コロナウィルス(COVID-19) レムデシビルの効果とは?
日本政府が申請からわずか3日という異例のスピードで、米製薬会社ギリアド・サイエンシズ社が開発した「レムデシビル(販売名:ベクルリー)」が国内初の治療薬として特例承認されました。
今までは「臨床試験」にのみ利用可能だった薬が「治療」に使われる様になったという事です。
このレムデシビルという薬は、抗エボラ出血熱薬として開発した点滴薬で、ウィルスの増殖を抑える効果があるとされています。
○アメリカ国立衛生研究所が新型コロナウィルスに感染した患者1063人を対象に臨床試験を実施
・回復まで11日(中央値)
偽薬初訪のグループより31%早かった
・死亡率
レムデシビル処方の患者:8%
偽薬初訪の患者:11.6%
○アメリカ食品医薬品局がレムデシビルの副作用について
・低血圧、吐気、肝臓の炎症、細胞損傷などを指摘
世界的な評価も定まっていないというのが現状だとのこと。
日本で既に使用されていたものとしては、富士フイルム富山化学株式会社が抗インフルエンザ薬として開発した「アビガン錠(ファビピラビル)」があるが、現在では治療薬として承認されておらず、今月中の承認を目指すという薬になります。こちらも様々な副作用の報告や注意点が存在します
○使用をする際
・医療機関が研究班による観察研究に参加
・患者本人の同意がある
・医師がその必要性を判断する
○副作用や注意点として
・動物実験では「初期胚の致死、催奇形性」が確認されている為「妊婦または妊娠している可能性のある婦人」には投与しないという胎児奇形の可能性
・精液中に移行することも確認があり、「妊娠させる可能性のある男性」への投与には慎重
・嘔気、高尿酸血症、肝機能障害、腎機能障害
新型コロナウィルスに感染初期のフェーズ1の軽症・中等症患者ではアビガン錠を服用し、症状が悪化したフェーズ2の重症患者の治療で期待される薬として静脈注射で点滴をするレムデシビルを使用し、投与期間は原則で10日間となります。
さらに重篤化してしまったフェーズ3では、サイトカインストームという状況に陥ります。
サイトカインストームとは、本来自分を守ってくれている免疫細胞が暴走して、他の細胞まで傷つけ始めます。そうなると、臓器を傷つけ始めてしまうので多臓器不全という危険な状況に陥ってしまいます。これは、持病のない人でも若者にも起こり得る症状です。
その免疫細胞を正常化させると期待されているのが中外製薬株式会社が関節リウマチの治療薬として開発した「アクテムラ」ですが、今の所は新型コロナウィルスに使える様に今月中に治験を進め、有効性や安全性等を評価していくという事です。
アメリカでは5月1日に重篤患者にのみ、レムデシビルの緊急使用が認められる様になりました。
日本でも5月7日に特例承認されたという状況です。しかし、ここで大きな問題点としては、レムデシビルの供給量の少なさが指摘されています。その為、人工呼吸器などが必要な重症患者を優先的に投与されます。
レムデシビルは公的医療保険の適用外に位置付け、入院費などの保険診療との併用を認めた。薬は製薬会社から無償で提供され、保険診療分は公費で賄われるため、患者は費用負担なしにこの薬の治療を受けられるとの発表があります。
ここまでは、治療薬としての話でしたが、この度、米製薬大手ファイザーが新型コロナウィルスのワクチンの臨床試験をアメリカで開始したというニュースもあり、9月にも緊急使用許可を目指すという事です。
日本でも異例の承認対応で評価が増しますし、新型コロナウィルスに対しての治療薬やワクチンが作られつつある事は、今の我々には一筋の光が差し込む状況の様には感じますが、新薬が作られたり、ワクチンが作られたとしても、世界規模のコロナウィルスショックの為、普及するまでは相当の時間を要することが想像できます。
先日は、緊急事態宣言が5月31日まで延期することが発表されましたが、東京都を含む13の特定警戒都道府県は休業要請の継続を決めたが、それ以外の34県は政府が「地域の実情に応じて判断する」としたため、解除や緩和を決める自治体が出るなど、対応に差がでました。
コロナ疲れという言葉も出てきていますが、今はただ、耐えなくてはなりません。医療従事者の方々には大変な感謝をしなければなりませんが、緊急事態宣言を受けて飲食業をはじめとする様々な企業が非常に苦しい状況となっています。
今こそ日本を一つに!第2波、第3波を起こさせない為にも今の今でしっかりとコロナウィルスに打ち勝ちましょう。
この様な状況だからこそ、時間を活用して家計の中にある「無駄」の見直しや生命保険の見直し、マネーリテラシーの向上のお手伝いをさせていただいております。どの様になるかわからないからこそ、自助努力が求められます。
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