死への羽ばたき(虫が苦手な人は閲覧注意)
ドーモ
こんにちは
前回はシュレーディンガーの猫というシュレーディンガーさんが行った思考実験の話でしたが、今回はハーバード大学の生物学者カロール・ウィリアムズ博士が行った「死への羽ばたき」と呼ばれている実験についてお話してみようかなと思います。
皆さんは小学校の理科の際に昆虫の生態である「完全変態」について勉強したかと思います。
昆虫は
卵→幼虫→サナギ→成虫
と姿かたち、中には生態までを変えながら成長していきます。
そして完全変態とは上記の通り、卵から幼虫、サナギの期間を経て成虫になることを言います。
逆に不完全変態とはサナギの期間がなく、幼虫から成虫へ直接成長することを言います。
そして、完全変態のサナギの期間では、サナギの中身はドロドロの液体状であるという事も分かっています。
ふしぎですよね、器官も体のつくりも関係なく、一度ドロドロになって再形成するんです。
そんな完全変態とはなんなのかを解明するため、アメリカの昆虫学者カロール・ウィリアムズ博士は以下の実験を行いました。
4匹の同じ種類、年齢のサナギを四匹用意し、
①完全なサナギ。
②サナギを半分に切って、それぞれの断面にプラスチックをかぶせた。
③切り離したサナギの前後を、プラスチック管で連結したもの。
④サナギを切って前後を連結してあるが、管のなかには可動の球が入れてあり、両者の間に組織が移行しないようにした。
と、そのサナギを切って、それぞれがどう変態するかを実験しました。
そして、一か月後…
①は普通に変態し、ガとなった。
②は前半の部分だけが変態し、後半部はそのままだった。
③は傷が回復し、ホルモンが流れるように管のなかに組織が橋渡しされて、前半部も後半部も変態を起こした
④は可動の球が組織の発達をさまたげて変態が起こらなかった。
と、言う結果になったそうです。
そして、③の蛾はプラスチックの管に上半身と下半身がつながった蛾になり、飛ぼうとした結果、管の部分がちぎれて死んでしまった…というもの。
そのビジュアルのヤバさから有名になり、語り継がれ、死への羽ばたきという名前でネット上でも話題となりました。
このウィリアムズ博士はこの死への羽ばたきで有名ですが、昆虫の発達周期を乱すことによって農薬として使用可能であると提唱したり、昆虫学や発生生物学において非常に実績のある方なので、決してサディスティックな実験を面白半分で行っていたわけではありませんので、ご安心くださいね。
前回のシュレーディンガーの猫に引き続き、今回も僕の好きなジャンルの話をしてみました。
こういうジャンルが好きな方はぜひお話ししてくださいね。
次回は過去の偉人についてでも語ってみましょうか。
ブログの筆者が解説!生の声で学ぶ、限定セミナー開催
お役立ち資料
資産運用に関する資料を無料でダウンロードいただけます。