鰻に纏わるエトセトラ
8月ですね。夏ですね。暑いですね。
今年の丑の日は鰻たべましたか?
毎年ふるさと納税では、必ず鰻を選びます田中です。
さて、土用丑の日と言えば、平賀源内のエピソードが有名ですね。
江戸時代、源内は「丑の日にウナギを食べると夏バテしない」といった広告文を考案し、商業的に広めました。
当時、ウナギの売れ行きが悪かったため、源内の宣伝が効果を発揮し、ウナギの消費が増えたことから、この習慣が定着したとされています。
源内の巧妙なマーケティングが、日本の食文化に大きな影響を与えました。
土用丑の日もバレンタインもクリスマスも、その起源は大して変わらないというエピソードですね。
有名なエピソードといえば、鰻と梅干しの食い合わせの悪さについて。
実は、科学的根拠は全くないと言われています。
むしろ、鰻と梅干しの組み合わせは、栄養的・医学的に全く問題がなく、逆に理にかなった相性の良いペアとされています。
鰻に豊富に含まれるビタミンB1と、梅干しに豊富に含まれるクエン酸は、どちらも疲労回復に効果的な栄養素の一つ。そのため、鰻に梅干しを組み合わせることで、夏のスタミナアップ&夏バテ予防に大いに役立つのです。
更に、梅干しの酸味が胃酸の分泌を促し、鰻の脂肪の消化を助けるため、消化不良や食後の胃もたれを軽減してくれます。
それにもかかわらず、なぜこの食べ合わせが悪いとされたのでしょうか?
かつては、鰻の脂っこさと梅干しの酸味が相まって、消化不良を引き起こすと考えられていたようです。また、爽やかな梅干しは食欲を増進させ、高価な鰻を食べ過ぎることを防ぐ意味もあったようです。
消化不良を引き起こすという説は誤りであっても、過食防止や贅沢への警告としての意味は、現代でも通用する教えと言えるのではないでしょうか。
贅沢と言えば、国産鰻と中国産鰻は値段が倍くらい違いますよね。
むしろ大きさは逆に中国産の方が倍くらい大きいイメージ。
何が違うのか?そもそも品種が違うのか?
違うんです。
国産鰻はニホンウナギという種類で、稚魚は2,000キロ離れたマリアナ海嶺からはるばるやってきています。
対して中国産鰻は、北太平洋のサルガッソー海と呼ばれる海域出身で、ヨーロッパウナギと言われる種類です。
とは言え、その味の違いは無し!
実は、ウナギの産地は稚魚が捕獲された場所ではなく、養殖された場所となります。
たとえば、ヨーロッパウナギの稚魚を日本で養殖すれば国産とみなされ、その逆もまた然りです。
じゃあ、何がそんなに違うのか。
味もさることながら、値段はもっと違います。
その答えは養殖方法にあります。
日本の養殖施設は、ビニールハウスで覆われたプール状になっています。
このプールは非常に効率的であり、ウナギの養殖に適した28℃前後の水温に調整可能です。
病気などが発生した場合は、水温を33℃程度に上げて殺菌処理が行われます。
ウナギの餌としては、カタクチイワシやアジなどの魚を砕いて作った魚粉に、ビタミンやミネラル、乳酸菌などを混ぜた練り餌が与えられます。
栄養豊富な食事を摂取したウナギたちは、大きさに合わせてそれぞれのプールに分けられて養殖されます(分養)。
分養により、ウナギの密度が低くなり、成長がストレスなく進むようになります。
このように、ビニールハウスの養殖施設では、シラスウナギは6ヶ月から1年半かけて育成されます。
出荷前には、約1週間水槽に入れて餌を断つ処置を施します。その後、水を入れ替えて身をしめると同時に汚れを取り除き、生きたまま出荷されます。
一方、中国では、幅広い池である「路地池」でうなぎを養殖しています。路地池は地面に掘り穴を掘って作られ、田んぼをうなぎ用の池にしたイメージです。
以前は日本でも路地池をうなぎの養殖に使用していましたが、温度管理や病気のコントロールが難しかったため、現在はハウス式に移行しました。
中国では、難しい屋外池でうなぎを養殖していますが、うなぎの育成に適した地域を選んで養殖場を設立しています。
中国で育てられるうなぎは、広大な路地池で2~3年かけて成長します。成長期間が日本の倍であるため、大きく育ちます。その結果、身や皮が厚くなり、骨も太くなります。中国産のうなぎは脂っこく、皮の弾力が強く、骨が気になるのはこれが理由だと考えられます。
まあ、とは言え我が家の鰻は返礼品以外は中国産です。
だって安いんだもの。。
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