不動産投資の繰り上げ返済をすべきタイミングとは?メリットやデメリットを解説します
不動産投資を行っている人の中には、繰り上げ返済をして早く借入金を返済し終えたいと考える人も多いのではないでしょうか。ただし、繰り上げ返済をすべきか否かは、状況に応じて異なります。本記事では、不動産投資における繰り上げ返済のメリット・デメリットをはじめ、注意点について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
クレドでは、不動産投資に関するメリットやリスクについて専任のプロが解説するセミナーを開催しております。無料のオンラインセミナーなので、少しでも気になる方はぜひ、お気軽に下記バナーよりお申込みください。
目次
Toggle繰り上げ返済をすべきか見極めるポイント
不動産投資において繰り上げ返済を行うかどうかは、慎重に判断する必要があります。以下のポイントを参考に、自身の状況を見極めてみましょう。
余裕資金が十分にある
まず、繰り上げ返済を検討する際には、余裕資金が十分にあるかどうかを確認しましょう。繰り上げ返済を行うことで、将来的な利息の支払いを減らすことができますが、手元の資金が不足すると、急な出費に対応できなくなるリスクがあります。生活費や緊急時の資金を確保した上で、余裕がある場合に繰り上げ返済を検討するのが賢明です。
追加で物件を取得する予定がある
不動産投資を続ける中で、追加で物件を取得する予定がある場合は、繰り上げ返済を慎重に検討する必要があります。新たな物件を購入する際には、手元に十分な資金が必要となります。繰り上げ返済を行うことで、手元の資金が減少し、次の投資機会を逃す可能性があります。したがって、追加投資の計画がある場合は、繰り上げ返済を行うタイミングを慎重に見極めることが重要です。
不動産投資における繰り上げ返済の方法
不動産投資において繰り上げ返済を行う際には、おもに「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つの方法があります。それぞれの方法には異なる特徴とメリットがありますので、自身の投資計画や経済状況に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。
期間短縮型
期間短縮型の繰り上げ返済は、返済期間を短縮することを目的としています。この方法では、繰り上げ返済によって元本を減らすことで、返済期間を短くすることができます。結果として、総支払利息額を大幅に削減することが可能となります。とくに、長期間にわたるローンを組んでいる場合には、利息の削減効果が大きくなるため、早期に借入金を完済したいと考えるオーナーに適しているでしょう。
返済額軽減型
返済額軽減型の繰り上げ返済は、毎月の返済額を軽減することを目的としています。この方法では、繰り上げ返済によって元本を減らすことで、毎月の返済額を減少させることができます。結果として、月々のキャッシュフローが改善され、他の投資や生活費に充てる余裕が生まれます。収入が不安定な場合や、他の投資機会を狙っている場合には、この方法が有効でしょう。ただし、返済期間自体は変わらないため、総支払利息額はあまり減少しない点に注意が必要です。
不動産投資で繰り上げ返済する場合のシミュレーション
不動産投資における繰り上げ返済を検討する際には、具体的なシミュレーションを行うことが重要です。シミュレーションを通じて、繰り上げ返済がどのような影響を与えるかを事前に把握することで、より適切な判断が可能となります。 たとえば、1,000万円の借入金を金利2%で30年間返済する場合を考えてみましょう。この場合、毎月の返済額は約37,000円となり、総支払利息額は約340万円です。ここで、100万円を繰り上げ返済した場合、期間短縮型と返済額軽減型のどちらを選ぶかによって結果が異なります。
期間短縮型の繰り上げ返済の場合
期間短縮型を選択すると、返済期間が短縮されます。100万円を繰り上げ返済することで、返済期間が約3年短縮され、総支払利息額も約30万円減少します。これにより、早期に借入金を完済し、将来的なキャッシュフローを改善することができます。
返済額軽減型の繰り上げ返済の場合
返済額軽減型を選択すると、毎月の返済額が軽減されます。100万円を繰り上げ返済することで、毎月の返済額が約34,000円に減少し、月々のキャッシュフローが約3,000円改善されます。ただし、返済期間は変わらないため、総支払利息額の減少は限定的です。
不動産投資で繰り上げ返済を行うメリット
不動産投資において繰り上げ返済を行うことには、いくつかのメリットがあります。以下に、おもなメリットを詳しく解説します。
メリット1. 返済期間を短くできる
繰り上げ返済を行うことで、借入金の返済期間を短縮することができます。例えば、期間短縮型の繰り上げ返済を選択した場合、元本が減少するため、返済期間が短くなります。これにより、早期に借入金を完済し、将来的なキャッシュフローを改善することが可能です。早期完済は、精神的な安心感を得ることにもつながります。
メリット2. 毎月の返済額の負担を減らせる
繰り上げ返済を行うことで、毎月の返済額を減らすことができます。特に返済額軽減型の繰り上げ返済を選択した場合、元本が減少するため、毎月の返済額が軽減されます。これにより、月々のキャッシュフローが改善され、他の投資や生活費に充てる余裕が生まれます。返済額の負担が軽くなることで、経済的なストレスも軽減されるでしょう。
メリット3. 支払う利息額を減らせる
繰り上げ返済を行うことで、支払う利息額を大幅に減らすことができます。特に期間短縮型の繰り上げ返済を選択した場合、返済期間が短くなるため、総支払利息額が減少します。これは、借入期間が短くなることで、利息が発生する期間も短くなるためです。結果として、長期的に見て大きな節約効果を得ることができるでしょう。利息の負担が軽減されることで、投資の収益性も向上します。
不動産投資で繰り上げ返済を行うデメリット
不動産投資における繰り上げ返済には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、繰り上げ返済を行う際に考慮すべきおもなデメリットについて解説します。
デメリット1. 急な支出に対応できなくなる恐れがある
繰り上げ返済を行うことで、手元の資金が減少します。その結果、予期せぬ修繕費や空室リスクなど、急な支出に対応できなくなる恐れがあります。不動産投資では、予期せぬ出費が発生することが少なくないため、十分な余裕資金を確保しておくことが重要です。
デメリット2. 手数料が生じる場合がある
繰り上げ返済を行う際には、金融機関によっては手数料が発生することがあります。この手数料は、返済金額や契約内容によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。手数料が高額になる場合、繰り上げ返済による利息軽減効果が相殺される可能性もあるため、総合的なコストを考慮して判断する必要があります。
デメリット3. 低金利の借入の場合は見込める効果が薄い
低金利の借入をしている場合、繰り上げ返済による利息軽減効果は限定的です。金利が低いほど、借入期間中に支払う総利息額も少なくなるため、繰り上げ返済による利息削減のメリットが薄れてしまいます。したがって、低金利の借入をしている場合は、繰り上げ返済よりも他の投資機会を検討する方が有利な場合もあります。自分の投資戦略や資金状況を総合的に考慮して判断することが重要です。
不動産投資で繰り上げ返済をする際の注意点
不動産投資において繰り上げ返済を検討する際には、いくつかの注意点があります。
節税効果が減少する恐れがある
不動産投資において繰り上げ返済を行うと、節税効果が減少する可能性があります。借入金の利息は経費として計上できるため、繰り上げ返済を行うことで経費が減少し、その結果として課税所得が増加することがあります。特に高額な借入金を抱えている場合、この影響は大きくなることがあります。したがって、繰り上げ返済を検討する際には、税務上の影響を十分に考慮することが重要です。税理士などの専門家に相談し、最適なタイミングと方法を見極めることをお勧めします。
状況によっては追加の投資を行った方がよいケースがある
繰り上げ返済を検討する際には、追加の投資を行う方が有利な場合もあります。例えば、現在の不動産市場が好調で、新たな物件を購入することで高いリターンが期待できる場合です。このような状況では、手元の資金を繰り上げ返済に充てるよりも、新たな投資に使う方が資産を増やす効果が高いことがあります。また、複数の物件を所有することでリスク分散が図れ、安定した収益を得やすくなるというメリットもあります。したがって、繰り上げ返済を行う前に市場の動向や投資機会を十分に検討し、最適な資金の使い道を見極めることが重要です。
まとめ
不動産投資における繰り上げ返済は、返済期間を短縮し、支払う利息額を減らすなどのメリットがありますが、一方で急な支出に対応できなくなる恐れや手数料が発生する場合もあります。また、低金利の借入では効果が薄いことも考慮する必要があります。さらに、繰り上げ返済を行う際には節税効果の減少や追加の投資機会を逃すリスクもあります。そのため、繰り上げ返済を検討する際には、自身の資金状況や市場の動向を十分に考慮し、最適な判断を下すことが重要です。 本記事が、皆様の不動産投資における繰り上げ返済の判断材料としてお役に立てれば幸いです。
お役立ち資料
資産運用に関する資料を無料でダウンロードいただけます。