区分マンションオーナーは儲からない?投資の仕組みや運用手順
不動産投資に興味がある人の中には、区分マンションのオーナーになりたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。実際のところ、区分マンションのオーナーは儲かるのでしょうか。
本記事では、区分マンションオーナーについて、投資の仕組みや運用手順、また区分マンション投資のメリット・デメリットなど解説していきます。
目次
Toggle区分マンションのオーナーって儲からないの?
不動産投資の中でも比較的低い投資額でスタートできることから、人気のある区分マンション投資。しかし、「区分マンション投資は儲からない」という声を聞いたことがある人もいるでしょう。
では本当に区分マンションは儲からないのでしょうか。ここでは、区分マンション投資の基本と利回りを確認していきます。
区分マンション投資で収入を得る仕組み
区分マンション投資とは、マンションを1室単位で購入する投資です。同じマンション投資でも、一棟マンション投資は一棟丸ごと購入する投資になります。
区分マンション投資では、大きく次の2つの収入が期待できます。
- インカムゲイン(家賃収入)
- キャピタルゲイン(売却益)
区分マンションを購入して第三者に貸し出し、毎月家賃収入を得る方法(インカムゲイン)が一般的です。また、マンションを購入時よりも高値で売却することで売却益(キャピタルゲイン)も狙えます。とはいえ、売却益を狙うのは難しく、基本的には家賃収入がメインとなるでしょう。
ただし、家賃収入のすべてが手元に残るわけではありません。家賃収入からローン返済額や経費などを差し引いた額が手元に残るお金です。そのため、かかる費用などもしっかりと考慮して投資計画を立てる必要があります。
区分マンション投資の平均的な利回り
区分マンションの利回りの目安は次の通りです。
- 都心部の新築~築浅:3~5%程
- 都心部の築古:5~7%程
- 地方の新築~築浅:5~7%程
- 地方の築古:7~10%程
一般的には、新築よりも中古、都心部よりも地方の方が利回りは高くなります。これは、中古や地方物件の方が、購入費用が安価であることが反映されているのです。
ただし、中古の場合は修繕費がかかり、地方の物件は都心部よりも需要が落ちる可能性がある点に注意が必要です。
仮に、2,000万円(利回り10%)の区分マンションであれば年間収入は200万円となります。ローン返済や必要経費が年間100万円なら、利益も100万円と大きな利益を狙える可能性もあるでしょう。
ただし、投資を成功させるには、投資に対するしっかりとした知識や計画、信頼できるパートナーが必要です。それらを備えて投資することで、安定的な収入を得やすくなるのです。
区分マンションオーナーの運用手順
区分マンション投資を検討しているなら、大まかな運用手順を把握しておく必要があります。
大まかな運用手順は次の3つです。
- 物件を取得する
- 物件を管理する
- 物件を売却する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
物件を取得する
まずは、運用するための物件を取得します。取得の流れは以下の通りです。
- 知識習得
- 投資目的の明確化
- 物件情報の収集
- 物件選び
- 売買契約
- ローン審査
- 決済と引き渡し
投資の成功は知識が重要です。知識がなければ物件の判断もつかず、不動産会社のカモになる可能性も出てきます。まずは、書籍やインターネット・セミナーなどで基本的な知識を付けるようにしましょう。
また、本当に区分マンション投資が適しているかは、投資目的や資産状況などによっても異なるものです。投資目的やスタイルを明確にすることで、自分に合った投資方法を選びやすくなります。
投資目的が定まったら、それに合った物件の情報を収集し物件を選んでいきます。この時、物件の情報だけでなく、周辺状況やエリア世帯などからも徹底的にリサーチして、物件のニーズを把握し判断することが大切です。
投資する物件が決まったら不動産会社で売買契約を結び、ローン審査に通れば引き渡しとなり、晴れて区分マンションオーナーとなります。
物件を管理する
区分マンション取得後は、賃貸運営がスタートします。
物件管理の方法としては、次の2つです。
- 自分で管理する
- 管理会社に委託する
自分で管理すれば、管理会社への委託料を抑えられるというメリットがあります。しかし、賃貸物件の管理は、物件管理や入居者募集・選定・賃料管理・入居者対応など幅広い業務が必要になるため、本業をしながらの管理は難しいでしょう。
委託料は掛かりますが、管理会社へ委託することでこれらの業務をする必要がなくなります。また、委託料は必要経費に計上することが可能です。
自分で管理する方法・管理会社への委託管理は、それぞれメリット・デメリットがあり慎重に選ぶ必要があります。自分での管理負担は大きすぎことから、基本的には会社への委託をおすすめします。
委託する場合は、管理会社の管理内容や実績・評判を踏まえて、管理を信頼して任せられる管理会社を選ぶようにしましょう。
物件を売却する
区分マンション投資でメインとなるのは、家賃収入です。しかし、出口戦略として最終的な売却も視野に入れておくことをおすすめします。
どんなに運用期間中の成績がよくても、売却で大損してしまうと投資トータルでは失敗になりかねません。物件の状態や不動産市場などの適切なタイミングを見極めて売却することが大切です。
区分マンションの売却については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。
参考
区分マンション投資のメリット
ここでは、区分マンション投資のメリットについて見ていきましょう。
メリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 好立地の物件に投資しやすい
- 比較的安価に投資しやすい
- 管理委託すれば管理の手間はほぼ掛からない
1つずつ説明していきます。
好立地の物件に投資しやすい
マンションは、基本的に好立地に建設されているケースが多いものです。とはいえ、駅近などの好条件の立地の一棟マンションを購入しようとすれば高額な費用がかかります。
条件を落とせば一棟マンションや一棟アパートを購入できる可能性もありますが、需要は低くなるでしょう。高い需要の見込めるマンションに現実的な額で投資できるというバランスが、区分マンション投資にはあるのです。
比較的安価に投資しやすい
一棟マンションを購入しようとすれば、数千万円から億単位の費用がかかります。ローンを組んで購入するといっても、その規模で融資してもらうにはかなりの年収などが求められるでしょう。
ローンを組むための頭金も数千万円必要になるケースも珍しくありません。区分マンションであれば、ワンルームタイプや中古なら1,000万円からでも購入できる場合があります。
資産状況によっては現金一括も夢ではなく、ローンを組む場合でも頭金もそれほど必要にならないので、数百万円からの投資もできるでしょう。
また、区分マンションは運用中のコストも抑えやすいものです。一棟マンションの場合、修繕となると規模が大きいため数百万円掛かる場合もあります。大規模修繕ともなると数千万円掛かる場合もあるでしょう。
区分マンションなら、管理費や修繕積立金の負担は必要ですが、それ以外の修繕費用を個人が負担する必要はありません。ローンを組んだ場合でも、借入額が大きくなければ毎月の返済額の負担も少なくできます。
このように、区分マンションには、投資初期や運用期間中のコストを抑えやすく、投資しやすいというメリットがあるのです。
管理委託すれば管理の手間はほぼかからない
区分マンションの管理会社に委託すれば、運用期間中の管理の手間はほぼ掛かりません。購入後は賃料を待つだけという状態にもしやすいので、本業が忙しい人でも投資しやすいというメリットがあるのです。
区分マンション投資のデメリット
区分マンション投資にはデメリットもあるので、デメリットを正しく理解して対策したうえで投資を検討する必要があります。
デメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 空室になると収入がゼロになる
- 高利回りは実現しにくい
- 物件に対する権限が限定される
それぞれ詳しく見ていきましょう。
空室になると収入がゼロになる
運用中の収入は家賃収入がメインとなるので、入居者がいなければ収入は減少します。区分マンションの場合、1室しか所有しなければ空室=収入ゼロです。
一棟マンションの場合は、数室空室が出ても他の部屋の家賃収入でまかなえます。対して、区分マンションは空室リスクの分散がしにくいというデメリットがあるのです。
収入がゼロでも、ローンの返済や管理費などは待ってくれません。空室の状態が長く続くことで、自己資金の手出しが増え経営破綻にもなりかねないでしょう。
区分マンション投資する場合は、空室リスク対策が重要です。需要の高いマンションを選ぶだけでなく、複数戸に投資するなど対策しておくとよいでしょう。
高利回りは実現しにくい
区分マンション投資では、ローン返済に加えて毎月管理費や修繕積立金の支出が発生します。反対に、家賃収入はマンションの所有戸数のみとなり、1~2室では高い収入は期待できません。
需要の高い好立地の物件を狙えば購入価格もそれだけ上がるでしょう。家賃設定を高くすることも可能ですが、相場よりも高い家賃では入居者自体が現れない恐れがあります。そのため、高利回りは実現しにくいというデメリットがあります。
ただし、安定した家賃収入を得ることは可能です。区分マンション投資する場合は、短期的に大きな利益を狙うのではなく、長期的な資産形成として投資計画を立てるようにしましょう。
物件に対する権限が限定される
区分マンションの場合、マンションに関する権限は限定的です。自由になる範囲は基本的に専有部分のみとなり、建物一棟や土地を丸ごと所有できません。専有部分にしても自由にリフォームや賃料設定ができるわけでなく、許可や他の部屋との兼ね合いも必要になってくるでしょう。
共有部分については、手出しすらできません。外壁の修繕をしたい、共有部分のルールを見直したいとなっても、管理組合を通して所有者全員の合意が必要になるのです。
このように、物件の管理が自分の自由にできないという点はデメリットといえるでしょう。
まとめ
区分マンションのオーナーについて、投資の仕組みや運用手順、区分マンション投資のメリット・デメリットなどお伝えしました。
区分マンションのオーナーは他の不動産投資と比べて、比較的安価で好立地な物件に投資しやすいといったメリットがありますが、一方で空室になると収入がゼロになる点や、高利回りを実現しにくいといったデメリットがあります。
区分マンションオーナーになりたいと考えている方は、本記事の内容を参考になさってください。
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