マンション経営はリスクが高い? 懸念されるリスクと回避策
マンション経営は、安定的な収入が見込めるとして昨今人気が高まっている投資手法のひとつです。しかし、リスクが伴うことも事実であり、収益の源泉となるマンションが空室になったり、想定外の出費が生じたりすると、大きな損失を被る恐れがあります。今回の記事では、マンション経営におけるリスクの種類と対処法について詳しく解説します。
目次
Toggleそもそもマンション経営とは?
マンション経営とは、投資するオーナーがマンションを購入し、その物件を賃貸することで収益を得る投資手法の一つです。具体的には、購入したマンションの一部または全体を賃貸し、入居者からの家賃収入を得ることで利益を上げます。この収益は、ローンの返済や管理費、修繕費などの経費を差し引いた後の純利益となります。
マンション経営の魅力は、安定した収入が見込める点にあります。とくに都市部では需要が高く、空室リスクが低いため、安定した家賃収入を期待できるでしょう。また、所有する物件の価値が上がれば、売却時にキャピタルゲインを得ることも可能です。
しかし、マンション経営にはリスクも付きものです。空室リスクや家賃の下落、金利の上昇、災害リスクなど、さまざまな要因が収益に影響を与えるケースがあります。これらのリスクを理解したうえで適切な運用を行うことが成功へつながります。
マンション経営で起こり得るリスク6つ
ここでは、マンション経営で起こり得るおもなリスクを6つ挙げてみましょう。
空室リスク
マンション経営において最も一般的なリスクの一つが空室リスクです。入居者がいない期間が続くと、家賃収入が得られず、ローンの返済や管理費などの固定費用が経営を圧迫します。とくに、立地条件や物件の魅力が低い場合は、空室が長期間続く可能性があるので物件選びは大変重要です。
不動産投資における物件の選び方については「初めてでも安心!不動産物件の選び方のコツと注意点について解説」の記事をご確認ください。
家賃が下落するリスク
マンション経営において、家賃が下落するリスクも無視できません。地域の経済状況や新たな競合物件の出現、人口減少などの要因により、家賃相場が下がることがあります。家賃が下がると、収益が減少し、ローン返済や維持費の負担が重くなるため、経営が厳しくなる可能性があります。このリスクを軽減するためには、地域の市場動向を常に把握し、適切なタイミングで家賃設定を見直すことが重要です。
サブリースが一方的に解約されるリスク
サブリース契約は、マンション経営者にとって安定した収入を確保する手段として人気がありますが、一方的に解約されるリスクも存在します。
たとえばサブリース会社が経営難に陥ったり、契約条件が変更されたりすると、突然の解約通知を受けることがあります。これにより、収入が途絶えたり、空室リスクが急増する可能性が出てきます。このリスクを回避するためには、契約内容を十分に確認し、信頼できるサブリース会社を選ぶことが重要です。
また、複数の収入源を確保することで、リスク分散を図ることも有効な手段です。
金利が上昇するリスク
マンション経営において、金利の上昇は大きなリスクとなります。マンションオーナーのほとんどは、物件購入時にローンを利用しますが、変動金利型のローンを選択している場合、金利が上がると返済額が増加し、キャッシュフローに悪影響を及ぼす可能性があります。
とくに、長期的な金利上昇の局面では、経営が圧迫されるリスクが高まります。金利上昇リスクを軽減するためには、「固定金利型のローンを選ぶ」もしくは「金利上昇に備えた資金計画を立てる」ことが重要です。さらに、定期的に市場動向をチェックし、必要に応じてローンの見直しを行うことも重要な手段です。
災害リスク
マンション経営において、災害リスクも無視できない重要な要素です。地震や台風、洪水などの自然災害は、物件に多大な被害をもたらす可能性があります。とくに日本は地震が多発する地域であり、耐震性の低い建物は大きなリスクを抱えています。災害による損害は修繕費用や保険料の増加を引き起こし、経営に大きな負担をかけることになります。
この災害リスクを軽減するためには、まず耐震性の高い物件を選ぶことが重要です。また、火災保険や地震保険に加入することで、災害時の経済的な負担を軽減することができます。さらに、災害対策として定期的なメンテナンスや点検を行い、物件の安全性を確保することも併せて必要になるでしょう。
不動産価格が下落するリスク
不動産価格の下落リスクも見逃せない要素です。不動産市場は経済状況や地域の需要と供給のバランス、さらには政策変更など多くの要因によって影響を受けます。そのため、購入時には高かった物件が、数年後には価値が大幅に下がる可能性も大いに考えられます。
不動産価格が下落すると、売却時に損失を被るだけでなく、担保価値が低下することで追加の資金調達が難しくなるケースもあります。不動産価値の下落リスクを軽減するためには、立地条件や将来の開発計画、地域の人口動態などを慎重に調査し、長期的に価値が維持される物件を選ぶことが重要です。また、複数の物件に分散投資することで、リスクを分散することも有効な対策となるでしょう。
マンション経営におけるリスクの対処法
マンション経営にはさまざまなリスクが伴いますが、適切な対処法を講じることでその影響を最小限に抑えることが可能です。以下に、具体的な対処法をいくつか紹介します。
目的に見合った投資スタイル・物件を選ぶ
まず、投資の目的を明確にし、それに見合った投資スタイルや物件を選ぶことが重要です。たとえば、短期的なキャピタルゲインを狙うのか、長期的なインカムゲインを目指すのかによって、選ぶべき物件やエリアが異なります。目的に応じた物件選びをすることで、リスクを減少させることができます。
需要のある物件を見極める
マンション経営において、需要のある物件を選ぶことは非常に重要です。需要が高いエリアや物件は、空室リスクを低減し、安定した収益を確保する助けとなります。
具体的には、交通の便が良い場所や、周辺に商業施設や学校が充実しているエリアが人気です。また、物件の築年数や設備の充実度も需要に影響を与えます。市場調査を行い、需要の高い物件を見極めることで、リスクを最小限に抑えることができます。
内覧をしたうえで購入する
マンション経営において、物件の内覧は非常に重要なステップです。実際に物件を訪れることで、写真や資料だけではわからない細部の状態や周辺環境を確認することができます。たとえば、建物の老朽化具合や共用部分の管理状況、騒音や日当たりなど、現地でしかわからない情報を得ることができます。また、内覧時には近隣住民の雰囲気や、周辺の治安状況もチェックすることが大切です。これにより、購入後のトラブルを未然に防ぎ、安心してマンション経営を始めることができます。
入念に資金計画を立てる
マンション経営を成功させるためには、入念な資金計画が欠かせません。まず、初期投資として必要な資金を明確にし、自己資金と借入金のバランスを考慮することが重要です。
借入金を利用する場合は、返済計画をしっかりと立て、金利の変動リスクも考慮に入れる必要があります。また、運営中に発生する可能性のある修繕費や管理費、税金などのランニングコストも見積もり、予算に組み込んでおくことが大切です。さらに、空室期間が発生した場合の収入減少にも備え、予備資金を確保しておくと安心です。こうした資金計画をしっかりと立てることで、マンション経営のリスクを最小限に抑え、安定した収益を確保することができます。
不動産投資を行ううえで押さえておきたい投資計画、資金計画は「不動産投資をはじめるうえで抑えておきたい初期費用の内訳と資金計画の立て方について解説」の記事を参考にしてください。
信頼できる管理会社を選ぶ
マンション経営において、信頼できる管理会社を選ぶことは非常に重要です。管理会社は、物件の維持管理や入居者対応、賃貸募集などを代行してくれるため、オーナーの負担を大幅に軽減してくれます。しかし、管理会社の選び方を誤ると、サービスの質が低く、トラブルが頻発する可能性があります。
信頼できる管理会社を選ぶためには、まず実績や評判を確認し、複数の会社を比較検討することが大切です。また、契約内容や手数料の透明性も重要なポイントです。さらに、実際に担当者と面談し、コミュニケーションの取りやすさや対応の迅速さをチェックすることも忘れずに行いましょう。信頼できる管理会社を選ぶことで、マンション経営のリスクを軽減し、安定した運営を実現することができます。
管理会社の選び方は「不動産投資会社選びが重要な理由とその選び方のコツ4点を解説」の記事を参考にしてください。
マンション経営に向いている人の特徴
マンション経営は魅力的な投資手法ですが、すべての人に向いているわけではありません。成功するためには、特定の特徴や資質を持っていることが重要です。以下に、マンション経営に向いている人の特徴を見ていきましょう。
自己資金に余裕がある
マンション経営を始めるには、初期投資が必要です。物件の購入費用だけでなく、リフォームや修繕、広告費などの運営費用も考慮しなければなりません。自己資金に余裕がある人は、これらの費用を無理なく賄うことができ、経営の安定性を高めることができます。また、自己資金が多いほど、借入金の額を減らすことができ、金利負担を軽減することができます。
長期的に投資ができる
マンション経営は短期的な利益を追求するものではなく、長期的な視点で取り組むことが求められます。物件の価値は時間とともに変動するため、一時的な市場の変動に左右されず、安定した収益を得るためには長期的な視野が必要です。長期的に投資ができる人は、物件のメンテナンスやリフォームを計画的に行い、資産価値を維持・向上させることができます。また、長期的な視点を持つことで、リスクを分散し、経済的な変動にも柔軟に対応することが可能です。
まとめ
マンション経営は、安定した収入を得るための有力な投資手法ですが、さまざまなリスクが伴います。空室リスクや家賃の下落、サブリースの解約、金利の上昇、災害、不動産価格の下落など、予期せぬ事態に備えることが重要です。これらのリスクに対処するためには、目的に見合った物件選びや需要のある物件の見極め、内覧を通じた慎重な購入、入念な資金計画、信頼できる管理会社の選定が不可欠です。リスクを理解し、適切な対策を講じることで、マンション経営の成功を目指しましょう。
お役立ち資料
資産運用に関する資料を無料でダウンロードいただけます。