富裕層が不動産投資をする4つの理由とは?会社員が投資を成功させるコツを紹介
不動産投資に興味があって調べているうちに「なぜ富裕層は不動産投資をするのだろう?」と、疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
富裕層が不動産投資を積極的に展開している背景には、税制面でのメリットや資産があるからこそ有利な戦略を見出せるからです。
本記事では、富裕層が不動産投資をする4つの理由や、投資を成功させるポイントについて解説します。
目次
Toggle富裕層とは?
富裕層とは、明確な定義はありませんが一定以上の購買力や経済力を保有している世帯・個人を指します。
野村総合研究所の資料によると、保有している資産額別に5階層に分けられています。
出典元:野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、 その純金融資産総額は364兆円と推計|2023年3月1日 ニュースリリース| 野村総合研究所
純金融資産とは、預貯金・株式・債券・投資信託・生命保険・年金保険などの合計額から借入・負債を差し引いた保有額のことです。このうち土地・建物などの不動産は資産に含まれません。
本記事では、純金融資産が1億円以上の方を富裕層と定義して解説します。
富裕層が不動産投資をする4つの理由
富裕層が不動産投資をする理由は以下のとおりです。
- 相続税を節税できるから
- 減価償却で節税できるから
- レバレッジ効果を利用できるから
- 現物資産による価格の安定感があるから
なぜお金を手元に置かずに不動産投資をするのか、理由を見ていきましょう。
1.相続税を節税できるから
富裕層は相続税対策として不動産投資をします。
まず、相続税の課税対象になる範囲を見ていきましょう。
計算式は以下のとおりです。
基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人)
基礎控除は非課税枠のことを指し、法定相続人とは、相続人として財産をもらう権利をもった人のことです。相続人になれる人の範囲と財産を分配する額は民法により定められています。
例えば、相続財産が現金1億円で、法定相続人が妻と子どものみの場合は受けられる基礎控除額が4,200万円なので5,800万円が課税対象です。
妻と子どもで分配した後、累進課税制度によって設定された税率と控除額を算出して最終的に支払う金額が確定します。
この累進課税制度は相続財産が多ければ多いほど税率が大きくなり、最大で課せられる税率が55%まで上がってしまうのです。
現金で1億円を相続すれば1億円の相続財産となりますが、不動産の場合は時価で評価をするので約7~8割まで課税対象になる範囲を抑えられます。
加えて、土地の相続には税負担を軽減する特例も適用されるため、不動産の形に変えていたほうが節税効果を得られるのです。
2.減価償却で節税できるから
不動産を減価償却によって経費計上することで節税できます。
減価償却とは、原則10万円以上のものを購入した際に、定められた使用年数(耐用年数)で少しずつ経費にしていくことです。
建物の耐用年数は下記のとおりです。
建物の構造 | 耐用年数 |
鉄筋鉄骨コンクリート造 | 47年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
れんが・ブロック造 | 38年 |
鉄骨造(骨格材の肉厚が4mm〜の建物) | 34年 |
鉄骨造(骨格材の肉厚が3mm〜4mmの建物) | 27年 |
鉄骨造(骨格材の肉厚が〜3mmの建物) | 19年 |
木造 | 22年 |
このように、建物の構造別に、不動産の取得費に対して割れる年数が決まっています。
大まかに翌年納める税金は「収入 – 経費」によって算出された「所得」に対して課税されるので、所得が多いままでは支払う税金が高くなってしまいます。
不動産投資で減価償却費として毎年計上することで、所得を圧縮して税負担を軽減できるのです。
3.レバレッジ効果を利用できるから
レバレッジ効果とは「てこの原理」を表し、不動産投資においては「少ない資金で大きな利益を得る」といった意味合いで使われます。
例えば、すべて自己資金で1,000万円の不動産を取得した場合、表面利回り10%であれば1年間で得られる家賃収入は100万円です。
一方で、自己資金1,000万円・融資額5,000万円で、合計6,000万円の不動産を取得した場合、表面利回り10%・利息3%だとすると以下の計算になります。
年間家賃収入 = 6,000万円(不動産の取得費) × 10% (表面利回り)= 600万円
利息 = 5,000万円(融資額) × 3% = 150万円
実質年間家賃収入 = 600万円 – 150万円 = 450万円
上記の例では、レバレッジ効果を利用することで、全額自己資金で投資するより年間家賃収入が4.5倍も大きくなっています。
また、返済能力が十分見込まれている富裕層は、融資の条件もよく、金利上昇が起きても投資への支障が出にくいのです。
4.現物資産による価格の安定感があるから
金融資産とは、債券や現金、投資信託など実態はないが資産として現金化できるものを指します。一方で現物資産とは、土地や建物、貴金属のように実態もあり現金化もできる資産のことです。
不動産は現物資産です。しかし、他の現物資産は売るときにしかお金になりませんが、不動産投資は金融資産のように「家賃収入」というインカムゲインが得られます。
そのわりに、金融市場の不安定化による影響を受けにくいので、金融資産のデメリットを持たないと言えます。
投資用不動産を所有することで、価格の安定感を保ちながら、資産の保有による利益を得られ続けるのです。
富裕層向けの不動産投資の種類
富裕層向けの不動産投資の種類は下記の3つです。
- 一棟買い
- タワーマンション
- 海外不動産
順番に見ていきましょう。
1.一棟買い
一棟買いは、アパート・マンションの1室ではなく、建物・土地を丸ごと購入することです。
一棟所有の最大のメリットは得られる家賃収入の額が大きく、投資効率が良いことです。ただし、数千万円〜1億円近くの購入費用が必要になるケースは珍しくありません。
潤沢な資金が手元にある富裕層であれば、一棟所有による投資も可能です。また、災害や修繕など突発的な出費があっても運用し続けられるでしょう。
2.タワーマンション
一般的に、20階以上・高さ60mを超える高層マンションを、タワーマンションと言います。
タワーマンションへの投資も資産が多い人向けと言えるでしょう。セキュリティ設備・共用部分の設備の充実などに加えて住む人のステータスにもなるので、入居ニーズが強い傾向にあります。
一方、設備が充実している反面でランニングコストが高く、維持費の負担は大きいです。手元に十分な資金があれば、タワマン投資も選択肢の1つです。
3.海外不動産
海外不動産への投資も資産に余裕がある人に向いていると言えます。
日本は2008年をピークにすでに人口減少が始まっていますが、フィリピンやマレーシアなどの東南アジアでは人口が増加しており、空室リスクの低さが期待されています。
ただし、為替相場の変動による為替リスク・政治や経済の変化により起こるカントリーリスクなど、海外不動産ならではのリスクがあるので注意が必要です。
こうしたリスクに耐えられる資金があり、信頼できるエージェントがいる場合に選択肢の1つに入れられるでしょう。
富裕層ではなくても不動産投資はできる
不動産投資はお金持ちの職業のイメージがありますが、実は副業としても人気です。
健美家が会員向けに行っているアンケート調査によると、会社員の割合が55.3%と実に半数以上の人が副業として不動産投資をしている結果となりました。
年収も、家賃収入を合わせた年収でもっとも多かったのは500万円〜700万円でしたが、その次に多かったのは500万円未満の人です。
不動産投資は富裕層に限定された投資方法ではないと言えます。
参照元:第19回不動産投資に関する意識調査|不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや)
不動産投資を成功させるポイント4選
不動産投資を成功させるポイントは下記の4つです。
- 賃貸需要の高い物件を選ぶ
- ライバル物件と差別化する
- ホームステージングをする
- 信頼できる不動産会社に相談する
順番に解説します。
1.賃貸需要の高い物件を選ぶ
不動産投資は、賃貸需要の高さで物件を選ぶことがもっとも重要です。
とくに立地は住みやすさに直結します。都心部であれば駅から10分以内・地方部であれば市街地まで車で15分以内にアクセスできる場所が、一般的には好立地で住みやすいと言われています。
また、物件から徒歩圏内にスーパーやコンビニ、飲食店などがあるかもチェックしておきましょう。
立地や物件周辺の充実度などはコントロールができない要素なので、慎重に選ぶ必要があります。
2.ライバル物件と差別化する
近隣のライバル物件と差別化できれば、空室リスクは避けやすくなります。
とくに、敷金・礼金を無料にしたりフリーレントを導入したりする方法は有効です。入居希望者はすでに引越しに費用を使ってしまっているからです。
初期費用が安ければ引越しのハードルは下がるので、入居は決まりやすくなります。他にも人気設備を取り入れるなど、ライバル物件がしていない戦略は導入してみる価値があるでしょう。
3.ホームステージングをする
ホームステージングとは、 空き部屋をモデルルームのように演出するサービスのことです。
実際に、小物や家具、インテリアを設置して室内を華やかに装飾しておくことで物件への第一印象が良くなり、空室期間を短縮する効果があります。
費用は、レンタル期間や間取りにより異なりますが、おおむね6万円〜30万円です。
4.信頼できる不動産会社に相談する
不動産投資は、投資家の属性に見合った物件を選ぶ必要があります。
例えば、年収500万円以下でタワーマンションに投資するのは購入・継続のどちらも非常に厳しいと言えます。また所得によっては減価償却で得られるメリットも少ないでしょう。
このように、手元の資金や得たいメリットによっても、選ぶ物件は異なります。
購入前提ではなくても、不動産会社に相談してみると適切な判断がしやすくなるでしょう。
まとめ
本記事では、富裕層が不動産投資をする4つの理由・会社員が投資を成功させるコツについて解説しました。
不動産投資で失敗しないためには、自分の属性に見合った物件選びが重要です。
多くの不動産会社では無料相談を実施しています。一度プロに相談して意見を聞いてみてはいかがでしょうか?
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