ペルソナが決める不動産の価値。将来を見据え「間取り」を考える
不動産投資を考える際、「入居者の目線で物件を見る」ことはきわめて重要です。自ら住む場合と同程度、もしくはそれ以上に物件を吟味することで、家賃水準・入居率の高い物件を選ぶことができます。
ここで、入居者はあなたの属性と同じ性別・年代・家族構成とは限りません。想定する入居者のデモグラフィックや生活情報を総合したものを「ペルソナ」(ラテン語で仮面の意味)と呼びますが、この用語が不動産領域で用いられるのは物件購入時・もしくは賃貸での客付時に、入居者を仮定して分析・集客する手法が流行しているからです。
そして、住まいの利便性を決める一大要素は「間取り」です。今回は間取りが物件人気に与える影響をご紹介し、図面を見ただけで物件人気(ひいては収益性)を判断しやすくなる、いくつかのポイントをご紹介していきます。
目次
Toggle間取りによって異なるペルソナ。物件人気を推し量るヒントに。
まずは1Kなどのワンルーム物件か、3LDKなどのファミリー物件か、といった具合に大別しましょう。マクロな数値として統計局の取りまとめた地方別、世帯人員別の世帯数分布表があり、こちらによると全国100万世帯のうち1人世帯が33.1%、2人世帯が29.5%、3人世帯が17.4%(2人以上の世帯は66.8%)であり、関東圏でも大きな違いは見られませんが、東京都だけだと総世帯の約半分が1人世帯というデータ分析となります [1] 。
こうした世帯人員数ごとのパイの大きさを捉えておくことは投資の基本中の基本といえます。その上でエリアを踏まえ、賃料の想定をすることでペルソナを浮き彫りにしていきます。
入居者ペルソナの例
・付近に大学キャンパスがあるワンルーム物件なら学生が有力なターゲットとなり、2年〜4年の入居サイクルで回転しやすいことが考えられます。その際、在学生の男女比を確認しておきましょう。女性比率が高いキャンパスの場合は防犯性の高さが客付けのポイントになる可能性があります。
ペルソナの目で物件を見る。図面を見る際のポイントとは?
ここからはペルソナとの重ね合わせで「図面」から読み取れる物件の隠れた価値について紹介していきます。
単身者世帯にとっての快適な部屋づくり
単身者にとっての部屋の選び方に大きな違いはございませんが、重要な点としては「家具の配置のしやすさ」が挙げられます。一昔前まではベッド・テーブル・テレビ台がしっかりときれいに配置できるのかが大きなポイントでしたが、今はテレビを置かない単身者世帯も増え、その代わりにパソコン台等を置く方も増えているようです。どちらにせよ、大きな家具が3つおける配置を確認しましょう。よく、梁(柱などの躯体部分)が飛び出ていたり、部屋が斜めの間取りであったりする事があります。その様な場合、ベッドがおけない配置であったり、ベッドを置いてしまうとクローゼットやドアの開閉に支障をきたす可能性があります。その様な間取りは人気が低くなってしまう為、住む方の目線に立って間取りの確認をする必要があるでしょう。
また、独立洗面台を必須とする方も増えてきました。確かにあると便利ですが、お部屋の広さを考えないで設置されている物件もございます。その場合は無理に設置しているため、居室部分が狭くなってしまい上記の様な家具が設置できなかったり、お部屋が広くなることにより家賃も高くなってしまい、相場以上の家賃設定となるケースもございます。
確かに便利な設備ではありますが、需要と供給、賃料のバランスが投資をする上で何より重要です。
子育て世帯にとってキッチン〜ダイニングの使いやすさは重要
最近ではカウンター式のキッチンが人気であり、家事動線の作りやすさ、家族の顔が見える開放感、危険な場所に子供が入らないための対策がしやすいといった点がメリットとして挙げられます。ダイニングテーブルをどのあたりに置くのか? 配膳はどういった動線で行うのか? 小さな子供がいる家庭のためにベビーゲートの設置しやすい間取りになっているか? など、キッチン周りの利便性はしっかりと確認しておくと良いでしょう。
空間は一つ、それとも二つ? 引き戸と開き戸の違いに注目
図面にはドアが引き戸か開き戸かが記載されています。引き戸の隠れたメリットとして「安全に開けっ放しが叶う」という点があります。自宅でホームパーティーやママ会などを開催する機会のある夫婦・子育て層には、隣室の居室からリビングを一つの空間とすることで開放感が増すというメリットが得られます。また、部屋の向きや風通し、小さいお子様が居る家庭では近隣環境として、騒音がないか、学区の問題が生じます。その様な事前準備も行なってから物件選びをするとよいでしょう。
「間取り」と「ペルソナ」を意識し、収益の安定した物件を手に入れる
ここまでで見てきたように、ペルソナをどの様な方に設定するかによって、選ぶ物件のポイントも変わっていきます。東京都内であれば単身者層が多いのでコンパクトなマンションを考えるのも一つですし、ファミリー層に長く住んでもらえる様な投資対象物件も良いでしょう。入居者にとって「間取り」は生活像を変える重要な住まいの要素です。不動産投資をする際に、ペルソナを理解し、暮らし方を想像することが、空室率の低い(収益性の高い)物件選びに繋がります。
株式会社クレドでは、月間1,500物件程の中から業界トップクラスの厳しい仕入れ基準に基づき物件選定を行なっております(2019年5月時点)。上記のように、エリアの主な居住者層を踏まえたコンサルティングもしておりますので、ぜひ一度、株式会社クレドのセミナーにお越しください。
参考文献
お役立ち資料
資産運用に関する資料を無料でダウンロードいただけます。