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年金改革法で年金制度はどう変わる?FPがわかりやすく解説

年金改革法で年金制度はどう変わる?FPがわかりやすく解説

2020年5月29日に参議院で審議・可決された年金改革法は、パート等の短時間労働者の厚生年金等の適用拡大、受給開始年齢を拡大、在職老齢年金の減額基準の見直しなどの改正内容が謳われています。年金制度を支えている現役世代や年金の受給開始が間近に迫っている方、既に年金を受給している方にも影響のある法案となっています。
今回の年金改革法により、年金制度はどのように変化するのでしょうか?

まずは年金制度が変わる理由と背景を見ていきましょう。

年金改革法の意義と背景とは?

これまで年金制度は厚生年金の支給開始年齢の引き上げや老齢年金受給資格期間の短縮など、時代と共に度重なる改正を行ってきました。
今回の年金改革法も厚生労働省のホームページには「現在の高齢者に配慮しつつ、将来年金を受け取る若い世代の年金をしっかりと確保するための改正」と記されています。

厚生労働省は 5年に1度「財政検証」という将来の公的年金の見通しを行っており、2019年の検証では少子高齢化の影響で給付水準の減少が予測されました。
日本では急速な少子高齢化が深刻な社会問題となっています。詳しくは総務省の国勢調査から推測される以下の「日本の人口構成の推移」の図をご覧ください。

「年金制度の支え手」である現役世代の減少と高齢者の増加が同時に進み、年金を始めとした社会保障費は「国の借金」である国債や税金の増加で賄われているのが現状です。厚生労働省のホームページによると、「『財政検証』は公的年金の100年先まで見通しを検証している」と謳われています。

しかし昨今の地震をはじめとした自然災害の増加や新型コロナウイルス感染症といった不測の事態、そして少子高齢化の加速に備えるためには、老後の資産形成や年金に関する情報を個人で収集・活用していく事が重要なポイントとなります。まずは今回の年金改革法の法案を学んでおきましょう。

年金改革法の改正ポイント7つとは?

年金改革法の主な改正ポイント7つをご紹介します。

現役世代が影響を受ける改正内容は短時間労働者の厚生年金適用拡大や国民年金に加入中の女性の産前産後期間の保険料免除、年金額の改定ルールの見直しとなります。

また年金の受給開始が近い方は、受給開始年齢の拡大や在職老齢年金の見直し、iDeCo・企業型確定拠出年金(DC)の加入年齢の引き上げが気になる事でしょう。公的年金の関連機関については年金をすでに受給している方を含め、全ての方が関わる改正内容となっています。
順番に見ていきましょう。

1.短時間労働者の厚生年金適用拡大
厚生労働省は2016年から「従業員501人以上の企業で働くパート等の短時間労働者(週30時間未満)で一定の要件を満たしている場合、健康保険や厚生年金に加入が可能」であると社会保険の適用拡大を周知してきました。

今回の年金改革法では500人以下の企業でも、労使の合意に基づき健康保険や厚生年金が適用されるよう対象を広げています。
2024となっており、非正規雇用が多く「掛けている年金は国民年金だけ」「無年金」が多い氷河期世代等への支援となります。

2.受給開始年齢を60~75才に拡大
現在公的年金の受給開始年齢は60 ~70才となっていますが、2022年以降は60~75才に拡大する予定です。受給開始が 75歳の場合、65歳と比べ毎月の受給額が84%増える見込みです。
受給開始年齢を遅らせる事で、高齢者の就労を促進し「年金の支え手」の増加を図ります。

3.在職老齢年金の見直し
60~64才で月収が28万円以上の方は「現役世代並みの収入」とみなされ、厚生年金が減額されていましたが「就労意欲を損なっている」との指摘から月収47万円超に引き上げられる予定です。

4.iDeCo
私的年金制度である個人型確定拠出年金の「iDeCo」は税制優遇措置があり、以前は自営業者や企業型年金のない会社員等が対象でしたが、2017年より加入対象者の制限がほぼなくなった事等により年々加入者が増加しています。
「iDeCo」は現在 20~60歳未満までを対象としていますが、65歳まで加入年齢を引き上げる予定です。同様に企業型確定拠出年金(DC)も現行の65歳から70歳へ引き上げ予定です。

5.国民年金に加入している女性の 産前産後期間の保険料の免除
国民年金に加入しており、扶養の配偶者ではない第1号被保険者である女性に対して 産前産後の4ヶ月は保険料を免除し、免除期間中は満額の基礎年金を保障します。

6.年金額の改定ルールの見直し
公的年金の持続可能性を高め、現役世代の将来の年金給付水準を確保するため年金額を改定します。保険料の上限を設定し限られた財源で給付水準を調整することで、世代間格差を解消する「マクロ経済スライド」を実施します。

受給額を減らすことなく賃金・物価上昇の範囲内で前年度分を含め調整する見込みです。
物価は上がるが賃金は上がらないまたは下がる等、年金の支え手である現役世代の負担が重くなっている際は、賃金に合わせて年金額を改定する(賃金スライド)を行う方針です。

7.
最後のポイントは、年金の関連機関について以下の改正が見込まれています。

  • 日本年金機構に不要財産が生じた際、国庫に納付する規定を設ける
  • 公的年金制度の一部である年金積立金の管理・運用を行う独立行政法人(GPIF)に対し、業務の執行を監督し年金積立金の運用方法の追加の措置

まとめ

短時間労働者の厚生年金適用拡大、現役世代並みに収入を得ている60~64才の方の厚生年金の減額制度の見直しは国民の年金受給額を引き上げる制度となっています。
一方で受給開始年齢を拡大、iDeCo・企業型確定拠出年金(DC)の加入年齢を引き上げといった改正内容は高齢者の労働人口を増やす為の措置です。今後受給開始年齢が引き上げられるのではないかという懸念が予想されます。
現在年金を受給している方、年金の支え手として働いている現役世代は自ら老後資産を形成する必要があります。

老後の資産形成には投資や不動産投資がおすすめです。特に不動産投資は、公的年金だけでは足りない月々の生活資金を補う手段として行っている方が数多くいらっしゃいます。

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