建てられた建物と比べて、震度6~7の地震でも倒壊しない造りになっていて、地震に対する耐性が大幅に向上しています。 新耐震基準を満たす建物は、揺れに対してより強固に設計されているため、倒壊のリスクが低く、被害を最小限に抑えることが可能です。 たとえば、マンションは鉄筋コンクリートで造られているため、そもそもの強度が頑丈ですが、新耐震基準の物件を選ぶことで、より地震の揺れによる被害を抑えられるでしょう。
倒壊以外の一般的な建物被害
地震による被害は、建物の倒壊だけにとどまりません。実際には、倒壊しないままでも、さまざまな形で建物に損傷が生じることがあります。 被害例には、揺れによって建物の壁や天井にひび割れが発生したり、窓ガラスが割れたりします。外壁タイルが剥がれて落下するケースもあり、周辺の道が液状化や火災による被害を受けることもあるでしょう。
地震発生時のオーナーの責任
地震による被害が発生した場合、オーナーはどのような責任を負うのかを理解しておくことが必要です。ここでは、地震発生時にどういった責任があるのか解説します。
建物の瑕疵がある場合の責任
地震が発生した際、建物に瑕疵がある場合、オーナーはその瑕疵によって生じた損害に対して法的な責任を負うことになります。具体的には、耐震性が不十分な建物や、施工不良による構造的な問題がある場合、地震によって建物が倒壊したり、損傷を受けたりした際に、オーナーはその責任を問われることがあります。そういったリスクを軽減するためには、物件の耐震性を確認し、必要に応じて改修工事を行うことが重要です。
建物の老朽化を放置していた場合の責任
建物の老朽化を放置していると、地震発生時にその影響が顕著に現れることがあります。 老朽化した建物は耐震性が低下し、地震による損害が大きくなる可能性があります。この場合、オーナーは建物の維持管理を怠ったとして、法的責任を問われることがあります。 定期的な点検やメンテナンスをおこなうことで、老朽化のリスクを軽減し、安心して不動産投資を行うことが可能になります。
賠償責任が生じる具体的事例
地震による賠償責任は、さまざまな状況下で発生する可能性があります。たとえば、地震の揺れによって建物が倒壊し、入居者や通行人を死傷させた場合、オーナーはその損害を賠償する責任を負うことになります。また第三者の所有物に損害を与えてしまった場合も、オーナーは賠償責任を問われることがあります。日頃から適切な防火対策や避難経路の確保することで、リスクを軽減できます。適切な対策をとりましょう。
大地震に備えたオーナーの対策
不動産投資を行う上で、地震リスクに対する対策は欠かせません。特に日本は地震が多発する地域であるため、オーナーとしては事前にしっかりとした対策を講じることが重要です。ここでは、具体的な対策をいくつか紹介します。
適切な保険への加入
不動産投資を行う際、地震リスクに備えるためには適切な保険への加入が不可欠です。地震保険、火災保険、施設賠償責任保険は加入しておくべきでしょう。 地震保険は、地震によって発生した建物の損害を補償するための保険です。地震保険に加入することで、被害の額に応じて補償を受けることができます。また、保険料率は火災保険の保険金額の30~50%の範囲内で、保険金の限度額は建物で~5000万円まで、家財は~1000万円まで適応しています。 火災保険だけでは地震による被害は補償されないため、地震保険は必ず火災保険とセットで加入する必要があります。
新耐震基準を満たした物件選び
新耐震基準は、1995年の阪神淡路大震災を受けて改正され、より厳格な耐震性能が求められるようになりました。この基準を満たす建物は、地震による揺れに対してより強固に設計されており、倒壊のリスクが低くなります。 1981年以降に建てられた新耐震基準の物件を選びましょう。新耐震基準の物件であれば、震度6~7の地震でも倒壊しにくいです。 また、投資物件を選ぶ際には、耐震等級が2以上の物件を選ぶことをおすすめします。これにより、地震発生時の安全性を高めることができ、長期的な投資の安定性にも寄与します。
投資エリアの分散によるリスク軽減
複数のエリアで投資を行うことで地域分散を図りましょう。というのも、物件を保有するエリアを分散することでリスクを最小限に抑えられるからです。 あとは、地盤が軟弱な場所や埋め立て地は、地震の揺れや液状化の影響を受けやすいので注意が必要です。
地震リスクを考慮した物件選び
不動産投資において、地震リスクを考慮した物件選びは非常に重要です。以下が地震リスクを考慮した物件選びのポイントになります。
・耐震性能の高い建物の特徴を理解する→新耐震基準(1981年以降)で建てられた物件、マンションなど鉄筋コンクリート造の建物
・地盤のよい場所の見分け方を知る→軟弱な地盤や埋め立て地は避ける
・投資戦略に地震リスクを組み込む
・ポートフォリオの分散化→複数エリアで物件投資を行い、地域分散を図る
・長期的な視点での投資計画をおこなう
まとめ
不動産投資において地震リスクを理解し、適切な対策を講じることは、投資の成功に欠かせない要素です。地震による建物被害の実態やオーナーの責任、そして大地震に備えた具体的な対策を知ることで、リスクを軽減し、安定した収益を得るための基盤を築くことができます。 クレドでは、不動産投資に関するリスクについて専任のプロが解説するセミナーを開催しております。無料のオンラインセミナーなので、少しでも気になる方はぜひ、下記より詳細をご覧ください。
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