不動産投資が年金対策になる理由とは?注意点をおさえて年金問題に備えよう
老後の生活の支えとなるべきはずの公的年金ですが、老後2000万円問題や年金受給額の減額などにより、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
充実したシニアライフを送るためにも、年金に頼らず、個人で可能な限りの対策をしておきたいところですよね。そこで年金対策のひとつとしておすすめなのが不動産投資です。うまく運用できれば、長期的に安定した不労所得を得られるため、退職後にも大きな収入源になるでしょう。
本記事では年金対策に不動産投資がおすすめの理由やリスク回避し成功させるポイントを解説します。年金対策のための不動産投資に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Toggle不動産投資の仕組みとは?
不動産投資とは、土地や建物などの不動産への投資です。居住用マンションやアパートをイメージする方が多いかもしれませんが、戸建てや商業ビルなども含まれます。
不動産投資における収益化は、インカムゲイン(運用益)とキャピタルゲイン(売却益)の2種類です。
インカムゲインとは、取得した投資物件を賃貸することで得られる家賃収入や礼金をさします。キャピタルゲインは、投資物件を売却したときに得られる収益のことです。この2つの収益で不動産投資が成り立っています。
年金対策に不動産投資がおすすめの4つの理由
数ある投資のなかでも、年金対策におすすめなのが不動産投資です。以下に4つ、おすすめの理由を解説します。
- 安定した家賃収入を見込める
- 長期的に家賃収入を得られる
- 銀行から融資を受けられる
- 節税対策にもなる
順に詳しくみていきましょう。
(1)安定した家賃収入を見込める
不動産投資は、入居者がいる限り、基本的には安定して毎月定額の家賃収入が得られます。家賃収入はインフレなどの物価水準の変化にも影響されにくく値動きが緩やかです。
注意点はありますが、ハイリスクハイリターンなほかの投資よりも、安定的な利益を見込めるため、初心者でも運用しやすい投資といえるでしょう。
(2)長期的に家賃収入を得られる
不動産は耐用年数が長いため、長期的に家賃収入を取得可能です。耐用年数を過ぎたからといって、家賃収入がなくなるわけではありませんが、耐用年数が長いほど運用可能期間も長くなります。
とくに居住用マンションの耐用年数は47年と長いため、老後の収入源として有効です。退職する前にローンを完済すると、老後は管理費や修繕費などを差し引いた家賃収入の大部分が利益になります。
(3)銀行から融資を受けられる
不動産投資するときは、銀行から融資を受けられます。これはほかの投資にはないメリットです。不動産投資ローンを利用すれば、自己資金が少なくても投資できるため、老後に備ええて若いうちから始められるでしょう。
頭金を入れて返済額を抑えると、家賃収入でローン返済額をまかなえることも。返済中は大きな利益にはならないかもしれませんが、完済後は大きな収入が得られるため、年金対策になるでしょう。
(4)節税対策にもなる
不動産投資は、損益通算や相続時の小規模宅地等の特例など、節税対策にもなります。損益通算は、不動産投資が赤字になったとき、赤字分を給与所得などのほかの所得から控除でき、所得税を軽減できる制度です。
小規模宅地等の特例は、投資物件を相続するときに最大80%土地の評価額を削減でき、相続税を節税できます。おもに宅地向けの制度で、区分マンションの場合は、敷地利用権の部分のみ適用範囲です。
老後の年金対策に向いている不動産投資ですが、退職前や相続時の節税対策もできるのは、大きなメリットといえるでしょう。
不動産投資のリスクと備え
不動産投資は年金対策におすすめですが、当然リスクもあります。ここでは考えられる5つのリスクとその備えについてみていきましょう。
- 空室
- 家賃下落
- 家賃滞納
- 金利上昇
- 予想外の修繕費
順に詳細を解説します。
空室
不動産投資は、入居者がいないと家賃収入を得られません。家賃収入が無くてもローンの返済や管理費などの経費の支払いは続くため、空室期間が長引くほど大きな打撃を受けてしまいます。
空室リスクを回避するには、投資物件選びが重要です。長期的な視点で需要の多い立地にある物件を選びましょう。土地勘のある信頼できる不動産会社に相談しながら慎重に検討してみてください。
家賃下落
築年数の経過とともに、物件の価値は下がります。価値が下がり賃貸需要が低下すると、退去を促進したり新規入居者の獲得が難しくなったりと、デメリットばかり。その結果、家賃の値下げを交渉され、収支計画にズレが生じてしまいます。
家賃の下落を防ぐためには、最新設備を導入するなど、物件に付加価値をつけることが有効です。また、値下げ交渉されたときは、礼金を免除する、家賃を1ヵ月無料にするなど、最小限の負担で済むように提案しましょう。
家賃滞納
入居者が家賃を支払わずに、滞納するリスクもあります。家賃滞納は、すぐに滞納者を退去させることも新規入居者を探すことも難しいため、事前に備えておくことが大切です。
たとえば、滞納したときに家賃を保証してもらえる保証会社や、不動産会社が転貸することで滞納リスクを回避できるサブリースの利用も検討しておきましょう。
また、しっかり入居審査できる実績ある管理会社や綿密にコミュニケーションをとり早急に手を打ってもらえる管理会社を選ぶのもポイントです。
金利上昇
ローン返済中に金利が上がって返済額が増えてしまうケースもあります。金利の上昇は、どうにかできる問題ではありません。頭金を用意して借入額を減らし、利子を最小限に抑えておくことが得策です。十分な頭金を用意できない場合は、繰上げ返済し利子を減らすことを目指しましょう。
予想外の修繕費
賃貸の場合、設備の故障などの専有部の修繕費用はオーナー負担です。「お金がないから修理できない」というわけにはいきません。経費を差し引いた家賃収入で修繕費を賄えられればよいですが、ローン返済中は余裕がないこともあるでしょう。
頭金を多く支払うことも大切ですが、予想外の修繕費に備えて、自己資金に余裕もたせておくことが大切です。
不動産投資による年金対策を成功させる3つのポイント
さまざまなリスクに備えつつ、不動産投資による年金対策を成功させるには3つのポイントがあります。
- しっかりと収支計画を立てよう
- 慎重に物件を選ぼう
- 信頼できる不動産会社に相談しよう
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
(1)しっかりと収支計画を立てよう
当然ですが、年金対策するには支出よりも収入が多い物件でないといけません。初期費用はもちろん、毎月いくらの支出があるのか、細かく収支を確認しておきましょう。
不動産を運用している間のおもな収入は、家賃・礼金です。支出は、管理費・修繕積立金・固定資産税・管理委託費・修繕費用などが挙げられます。融資を受けている場合は、返済期間中と返済後の収支をよく確認し、計画を立てましょう。
(2)慎重に物件を選ぼう
投資物件選びが、投資の成功を決めるといっても過言ではありません。物件選定時には、エリアの人口変動率や住民の特性、競合物件数を確認しましょう。
人口減少率・競合物件数が少ないエリアで、ニーズに合う間取りや設備の物件を選ぶのが物件選定のコツです。
また、新築は家賃の下落が激しい傾向があります。安定的に家賃収入を得るには中古マンションがおすすめです。
(3)信頼できる不動産会社に相談しよう
物件選びと同様に不動産会社選びも気を抜けません。よいことだけでなく悪いこともきちんと説明してくれたり、物件の未来まで想定して提案してくれたりする不動産会社を選びましょう。
また、資金力に見合った物件や収支計画を提案してもらえることも重要です。購入後の物件管理まで任せられるなど、アフターフォローが充実している不動産会社もよいでしょう。
老後の年金対策の必要性
厚生労働省による令和3年度の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると国民年金を含む厚生年金の平均受給額は男性163,380円、女性104,686円でした。保険の加入期間や給与・賞与の額によって受給額が異なるため、自営業や専業主婦であれば、平均額より少ない可能性も高いです。
また、生命保険文化センターの「2022(令和4)年度生活保障に関する調査」によると、老後に夫婦2人で暮らすための最低日常生活費は、平均月額232,000円、ゆとりをもって暮らすためには、さらに平均148,000円の上乗せが必要という結果がでています。
令和3年度の受給額でも老後の厳しい生活が予想されますが、年金は物価や賃金変動率などで受給額が変わります。今後さらに減額することも大いに考えられるため、老後の生活費に困らないためにも、年金対策しておく必要があるのです。
まとめ
不動産投資は、数ある投資のなかでも安定して長期的に不労所得を得やすいのがメリットです。入居者がいる限り家賃収入があるため、投資に手間や時間をかける必要がありません。どのようなライフスタイルになっているか分からない老後でも、無理なく収入を得られます。
さらに、融資を受けて始められる不動産投資は、参入障壁が低いのも特徴です。退職までにローンを完済できれば、老後はより多くの収入を見込めるため、不動産投資をはじめるなら、早いほうがよいでしょう。ぜひこの記事を参考に、不動産投資を前向きに検討してみてください。
お役立ち資料
資産運用に関する資料を無料でダウンロードいただけます。