金融資産とは?5つの種類・実物資産との違い・平均保有額を簡単に解説
「金融資産とはどういった資産のこと?」
「どれくらい保有するのが理想的?」
これから資産運用を始める方は、投資について調べている途中でこのような疑問が浮かんだのではないでしょうか?
金融資産とは、現預金・保険・債券など実体を持たない資産のことです。目には見えないものの、経済的価値があり現金化できるため、緊急時の資金調達として役立ちます。
本記事では、金融資産の種類・実物資産との違い・金融資産の平均保有額などについて解説します。
目次
Toggle金融資産とは
金融資産とは現金を含め、目に見える実体がなくても経済的に価値があり現金化できる資産のことです。一見、現金には実体がありますが、紙幣や硬貨そのものにゴールドのような価値があるわけではないため、金融資産に含まれます。
流動性が高い資産であるため、将来なにかあった際に使えるお金を増やせるのが特徴です。
金融資産の種類
主な金融資産の種類は、以下の6つをご紹介します。
- 現預金
- 債券
- 株式
- 投資信託
- 生命保険
同じ金融資産の中でも、どのような特徴を持つのか順番に見ていきましょう。
1. 現金・預貯金
預貯金とは、銀行などの金融機関にお金を預けることです。
預貯金の元本に対して、定期的に利息が金融機関から支払われる仕組みとなっています。
預貯金のメリットは、運用期間すべてにおいて元本割れがない点です。仮に現金を預けていた金融機関が破綻したとしても、ペイオフ制度により1,000万円までの資金は保証されます。いつでも現金化ができる流動性の高さもあり、金融商品の中ではもっとも安全性が高いと言えます。
預貯金のデメリットは、リターンが0.001%~0.4%程度と低いことです。現金・預貯金はインフレの影響を受けやすく、物価上昇分だけ資産価値が下がる恐れがあります。
2. 債券
債券とは、国・自治体・企業などが金融機関や投資家からお金を借入したときに発行する証書です。貸し手は数ヶ月〜40年程度の期間、お金を貸すことで期間中は毎年利子を受け取れます。満期日を迎えると、発行体より元金は必ず返済されます。
債券のメリットは、償還日に元金を回収できる安定性があることです。市場で価格変動が起きたとしても、企業の倒産などがない限り投資した額面金額が返済されます。
ただし、万が一発行体が倒産すると、元本割れや元金が返済されなくなるリスクがあります。
3. 株式
株式とは、株式会社が資金調達をするために発行する証券のことです。
株式を購入すると、株主総会に参加して票を入れられる権利である「議決権」を得られるため、企業の経営に参加して意思決定が行えるようになります。
株式のメリットは議決権をはじめとして、株主優待・配当金・売却益などさまざまな権利を得られる点です。
とくに、配当金は1株あたり20円の配当であれば100株保有している人は2,000円受け取れるといった具合に、保有しているだけで株の保有数に応じた現金を分配してもらえます。
一方でデメリットは、信用リスクがある点です。企業の業績悪化などにより株価が暴落すると、購入時を下回る価格になる可能性があります。また、企業が倒産した場合、保有する株式の価値がゼロになる点も注意が必要です。
4. 投資信託
投資信託とは、投資家から集めたお金で専門家が投資・運用をして、得られた収益を決算ごとに分配する金融商品です。投資家自身に運用の経験がなくても、専門家が国内外の株式・債券などさまざまな資産をチョイスして分散投資をしてもらえます。
投資信託のメリットは、少額から始められる点です。債券・株式の投資はまとまった資金が必要ですが、投資信託は一口100円から購入可能です。初期費用も安く、専門知識も不要であることから、投資初心者にとってハードルの低い投資方法と言えます。
投資信託のデメリットは、保有額の0.5〜2.5%にあたる信託報酬が発生することです。また、元本保証はないため、債券・株式と同様に、元本割れのリスクがあります。
5. 生命保険
生命保険は、自分に病気やケガなどがあった場合に備えて、保険料を支払い給付を受ける仕組みのことです。生命保険には、保険料が安い代わりに解約返戻金・満期金がない「掛け捨て型」と、それらが受け取れる「積立型」があります。このうち、金融資産に該当するのは積立型の生命保険です。
積立型の生命保険のメリットは、保険のサービスと並行して貯蓄ができる点です。貯蓄した資金は契約者貸付制度を利用すれば、解約・満期の時期以外でも、解約返戻金の範囲内で借入できます。
デメリットは、掛け捨て型保険よりも保険料が高いことです。また、早期解約をすると元本割れを起こすリスクがあります。
金融資産と実物資産の違い
金融資産と実物資産の大きな違いは、「現物が存在する」「モノ自体に価値がある」の2つです。実物資産とは、以下のようなものです。
- 不動産
- 貴金属
- 絵画
- 骨董品
- 金
- 銀
- プラチナ
- ダイヤモンド
金融資産と実物資産の特徴の違いを以下にまとめました。
金融資産 | 実物資産 | |
流動性 | 低い | 高い |
取引コスト | 低い | 高い |
価格の変動性 | 大きい | 小さい |
価格の透明性 | 高い | 低い |
取引単位 | 小さい | 大きい |
金融資産のメリットは流動性が高く、投資家の希望するタイミングで現金化が行いやすい点です。デメリットは外的要因を受けやすく、突然価格が大幅に下落するリスクが挙げられます。
一方で実物資産は、金融資産のようにインフレや社会情勢の影響を受けて、突然価値がゼロになることはありません。
デメリットは実物であるがゆえに、損傷・盗難などのリスクがある点です。また、貴金属など金額の高い資産は需要が少なく、購入希望者がすぐに現れないため、金融資産ほど流動性が高くありません。
金融資産・実物資産は異なる性質の投資対象と言えます。
日本人の金融資産保有額の平均
日本人の金融資産保有額の平均値と中央値を、以下の資料を元に世帯主の年齢別・年収別でご紹介します。
【世帯主の年齢】
世帯主の年齢 | 平均値(万円) | 中央値(万円) |
20歳代 | 315 | 130 |
30歳代 | 710 | 350 |
40歳代 | 1,114 | 500 |
50歳代 | 1,705 | 780 |
60歳代 | 2,217 | 1,112 |
70歳代 | 2,257 | 1,150 |
金融資産保有額は、世帯主の年齢が上がるにつれて平均値・中央値が増加していることがわかります。
【世帯主の年収】
世帯主の年収 | 平均値(万円) | 中央値(万円) |
収入なし | 841 | 250 |
300万円未満 | 1,059 | 320 |
300万円〜500万円未満 | 1,285 | 530 |
500万円〜750万円未満 | 1,610 | 733 |
750万円〜1,000万円未満 | 2,165 | 1,185 |
1,000万円〜1,200万円未満 | 3,081 | 1,420 |
1,200万円以上 | 4,204 | 2,201 |
世帯主の年収別で金融資産保有額を見た場合、年収が高いほど保有額も上昇傾向となっています。このことから、人生の三大支出である、住宅資金・教育資金・老後資金などを迎える時期が近づくにつれて、資産への意識が高まっていることがわかります。
まとめ
本記事では、金融資産の種類や実物資産との違いなどについて解説しました。
緊急時に現金化できる金融資産は、保有しておくといざお金が必要となったときに役立ちます。
ただし、特定の投資先に一点集中すると抱えるリスクが大きくなるため、損失を最小限に抑えるためにも、特徴が異なる金融資産・実物資産の両方をバランスよく保有しておくのがおすすめです。本日お伝えした実物資産の中でも、不動産は売却益だけではなく、資産の保有中にも金融資産のように利益を得られ続ける特徴があり、安定感のある投資法と言えます。
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