初心者が区分マンション投資を成功させる秘訣とは?注意点と対策・物件選びについて解説
一棟マンションに比べ、投資額をおさえられる区分マンション投資。少ない自己資金から始められることもあり、初心者でも参入しやすい投資です。しかし「区分マンション投資は儲からない」といった声もあり、投資に前向きになれない方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、区分マンション投資を成功させるための物件選びや、注意点について解説します。正しく運用できれば、安定した収入源のひとつになるので、区分マンション投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Toggle区分マンション投資とは
区分マンション投資とは、マンションの一部屋を購入し、その部屋を賃貸に出すことで収益を得る不動産投資の一形態です。一般的に、一棟マンション投資に比べて初期投資額が少なく、少ない自己資金から始められるため、不動産投資初心者にとって非常に魅力的な選択肢となっています。
区分マンションは、特定の部屋を所有するため、管理や運営が比較的簡単で、手間がかからないのも特徴です。
投資対象としての区分マンションは、立地や物件の状態、周辺環境などによって収益性が大きく変わるため、物件選びが肝になります。また、賃貸需要が高いエリアを選ぶことで、安定した収入を得ることが可能です。さらに、区分マンションは売却時にも需要があるため、資産としての価値を保ちやすいという利点もあります。
このように、区分マンション投資は初心者でも取り組みやすい不動産投資の一つとなっています。
区分マンション投資の6つの魅力
区分マンション投資とは、マンションを一部屋単位で購入する投資です。区分マンション投資には、以下6つの魅力があります。
- 投資額が少ない
- リスクを分散できる
- 投資物件を選びやすい
- 物件管理に手間がかからない
- 家族に資産を残せる
売却しやすい 順に詳しくみていきましょう。
投資額が少ない
区分マンション投資は、一棟マンション投資よりも少ない投資額から始められるのが魅力です。失敗したときのリスクもその分少なくなります。投資に慣れていない方でも、参入障壁が低いため、投資初心者におすすめです。
リスクを分散できる
規模が小さい区分マンション投資は、その他複数の投資のなかのひとつとして、運用するのに向いています。ほかの投資と合わせることで、投資リスクを分散可能です。
また、不動産投資に限定しても、複数の区分マンションに投資すれば、一棟マンションに投資するよりも、空室リスクや災害リスクを分散できます。
投資物件を選びやすい
区分マンションは、好立地で需要の高いワンルームマンションが多く出回っています。不動産投資初心者でも、物件選びに失敗する可能性が低いといえるでしょう。
物件管理に手間がかからない
区分マンション投資は、マンション一部屋のみの管理ですみます。一棟マンション投資のように、マンション全体の修繕計画を練ったり共用部の管理を考えたりする必要がなく、手間がかかりません。
家族に資産を残せる
銀行に融資を受けて、区分マンションを購入していたとしても、本人が死亡した場合、団体信用生命保険により、ローン返済が免除されます。管理が面倒でない不動産を、借金なく資産家族に残せるため、生命保険の代わりにもおすすめです。
売却しやすい
投資額が少ない区分マンション投資は、購入可能者が多く、流動性が高い傾向があります。区分マンション投資の専門サイトも充実しているため、売却のハードルが低いといえるでしょう。
区分マンション投資と他の不動産投資の比較
ここでは、区分マンション投資は、他の不動産投資と比較してどのような特徴があるのか見ていきましょう。
区分マンションと一棟マンションの違い
区分マンションと一棟マンションは、どちらも不動産投資の手法ですが、その特性や投資スタイルには大きな違いがあります。
まず、区分マンションは、マンションの一部屋を購入する形態であり、比較的少ない資金で始められるのが特徴です。これに対して、一棟マンションは、建物全体を購入するため、初期投資額が大きくなります。
また、区分マンションは、管理費や修繕積立金が発生するため、運用コストがかかりますが、管理会社が物件の管理を行うことが一般的です。一方、一棟マンションは、オーナーが直接管理を行うことが多く、手間はかかりますが、収益性が高い場合もあります。
さらに、区分マンションは、空室リスクが分散されるため、複数の部屋を所有することで安定した収入を得やすいというメリットがあります。一棟マンションは、空室が出ると収入が大きく減少するリスクがあるため、慎重な物件選びが求められます。
区分マンションと戸建て投資の比較
区分マンションは、複数の住戸が一つの建物内に存在するため、投資額を抑えやすく、少ない自己資金から始められる点が魅力です。また、管理が比較的容易で、共用部分の維持管理は管理会社が行うため、手間が少ないのも初心者にとって大きな利点です。
一方、戸建て投資は、土地と建物を一体で所有するため、資産価値が上がりやすいという特徴があります。特に、立地や周辺環境が良ければ、賃貸需要が高まり、安定した収入を得やすいでしょう。しかし、戸建ては管理やメンテナンスが自己責任となるため、手間がかかることもあります。
さらに、空室リスクについても考慮が必要です。区分マンションは、複数の住戸があるため、一部の住戸が空室でも全体の収入に与える影響は少ないですが、戸建ては一つの物件に依存するため、空室が発生すると収入がゼロになるリスクがあります。
区分マンションとREIT(不動産投資信託)の比較
区分マンション投資の場合は、特定のマンションの一部を購入し、その物件から得られる賃料収入を目指すものです。投資家は物件の管理や運営に関与することができ、賃貸経営のノウハウを学ぶ機会にも恵まれるでしょう。
一方、REITは不動産に投資するファンドであり、投資家はそのファンドの株式を購入する形で間接的に不動産に投資します。REITは多様な不動産に分散投資されているため、リスクを軽減することが可能です。また、流動性が高く、売買が容易であるため、短期的な投資を希望する方には向いています。
このように、区分マンション投資は直接的な不動産経営を体験できる一方で、REITは手軽に不動産市場にアクセスできるメリットがあります。
区分マンション投資が儲からないといわれる理由
「区分マンション投資が儲からない」といわれる理由は、投資の規模が小さく、一棟マンションほどの利益が見込めないためです。
また、一棟マンションの販売価格を全戸数で割ると、1戸当たりの購入価格は、区分マンションのほうが割高になります。そのうえ、区分マンション投資は、管理費や修繕積立金の支払いがあるため、実質利回りが低くなりがちです。
リスクが少ないとはいえ、しっかり投資計画を立てたうえで投資をはじめましょう。
区分マンション投資の注意点と対策
魅力の多い区分マンション投資ですが、注意点もあります。ここでは、以下3つの注意点と対策についてみていきましょう。
- 空室時の打撃が大きい
- 管理費・修繕積立金が増額する可能性がある
- 入居促進の施策がしにくい
順に詳細を解説します。
空室時の打撃が大きい
区分マンション投資は、空室になると家賃収入はありません。収入がなくても、ローン返済や経費の支払わなければならないため、空室期間が長引くほど、打撃が大きくなります。
対策は、需要の多いマンションを選ぶことです。空室リスクを分散するために複数の区分マンションに投資するのもよいでしょう。成功しやすい区分マンションの条件については後述します。
管理費・修繕積立金が増額する可能性がある
管理費や修繕積立金は、事前に増額が決まっているケースが多くあります。また、予想外に工事費がかさんだ際には、修繕積立一時金を徴収されることもあるでしょう。
値上げや追加徴収の可能性について、長期修繕計画や管理組合に確認しておくことで、備えられます。物件選びの際にチェックしておきましょう。
入居促進の施策がしにくい
区分マンションは、購入した一室しか手をかけられません。ライバル物件と差をつけるために共用設備を充実させたいと思ってもできないのです。
空室になったときは、室内のリフォームに力を入れたり、入居費用を軽減したりと、できる範囲で施策を練りましょう。
区分マンション投資が向いている人
区分マンション投資は、特に以下のような人に向いています。
- 少ない自己資金で不動産投資を始めたい人
- 本業が忙しいサラリーマン
- 長期の資産形成を早くからしたい人
それぞれ見ていきましょう。
少ない自己資金で不動産投資を始めたい人
区分マンション投資は、少ない自己資金で不動産投資を始めたい人にとって非常に魅力的な選択肢です。一般的に、一棟マンションや戸建て投資に比べて初期投資額が低く、数百万円からスタートできるため、資金が限られている初心者でも手が出しやすいのが特徴です。
また、区分マンションは、複数の物件を所有することでリスクを分散できるため、安定した収入を得る可能性も高まります。
さらに、区分マンション投資は、物件の管理が比較的容易であるため、投資初心者でも取り組みやすいと言えます。管理会社に委託することで、手間をかけずに運用できる点も大きな魅力です。
本業が忙しいサラリーマン
本業が忙しいサラリーマンがおすすめの理由は、区分マンションは管理が比較的簡単で、手間が少ないため、忙しい仕事とも両立がしやすいからです。物件を購入した後は、管理会社に委託することで、日常的な管理業務を任せることができます。これにより、時間を有効に使いながら、安定した収入を得ることが可能です。
また、少ない自己資金から始められるため、初期投資の負担も軽減されます。忙しい日常の中でも、資産形成を進めたいサラリーマンにとって、区分マンション投資は理想的な選択肢となるでしょう。
長期の資産形成を早くからしたい人
特に、若い世代や将来のために早めに資産を築きたいと考える方には、少ない自己資金から始められる点が大きなメリットです。
区分マンションは、比較的手軽に購入できるため、早期に不動産投資をスタートし、時間を味方につけることが可能です。また、賃貸収入を得ることで、資産が増えるだけでなく、将来的な資産価値の上昇も期待できます。これにより、長期的な視点での資産形成が実現しやすくなります。
区分マンション投資の始め方
区分マンション投資の始め方を解説します。
【手順】
- 投資物件をリサーチする
- 不動産会社を決める
- 投資物件を決定して申し込む
- ローンの仮審査をおこなう
- 売買契約を締結する
- ローンの本審査をおこなう
- 決済後に物件を引き渡される
区分マンション投資の専門サイトで、投資物件をリサーチします。希望のエリアに精通している不動産会社を選び、相談に伺いましょう。希望の物件があれば申込みます。
銀行から融資を受ける場合は、つぎに、ローンの仮審査です。頭金をいくら用意できるのか資金計画をたてておきましょう。ローンの仮審査が無事に通ったら、売買契約を締結します。手付金の支払いもこのタイミングです。
売買契約後、ローンの本審査をおこない、問題なければ、金銭消費貸借契約を締結します。その後決済し、物件を引き渡される段階で、区分マンション投資のスタートです。
成功しやすい区分マンションの選び方・条件
区分マンション投資を成功させるには、つぎの5つの条件をクリアできる物件を選びましょう。
- 立地がよい
- 新築ではなく中古を選ぶ
- 共用設備が充実している
- 管理状態がよい
- 空室が少ない
- 物件購入価格:2,000万円
- 家賃収入の年額:1,020,000万円(月額85,000円)
- 管理費の年額:96,000円(月額8,000円)
- 修繕積立金:96,000円(月額8,000円)
- 固定資産税:280,000円
- 空室期間なし
ひとつずつ解説します。
立地がよい
都心部のマンション、交通の便がよい場所にあるマンションを選びましょう。駅徒歩10分以内のワンルームは長期的に人気があります。
新築ではなく中古を選ぶ
安定した家賃収入が得られる中古物件を選びましょう。新築は、販売価格が高いうえ、将来的に家賃の値下げの可能性があります。 また、ワンルーム条例前に建築された都心ワンルームなら、20㎡前後のマンションも選択可能です。家賃を安く設定できるため、需要が高まります。
共用設備が充実している
自分で変更できない共用設備は、物件選びの際によく確認してください。狙うターゲット層に人気の設備があるかなど、細かくチェックしましょう。
管理状態がよい
きちんと管理されているマンションを選びましょう。ゴミステーションに分別されていないゴミが溢れている、共用廊下が汚れているなど、悪い印象を与えるマンションは、空室リスクが高まります。
空室が少ない
空室が少ないマンションがおすすめです。空室が目立つマンションは、なにか原因があるはずです。とくに空室期間が長引いているマンションは注意しましょう。
現金購入と融資購入の投資シミュレーション
ここでは、投資物件を全額自己資金で購入するケースと、銀行から融資を受けて購入するケースについて、シミュレーションします。共通する物件の概要は、以下の通りです。
全額自己資金で購入するケース
全額自己資金で購入する場合の利益(キャッシュフロー)は「家賃収入1,020,000-(管理費96,000+修繕積立金96,000+固定資産税280,000)」で、約548,000円と計算できます。
このうち細かな経費や翌年の確定申告で納める所得税を除けば、年間50万円ほどの収入が得られるでしょう。
売却する場合は「50万円×取得期間(年)+売却益」が2,000万円を上回るタイミングであれば、損せず投資を終了できます。
融資を受けて購入するケース
融資を受けて購入する場合、ローン返済期間は、上記の年間利益50万円からローン返済額を差し引いた金額が年間の利益です。
ここでは、1,000万円は自己資金、残り1,000万円を融資で支払うことと仮定します。年間のローン返済額を40万円、返済期間が35年だとすると、35年間は、年間10万円(50万円-40万円)ほどの収入です。その間に、金利の値上げ・空室・家賃の値下げなどがあると、赤字になりかねません。
この結果からわかるとおり、融資を受ける場合であっても、可能な限り自己資金を用意し、ローン返済額を少なくすることが、資金不足を回避するためには重要です。
一棟マンションほどの大きな利益を見込めない区分マンション投資だからこそ、しっかり収支シミュレーションをおこない、余裕をもった資金計画をたてましょう。
まとめ
区分マンション投資は、少ない自己資金から始められるため、初心者にとって非常に魅力的な選択肢です。しかし、成功するためには物件選びや運用方法に注意が必要です。
ぜひ本記事で紹介した、区分マンション投資の基礎から他の不動産投資との比較、区分マンションの始め方などを、ぜひ投資の際に活用してみてください。
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